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加齢による薄毛の悩み…「ヘアアートメイク」で解消できる? メリット・デメリットとは【医師監修】

2023-08-29 eltha

 「お肌の曲がり角」という言葉もあるように、実は毛髪にも加齢に伴う変化があるそう。30代を過ぎた頃から、髪の毛の細くなったり、抜け毛が増えたりなど様々な悩みを持つ人も多いのでは。近年メイクアップの一種「ヘアアートメイク」が話題を集めています。髪型やヘアカラーを変えることで、年齢を重ねても若々しい印象を与える「ヘアアートメイク」について、逗子メディスタイルクリニックの徳永理恵院長が解説します。

「ヘアアートメイク」とは?

 頭皮に色素を入れることで、毛髪があるように見せる施術の一つ。生え際や頭頂部などの毛髪が薄い部分を目立たなくすることができます。植毛と違って髪の毛を増やすわけではなく、色素注入によってヘアラインを綺麗に見せるため、通常のメイクとは異なり、洗顔や汗でも落ちないという特徴も。タトゥーのように半永久的に色が残ることはありませんが、一般的に施術後1〜3年は綺麗なヘアラインを保つことができます。

 また、昨今は医療現場でも注目が集まっているそう。がん治療や脱毛症などで髪の毛が抜け落ちてしまう患者さんにとって、「ヘアアートメイク」は自分らしい髪型を手軽に再現できることや、抜けた部分を自然にカバーすることができます。「ヘアアートメイク」によって、患者さんの自信を取り戻すことができるというメンタルヘルス面での利点もあるようです。

「生え際の傷跡など、髪が生えなくなってしまった部分がある方などにも非常に有効です。傷跡は少し色が入りにくいので、慎重に行なう必要がありますが、目立ちやすい生え際をナチュラルにカバーしてくれます」(徳永院長/以下同)

気になる施術料金は?

 一般的には、ヘアラインの調整や薄毛のカバーなど、局所的な施術であれば数万円程度から、全体的なヘアアートメイクや頭皮のトラブル改善などの総合的な施術であれば、数十万円〜数百万円程度と、施術内容や地域によって異なります。

 徳永院長のクリニックでは、500円玉くらいの大きさをカバーするくらいの場合、3万円程度から行なっているそうです。

 施術前には必ずカウンセリングが行なわれ、その際に詳しい料金や施術内容が説明されます。不安な点があれば事前に確認することをおすすめします。

「ヘアアートメイク」のメリット/デメリット

 「ヘアアートメイク」の施術は、薄毛や抜け毛に悩む男性が割合として多い傾向です。しかし、女性でもおでこが広いことや生え際の形にコンプレックスを持つ人もいるので、利用する人も増えているんだとか。部位も個人差があるものの、ヘアラインや頭頂部・つむじ、前髪・眉毛などがよく施術されています。徳永院長のクリニックでも、眉毛の施術が圧倒的に多いそう。
「加齢で眉毛も薄くなりますし、目が見えにくくなった、手が描きづらくなってきた、などの理由が多いです」

 また、最近では頭皮のトラブルを改善するための「ヘアアートメイク」 も注目されており、頭皮全体に施術を行なうことで、健康な頭皮を保ちながら美しい髪を作ることも可能になっているそうです。「頭皮は、どうしても生えてこない円形脱毛症がある方などにご希望される方が多いです」と徳永院長。
 では、施術の際のメリット・デメリットを見てみましょう。

<メリット>
顔が小さく見える
ヘアラインを拡張して額を狭く見せることで、顔全体が小さく見えます。また、生え際を整えることで顔の輪郭も引き締まってみえるそうです。

髪のボリュームが増えて若く見える
ヘアラインに色素を入れることで、髪の毛が増えたように見えます。生え際が薄いと老化した印象になりやすいですが、アートメイクで若々しく見せることも。

似合う髪型が増える
ヘアラインが綺麗に整うことで、前髪を上げたり、オールバックにしたりといった髪型にも挑戦できるようになります。生え際にコンプレックスがあっても、自分の好きなヘアスタイルを楽しめます。

水に濡れてもこすっても落ちない
シャドウなどの化粧品と違って、アートメイクは水や摩擦に強いこともメリット。汗や雨、温泉やプールでも落ちないため、メイク直しの心配もありません。

<デメリット>
一度入れたら完全には消せない
アートメイクはターンオーバーで徐々に色が薄くなりますが、完全に消えることはありません。除去するには除去剤やレーザーを使った治療が必要で、手間や費用がかかります。また、色を明るくすることはできません。

おでこが後退すると不自然になる
アートメイクは髪の毛そのものを増やすわけではないため、施術後におでこが後退してしまうと、不自然な印象になってしまうことも。生え際の位置や形を変えたい場合も難しくなります。

痛みがある
アートメイクは頭皮に針で色素を入れる施術のため、痛みを感じる人も。施術前に麻酔クリームを塗ったり、施術者の技術や針の種類によっても痛みの度合いが変わったりと個人差はありますが、完全に痛みをなくすことはできません。

ダウンタイムがある
アートメイクの施術後は、頭皮が赤くなったり、かさぶたができたりすることもあります。これらは自然に治りますが、施術後1週間程度は入浴やヘアカラーなどを控える必要があります。

アートメイクするとMRIできないという噂は本当?

 アートメイクをすると「MRI検査ができない」という噂も聞きますが、実際は?
「最近の色素でMRI検査ができない、ということは基本的にないと思います。過去、ぐるりと目を囲むアイラインのアートメイクが流行った時に、磁場の発生があったため、やけどのリスクが上がったようです。今はMRI検査についても考慮されて、金属の含有量が調整されています」

 ヘアアートメイクは広い範囲に行なうと不自然になりやすいので、小さい範囲の脱毛を目立たせなくするのに利用するのが一番よいそう。「痛みも気になるほどではないと思いますし、脱毛部分や薄毛部分を気にしているようでしたら積極的に取り入れてよい施術だと思います」と徳永院長。

 その反面、一度入れてしまうとなかなか除去するのは難しい。レーザーで取ることは可能ですが、元の状態ほどには綺麗にとれないので、十分考えてから入れましょう。

 ヘアアートメイクは見た目を変えるメリットがありますが、施術前にはデメリットや注意点もしっかり理解しておきましょう。クリニックや施術者の選び方やデザインの相談も重要です。より詳しい情報を得るためには、事前のカウンセリングも大事です。
徳永理恵

監修者プロフィール 徳永理恵

逗子メディスタイルクリニック院長
国立東京医科歯科大学医学部を卒業後、同大学形成外科所属。2010年逗子メディスタイルクリニックを開院。自然・健康・美容のまち”逗子葉山”で、生活の一部としての美容医療を啓蒙している。自分自身の美しさを引き出す『美肌プログラム』を提案。し、メディカルエステ、ネイル・エクステサロンもプロデュース。3人男子の育児にも奮闘中。

所属学会:日本形成外科学会/日本美容皮膚科学会/日本サポーティブケア学会/医療アートメイク学会

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