【専門医解説】年を取ると早く起きてしまうのはなぜ? 朝型と夜型の違いは「時計遺伝子」
2023-09-07 eltha
自分の“クロノタイプ”知ってる? 「朝型」と「夜型」では、1日の体感時間が違う
体内時計とは、私たちの生活リズムを決める生理的なメカニズムで、「時計遺伝子」がつかさどっています。「時計遺伝子」は遺伝的に決まっていると考えられていますが、主に光や温度などの外的要因によって発現リズムが調整され、年齢によっても発現レベルやリズムが変化します。
年を取ると早く起きてしまうのは、体内時計が変化するからです。加齢とともに「メラトニン」という睡眠ホルモンの分泌が減少するため、「朝型」になりやすいのです。「メラトニン」は暗くなると分泌されるホルモンで、睡眠を促しますが、高齢者はその分泌量が低下し、夜に眠りにつきにくくなり、朝に早く目覚めてしまう傾向があります。
朝型と夜型どちらが良いかは、タイプの違いなので、一概に答えはありません。「朝型」の人は「時計遺伝子」の多く、朝早くから体温が上がり、夜早くから体温が下がるので、早起きが得意で寝つきが良いです。早起きすることで一日を有効に使えたり、朝の光を浴びることで気分や活力が上がったりしますが、夜に集中力や創造力が低下したり、社会的なイベントに参加しにくかったりする側面もあります。
無理に自分のクロノタイプと異なる生活をすると、睡眠の質が低下し、健康や幸福感に影響を与える可能性があります。一番は、自分のクロノタイプに合わせて生活リズムを整えることが大切です。
監修者 医療法人社団先陣会理事長/こころと美容のクリニック東京 大和行男院長
こころと美容のクリニック東京院長として、思春期から成人まで幅広くメンタルケアから美容皮膚科の診療を展開。新しい概念として「思春期美容皮膚科」を提唱し、睡眠障害の在宅審査や指導、児童精神科の訪問診療やADHD治療などを行っている。
資格:子どものこころ専門医、精神科専門医
こころと美容のクリニック東京:https://www.kokoro-clinic.tokyo/