ワインエキスパート髭男爵ひぐち君に聞く「日本ワイン」の選び方 1000円台〜失敗しないおすすめワイン
2023-12-27 eltha

髭男爵 ひぐち君
変化した日本ワインのイメージ「品質が高く、皆さんが知らないだけで、安く手に入るものも多い」
「近年、日本ではワイナリーがどんどん増え、今や、500軒以上あると言われています。価格は1000円台のものから1万円以上のものまでありますが、『ロマネコンティ』のような数百万円もするワインはありません。日本の土地は限られているため、海外のワインに比べると生産量が少ないですが、コンビニやスーパーにもコスパの高い、大手ワイナリーの日本ワインはあります。家族経営のワイナリーのワインは生産本数が多くはないですが、現地に行けば買えることもあるし、酒屋さんや百貨店、オンラインショップで買うことができます。発売後、2〜3分で完売してしまう人気のワインもあります。日本ワインファンは知っているのですが、そうじゃない人は発売日も買い方も知らないですよね」
では、初心者はどこで日本ワインを買えばいいのでしょう。
「まずは、お近くのスーパーやコンビニに並んでいる、甲州とマスカット・ベーリーAのワインを買ってみてください。カボスやスダチ、柚子のような和柑橘のニュアンスが特徴の甲州のワインは、焼き鳥(塩)や秋刀魚の塩焼きなどにピッタリ。マスカットベーリーAは、肉じゃがやすき焼きなど醤油を使った料理に合います。みたらし団子にも合うので、試してみてください。酒屋さんや百貨店にはソムリエの方がいる場合も多いので、たとえば『今日、〇〇を食べたいんですが』と相談すれば、どんな日本ワインが合うか教えてくれます。スーパーやコンビニでは、POP広告やラベルを参考にしてもらうといいと思います。日本ワインのいいところはラベルが日本語で書いてあることですから」
購入の際は、産地と品種を注視してほしいとひぐち君はアドバイスします。
「まずは品種。日本の白ワインでよく目にするのは、甲州、ナイアガラ、デラウェア、シャルドネなど。赤ワインは、マスカット・ベーリーA、メルロー、キャンベルアーリー、ピノ・ノワールなどがあります。あとは産地。ワインはブドウが育った畑の土壌や気候など、その土地の味が出やすいと言われていますので、産地も気にしてみてください。それで、まずは産地と品種を意識して選んでもらって、たとえば、自分は山梨の甲州が好きだと思ったら、その後、別のワイナリーの甲州を試してみる。逆に、このワイナリーのワインが美味しいと思ったら、そのワイナリーの違う品種を試してみるなどしてみてください」
赤、白、ロゼ、オレンジ…結局どれを選ぶべき?

髭男爵 ひぐち君
「赤ワインと白ワインの中間のようなワインなので、どんな料理でも合わせやすいし、前菜からメイン、デザートまでこれ1本でいけます」
情報収集には、ネットの活用も薦めます。
「たとえば、ハッシュタグを付けてワイン名で検索すると、味わいの感想コメントが出てくるなど、ネット上からいろいろな情報が入手できます。そのワインのことが知りたかったら、SNSを活用するといいでしょう。もちろん、『髭男爵ひぐち君の語る日本ワインサロン』という本でも、オススメの日本ワインをわかりやすく紹介しています(笑)」
「グラマラスな味わい」「さわやかなアタック」「芳醇でコクがある」などワインを表現する言葉は独特かつ豊富であることから、「味の違いがわからない自分はワインに向いていない」などワインに敷居の高さを感じてしまう人もいますが、ひぐち君は「難しいことは考えずに、美味しいか美味しくないか、自分に合ってるか合っていないかで選べばよい」と言い切ります。
ひぐち君自身も、ワインエキスパートの資格を取るためにスクールに通い始める以前は、ワインの知識はゼロ、しかもあまりお酒が強いタイプではなかったそう。
それでも「さまざま飲み比べるうちに、品種の特徴や、産地やヴィンテージによって香りや味わいが違うことがわかって、どんどんワインに興味が出てきた。50年近く生きてきて、こんなにハマったのは初めて」と語ります。
ひぐち君おすすめ、1000円台、3000円台、5000円台の「日本ワイン」
山梨県韮崎市/本坊酒造 マルス穂坂ワイナリー
甲州 オランジュ・グリ 2022
●5000円台
広島県三次市/広島三次ワイナリー
TOMOE ピノ・ノワール 白夜 2022