【猫ビフォーアフター】盲目の猫を救いたい、懸命な手術で光を取り戻すも「目ちっちゃ!」には理由が
2023-12-29 eltha
外の厳しい環境で生きる猫はまだまだ多いが、もし病気やケガで視力を失ってしまっていたら? エサを探すこともできず、周りは危険でいっぱい。誰にも助けてもらえない猫たちは、どうなってしまうのだろうか。愛媛から保護されてきた盲目の猫たちについて、NPO法人『ねこけん』代表理事の溝上奈緒子氏に聞いた。
「たかが風邪」じゃない、目がつぶれ命を失う猫も
「風邪を引いた後に治療を受けられず、目が見えなくなってしまうケースはよくあります。目に白い膜が張ってしまうのですが、そのままだと癒着して全盲になってしまうんです。目が見えなくなったとしても、家の中で暮らす猫なら大丈夫なんです。どこに何があるか場所を把握することもできるし、なによりゴハンは飼い主さんからもらえる。でも、外では難しい。食べるものを探すこともできないし、生きていくことはできません。たかが風邪と思われがちですが、ときには目がつぶれ、ときには命をも奪ってしまうのです」
10月に愛媛から来た猫たちも、まさにその状態だった。
「眼球は酸素に触れていないと、失明してしまいます。この猫たちは眼球に膜が張ってしまい、このまま放置したら目が見えなくなってしまう状態だったので、保護することになりました。目をなんとかしてあげたいけれど、オペをするのはなかなか難しい状態。それでも可能性を探ってみようと、膜を切除して、動かなくなっている眼球を治す手術をしました」
目が小さいのには理由が?「味のある可愛い顔」
「ただ…、目がね、少し小さいんですよね(笑)」
猫といえばクリクリした大きな瞳が特徴だが、たしかに手術を受けた猫たちの瞳はつぶらすぎるとでも言おうか…。
「眼球に張った膜を除去する際、目の端っこがどこなのかわかりにくいんです。まずは少しでも見えるようにすることが最優先で、目の大きさについては『こんなもんかなぁ?』と切除しながら獣医師の先生も相談してくださるんです。その後、治ったのは良かったのですが、よくよく見ると思いのほか目が小さめになって…(笑)。でも、味のある可愛い顔だと思います」
つぶらな瞳ではあるものの、猫たちが視力を取り戻すことができたのは万々歳。『ねこけん』ブログによると、その風貌から“寛平ちゃん”とも呼ばれ、愛されているそうだ。
「少しでも見えるだけで、猫が生きていくにはずいぶん違うはず。見えるようになって本当に良かったと思います」
適切な治療さえできれば、猫は光を奪われることなく、生きていくことができる。地域猫の世話をしている人の中には、「ゴハンはあげるけど、治療までは…」という人もいるというが、一歩踏み出してほしいと『ねこけん』は願う。
「捕まえたりするのも難しいとは思います。でももし、具合の悪そうな外猫を見かけたら、できることなら病院に連れて行ってあげてほしい。その一歩が命を救うことになるので、手を差し伸べていただけたらと思います」
■NPO法人『ねこけん』
■『ねこけん』オフィシャルブログ