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“元祖・癒し系”飯島直子が芸能活動10年空白だった理由「ずっと悔やんでいた」

2024-03-14 eltha

 飾らないインスタで多くのフォロワーを掴んでいる飯島直子が、56歳になった2月29日にエッセイ本『飯島直子 今のための今まで』(世界文化社)を発売。50代の等身大の美容や健康法のほか、多忙を極めた芸能界での日々、両親の看取り、結婚、離婚、更年期障害……など、決して平坦ではなかった半生を振り返っている。飯島といえば“元祖癒し系”として絶大な人気を博しながら、表舞台から姿を消したことも。空白の10年間に何があったのか。話を聞いた。

「あのCMがヒットするなんて誰も思ってなかった」過密スケジュールを気合いで乗り切った20代

──飯島さんにとって3冊目となるエッセイはどのようなきっかけで書き始められたのですか?

飯島直子昨年1月に始めたインスタは大きなきっかけでした。私のインスタには同世代のフォロワーさんが多く、この年齢ならではの悩みを打ち明けてくださったり、フォロワーさん同士が励まし合ったりととても素敵なコミュニティになっているんですね。前にエッセイを出した20代の頃はとにかく忙しくて、今振り返ると読んでくださる方にきちんと寄り添えていなかったかな? とも思うんです。少なからずいろんな経験を経た今なら、当時とは違う読者さんにとっても意味のある1冊になるんじゃないかと思って書き始めました。

──2〜30代にかけての飯島さんといえば、数年にわたってCM起用ランキング首位を獲得。“元祖癒し系”として疲れたサラリーマンに寄り添う存在として大人気を博しましたが、テレビで見ない日はないほどで何より飯島さん自身が疲れていたのでは?

飯島直子それまでの私は水着のキャンペーンガールなどセクシー路線を打ち出していたので、あのCMがヒットするなんて誰も思ってなかったんですよ。“癒し系”というワードもどなたがつけてくれたのかわからないんですが、バブルが弾けて誰もが疲れている時代の空気にハマったんでしょうね。本来の私は癒し系とは真逆の性格なんですが(笑)。ありがたいことに忙しくさせていただきました。ただ限界を越えて、現場で倒れたことも何度かあります。

──そのたびに現場は止まるんですか?

飯島直子お医者さんに点滴を打ってもらって少し休んだら続行という感じでしたね。一度、意識朦朧としている中で「この撮影を延期したらウン千万だぞ」とか現場が揉めてる声が聞こえてきたこともありました。もう私が払っちゃおうかな……」と一瞬思ったのですが、「いや、無理でしょ!」と意を決して起き上がったこともありましたね。今でこそ「働く人の心も体も大事」と言われますが、当時は気合いでやり切れ! という時代だったというのは同世代の方なら共感していただけるんじゃないかなと思います。

10年の空白期間のワケ きっかけは父の最期に立ち会えなかった後悔

──多忙を極めた時期を経て、40代半ば頃から仕事をセーブしていた印象です。何があったのでしょうか?

飯島直子2014年のドラマ『続・最後から二番目の恋』(フジテレビ系)が終わった頃から、父の看護のために泊まりがけのロケや連ドラ、映画などをセーブさせて頂きました。この状況に体力的にも精神的にも耐えられるのは私だと判断して、病院への送迎や付き添い、主治医との治療方針の打ち合わせなど、すべて1人で取り仕切ってきました。なのに父の最期には立ち会えなかったんです。「明日また来るね」と病院から帰宅したその後に……。

──人が亡くなるときは選べないものですが──。

飯島直子それはわかっていても、あんなにずっとそばにいたのになんで……って、ずっと悔やんでいました。それもあって母が倒れてからはさらに仕事をセーブしたんです。10年ほどは開店休業状態でしたね。母は気丈な人で「芸能人は親の死に目に会えないのは当たり前よ」と言ってくれていましたが、絶対にその瞬間には一緒にいたかったんです。

──お母さまもおっしゃるように、芸能人は常に表舞台に出ていないと忘れられるという不安はなかったですか?

飯島直子それはなかったですね。仕事はなんとか頑張れば取り戻せるかもしれないけど、親との時間は今しかないと思っていましたから。あんなに親と一緒にいられたのは子どもの頃以来でしたね。でも2〜30代の頃は仕事に突っ走っていてよかったと思っています。いずれ迎える別れが想像できる年齢になり、親と過ごす穏やかな日々に幸せを噛み締めながら悔いのない看取りができたのは、無我夢中で仕事をしてきた時期があったおかげだと思っています。

困難にぶつかるのは嫌いじゃない 50代はさらに「よし、来い!」

──ご両親の看取りをされて燃え尽きる方も多いと聞きます。飯島さんの場合、それを救ってくれたのがInstagramだったとか。

飯島直子そうなんです。私自身、長らく塞ぎ込んでいたのですが、父の七回忌、母の三回忌だった昨年、「少し外に目を向けてみたら?」とアドバイスしてくれた方がいて思い浮かんだのがインスタでした。それまでSNSって怖いというイメージがあったのですが、使い方のおぼつかない私にフォロワーさんから「誰かこの人に教えてあげて!」なんて言われたり(笑)、想像とはまったく違う優しい世界でしたね。

──更年期障害やパートナーの浮気、家族の看取り、職場の人間関係、老いることへの恐怖……そうしたコメントに丁寧に返信されているのも、飯島さんのインスタが優しい世界である理由だと思います。

飯島直子中には返信に窮してしまうような辛い思いを明かしてくださる方もいて。でも同世代だからこそ共感できることって多いですし、きちんと考えて返信したいので一度ノートに書き出してから打ち込むようにしています。返信が遅くなってしまうのは申し訳ないのですが、アナログ人間なので(苦笑)。

──飯島さんご自身の経験を踏まえた返信に喜ばれているフォロワーさんも多いように見受けられます。

飯島直子同世代だけに「みんな同じだよね」と思うことって多いんですよね。特に更年期障害はそう。私の場合は偽閉経療法がきっかけでした。若い頃からPMSに苦しめられてきたのですが、どんどんひどくなり一昨年に提案されたんです。そうしたら今度はホットフラッシュや頭痛、不眠、倦怠感……と一気に押し寄せてきて。年上の友人が言ってたのはこれか! と理解しましたね。

──これから同じ経験をされるフォロワーさんにとってはヒントになることもたくさんあります。

飯島直子そうだといいなと思ってインスタを続けているところはありますね。今は偽閉経療法を終えて徐々に更年期障害も治りつつあるところです。偽閉経療法を提案されたときに「出産は望まれますか?」と聞かれてびっくりしたのですが、たしかに今は50代でも出産される方はいますよね。ただ自分の場合は現実的に難しいと判断しましたし、悔いはないかなと思っています。

──飯島さんのお話を伺っていると、さまざまな壁にぶつかりながらも「逃げない」という姿勢を感じます。これから60代を迎えるにあたってはどうありたいですか?

飯島直子私は困難にぶつかるのも嫌いじゃないというか、むしろ生きている! と実感できる性格なんです。今後もたぶん壁はあると思いますが、「よし、来い!」という気持ちは50代になってさらに強くなっています(笑)。自分では大きなことは望まず現状維持していきたいと思っているんですが、多少頑張らないと現状維持できない年齢になったこともそうさせてくれているのかもしれないですね。
(取材・文/児玉澄子)

『飯島直子 今のための今まで』(世界文化社)飯島直子

「元祖癒し系女優」として社会現象になった飯島直子による実践の美容とセルフケアを初公開。飯島直子顔が再現できるメイクアイテムやテクニックを惜しみなく公開するほか、エッセイでは生い立ちから結婚・離婚、仕事、家族のことを初めて明かす。
https://www.sekaibunka.com/book/exec/cs/24502.html

飯島直子Instagram naoko_iijima_705_official 
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