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洋酒香るムースオショコラとテリーヌショコラ【ソムリエが教える「エッグ」なバレンタイン vol.1】

朝食の定番、卵がけゴハン。TKG。ちょっとお醤油を垂らしたらしみじみ美味しい。トーストに目玉焼きも最高です。これラピュタ飯。

ゆで卵には温卵も半熟もハードボイルドもあります。焼きではスクランブルエッグに、だし巻き卵に金糸卵だって。親子丼があれば、オムライスだってある。卵さん偉大!ラーメン屋でだって味玉追加しちゃいます。蕎麦にうどんにハンバーガー「月見」って呼び名が詩的です。

イタリアンならカルボナーラも卵なきゃできません。そもそも手打ちのパスタには、セモリナ粉と卵黄使います。茶碗蒸しだって卵だし、お寿司屋さんで「玉」がデザートに出るところも。


レシピ制作:佐藤 尊紀



■地球上4大プロテインのひとつ
フライだって衣をつけるときに卵が必要ですし、そうそう、マヨネーズは卵がなければつくれません。コンソメもワインも卵白によって清透(澄ませる)しますし、パテドカンパーニュにも卵が入っているんですね。

ギャマングループでお馴染みの「トリュフのふわふわスフレオムレツ」も卵白をしっかりメレンゲしてこそのお料理でした。

そしてスーパーでもご覧の通り、常温での保存が可能です。殻に入っているというそのデザインは非常に機能的です。レシピで卵白と卵黄を分ける際には器具にもなるし、その殻はパッケージの役目を果たします。持ち運びにも便利です。

さらに栄養学的にもエッグプロテインは「地球上の4大プロテイン」のひとつでもある。

・コンビニ版ビルダー飯トップ3

卵って登場率も機能性もハンパないです!あっ、すき焼きでも卵必要だった!という事は牛丼もだ!お好み焼きやたこ焼きにも入ってる?そして感心ポイントに「安さ」があります。大体10個入りが100円〜150円では?1つが約10円〜15円です。そう考えるとコンビニの「ゆで卵」って実は高いですね。

これは全く料理には関係ありませんが、15年ほど前に筋トレにハマっておりまして、ボディービルの大会に1度出たことがありました。組んでいたトレーナーが大のボディービルマニアで、筋肉質だった私はまんまと調教されてしまいました。

その時分は営業マンで、商談先のあちこちで食事を取らなければなりません。減量も含め身体作りの為には「高タンパク低カロリー」が必須条件です。サプリメントは常に携帯していましたが、当時紙主体であった営業資料と一緒に、「ビルダー飯」を持ち運ぶことは難しく、大変お世話になったのがコンビニでした。

「ゆで卵」「バナナ」「ハム」はどこのコンビニでも手に入る高タンパク低カロリーな「コンビニ版ビルダー飯トップ3」なのですね。パンプアップして若干パツパツ気味のスーツ姿で、このトップ3を「豆乳で流し込む」という姿は、なかなかの変態筋肉サラリーマンでした。 

最低限のエネルギーは「バナナ」で。卵同様手を汚さずに食べられて持ち運びにも便利です。「ハム」は少々塩分が高めですが一応「肉」を食べてる感覚。成分表示をよく見ると乳タンパクの一つ「カゼインプロテイン」が入っていたりします。ちょっと感動。

そして我らがエッグプロテイン「ゆで卵」様。持ち運べる高タンパク質です。黄身はカロリーとコレステロールが気になりますが「テストステロン」には脂質も必要です。みなさん「ゆでたまご先生」ってご存知ですか?「キン肉マン」の作者です!こんなところにも卵は登場しているのです(笑

相当な脱線ですが。「ゆで卵」がいかに栄養学的にも素晴らしいか伝わったのではないでしょうか。ぐいっと戻します。

・溶けるデザートで不意打ちバレンタイン

さてさて。デザートの世界ではどうでしょう?実は卵の消費量が一番多いのがこの世界。卵が無ければスポンジケーキもシュークリームもつくれません。テリーヌショコラにもチーズケーキにもティラミスにだって入ってます。クレームブリュレには信じられないくらの卵黄が。カスタードは卵とバニラのソースです。他にも上げたらキリが無いでしょう。

そして気づけばバレンタインはすぐそこ。コロナな現代のお家時間を活かして、たまにはお菓子作りなんてしてみませんか?今年は2人でお部屋でゆっくりまったりステイホームなんていかがでしょう?

溶けてしまう「持ち運びNG」なレストランデザートで、デリケートな愛を、不意打ちのカフェタイムに。ディナーのデザートに。

リキュールの効いたチョコレートで大人なひとの心も優しく溶かしてください。

■「ライチ風味のムースオショコラ」と「アマレット香るテリーヌショコラ」


・ワインに代わりリキュールの登場!

活躍頻度の高いスーパースター食材「卵」、今回はデザートを作っていこうと思います。以前よりワインを使ったレシピを多数ご紹介してきましたが、今回はワインに代わってリキュールの登場です。「アマレット」を使ったほろ苦く大人なテリーヌショコラと、「ディタ」を使ったキュートなムースオショコラの2つ。

私が「ブラッセリー・ヴァトゥ」のデザート場でたくさん作ったレシピを「ブロックス」時代にも更にアレンジを加え、デザート作りを楽しんでいました。今回はそのレシピをお家サイズにしてつくって参りましょう。

今回は道具が多いので「そんなのねーよ!」って怒られてしまうかもですが、この際なので高いものでなくて全然良いので少し揃えてみたください。

まず初めにデザート作りで「失敗しない為のポイント」を一つ。それは「計量」です。これが基本中の基本です。レシピ通りにしっかり計量しないと、微量の変化で違う物が出来てしまいます。またデザート作りは「よーいドン」で作り始めたらノンストップの待ったなし。準備が非常に大切です。

チョコレートを溶かしたり、卵白や生クリームを泡立てるので、途中で止まってしまうと、チョコレートが固まってしまったり、シャンティやメレンゲが落ちて(空気が抜けて萎んでしまう事)しまったり。お料理のように「焼きながら…」とか「沸くまで…」とか「煮込んでる間に…」という事が出来ないのがデザート作りなんですね。ですから「ブラッセリー・ヴァトゥ」時代も仕込みに追われつつ、デザート系の仕込みをするわけなので「仕掛けるタイミング」が気になって仕方ありませんでした。シフォンをオーブンに入れなきゃなんだけど、シェフが煮込みを仕込んでる。あぁオーブン取られそう…とか。

また基本のレシピや工程をしっかり覚えておけば、後々アレンジもしやすくなります。慣れてきたら「私はもう少し甘くない方がいいなあ」とか「もう少し硬い方がいいなあ」と基本のレシピを元にして自分好みに微調整が出来る様になるわけです。これ仕事も恋愛も一緒かも。

「まずは基本を身に付ける」これはデザート作りに限らず何事においても大切なことですね。工程が頭に入ってきて、順番の意味が分かってくると楽しいものです。あらゆる素材を、それぞれに変化させて、最後に一つにまとめ上げる。頭の中で段取りを見極めつつゴールまで走る。理想の完成形をイメージして。

あ、デザート作りと恋愛でもう一つ大切なポイントがありました。

・失敗が大事なのは恋愛と同じ

「失敗すること」経験て大事です。。。やり直せる物もあれば、やり直しが効かない事もありますが。

大人のデザートと人生は、まあまあビターです。

■ライチ風味のムースオショコラ
<材料>


ビターチョコレート(ベルジアン・ダーク72%) 150g
無塩バター 40g
卵黄 2個分
砂糖 30g
卵白 2個分
砂糖 30g
生クリーム 200g
リキュール(ディタ) 40g
ミントの葉 適量
粉糖 適量

<道具>
湯煎用の鍋(ボウルが上に乗るもの)
ボウル 4個(およそのサイズ、21cm・24cm・26cm・29cm)
泡立て器 2本(あれば3本)
テリーヌ型 1台(容器はあるもので良いです)
シリコンのヘラ 1本

<下準備>
・湯煎用のお鍋にボウルの底が水面に当たるくらいの水を入れ沸かしておく。
・全ての材料を計量する。
・冷蔵庫に完成品をしまうスペースを作る。


卵の分け方は容器を二つ用意して、半分に割ったらまず初めに「卵白」を容器に落とします。余計な動きをせずに少し傾けてあげることで「自重」で卵白が流れ落ちるはずです。そのあとで2つの殻に卵黄をキャッチボールさせ、卵黄にまとわりついた卵白を落とします。ある程度卵黄だけになったらこちらも容器へ。

ここが少し難しいかも。殻の角に「卵黄」を引っ掛けてしまい「半白に卵黄を垂らさないように」しましょう。「卵黄」に多少の「卵白」が入っても状態に問題ありませんが、「卵白」に「卵黄」が入ってしまうと「メレンゲ」ができません。水分などもまた然り。垂らしてしまったらまずは焦らずにスプーンで「卵黄」を取り除いてください。動画などを検索して「動作のイメージ」を掴んで作業してみてください。


<作り方>
1.「チョコレート」と「バター」を湯煎で溶かします。


時間のかかることから先に進めると進行がスムースになりますね。

2.「生クリーム」で「シャンティ」を作ります。フランス語でホイップクリームのこと。正式には「クレームドシャンティー」です。


レストランのデザート場だと「シャンティーを立てる」というように使います。ツノが立つ程度にしっかりとホイップしてください。


シャンティーの「正しい作り方」は大小のボウルを用意して下に氷を敷き「氷ボウル」なるものを作って生クリームを冷やしながら泡立てます。こうすることで滑らかなキメの細かいシャンティーができます。



ライチ風味のリキュール「ディタ」を合わせます。少々多めの分量です。大人なので。

3.「卵黄」を「ブランシール」していきます。製菓用語で「ブランシール=blanchir」ですが、スペルの中に「blanc=ブラン(白)」が入っていますね。「白くなるまで混ぜ合わせること」を言います。


卵黄は離水しやすいので「ブランシール」する直前に「砂糖」を加えます。早目に「砂糖」を加えて放っておくと「砂糖」が「卵黄」の水分を吸ってしまい、表面の膜が固く残ってしまいます。「砂糖」は直前にあわせましょう。



ボウルを斜めにして底の部分のカーブを使い、泡立て器を左右に動かすとあまり疲れずに進められます。疲れたら反対の手に持ち替えて同じ動作を。早く動かせば早く混ざりますが、焦らずにゆっくりと。


分かりやすいように半分だけ「ブランシール」してみました。要は「砂糖を加えた卵黄のホイップ」ですね。


全体がしっかり白くなってもったりして来たらボウルの底を「泡立て器」で掻いてみてください。このように泡立て器で掻いた「筋」が残るくらいの硬さになれば完成です。

この状態を「リュバン状」と言います。「Ruban」=フランス語で「リボン」のことですね。デザート作り、特に卵黄を扱うときによく出てくる言葉です。


4.卵白に砂糖をあわせ「メレンゲ」を作って行きます。


ボウルを傾けて片側に寄せてから攪拌してゆくと、散らばった卵白がまた下に集まりますので早く出来上がります。左右に一定の軌道で動かしてください。腕が疲れたら反対の手に持ち替えて。


ツノが立つくらいまでしっかりメレンゲします。ここは一番大変なところかも。ちょっと腕が痛くなりますね。お疲れ様です。

5.チョコレートがしっかり溶けたことを確認し、「ブランシールした卵黄」に合わせます。まずは湯煎したボウルの水気チェック。水分をしっかり拭き取ります。ボウルがかなり熱いのでミットを使い火傷には気をつけてくださいね。





ボウルの「ヘリ」の折り返しの下の部分にも蒸気が回り水分が溜まるので傾けて取り除きましょう。水分が混ざると状態が大きく変化します。場合によっては取り返しのつかないミスにつながります。湯煎をしたら必ず水気のチェックを。



色が均一になるまでしっかりと混ぜます。

6.生クリームを合わせます。


底や側面にチョコレートが残りやすいです。最後に容器に流した時にマーブルにならないようによく混ぜましょう。ヘラでボウルの地肌が見えるくらいに、外側から内側に掻いていきます。


7.最後にメレンゲを投入し、ボウルの外側からなるべく泡を潰さないように、切るように混ぜ合わせます。泡をなるべく潰さないように優しく混ぜましょう。


8.混ざったら容器に流して完成です。ラップをせずに冷蔵庫へ。




■アマレット香るテリーヌドショコラ
<材料>


ビターチョコレート(ベルジアン・ダーク72%) 250g
無塩バター 125g
卵黄 3個分
砂糖 20g
卵白 3個分
砂糖 20g
クルミ 35g
スライスアーモンド 35g
砂糖(キャラメリゼ用) 50g
アマレット 40g
シナモンパウダー 適量

<道具>
湯煎用の鍋(ボウルが上に乗るもの)
テフロンフライパン 1枚
ボウル 3個(およそのサイズ、21cm・24cm・26cm)
泡立て器 2本
テリーヌ型(2重にしたラップを敷く) 1台
バット(クッキングシートを敷く) 1枚
シリコンのヘラ 1本

<下準備>
・全ての材料を計量する。卵はムースと同様に。頑張って!
・湯煎用のお湯を沸かす。
・「冷凍庫」に完成品をしまうスペースを作る。
・テリーヌ型にラップを敷く。


テリーヌ型の倍の長さのラップを2枚重ねて全面をプレスし貼り合わせます。


そのラップをテリーヌ型の中央に乗せ、軽く谷折りにしながら底面に貼り付けます。なるべく空気が入らないように。そして幅の長い側面も貼り付けてラップを外側に返します。幅の長い側面を先に決めてしまうと作業が楽です。

まずは側面を気にせず、底面をピッタリ貼ることだけに集中すると、スムーズかと思います。一度「そこに落とす」イメージで。



次は幅の狭い側面です。平な面から貼り付けていきコーナーからたるみを逃すようにするとうまくいくと思います。


反対側も同じように処理し、ラップを外側に返したら準備完了です。


<作り方>
1.チョコレートとバターを湯煎で溶かします。分量的に少々時間がかかるので一番初めに仕掛けましょう。そして隣で「クルミ」を「キャラメリゼ」していきます。分量の砂糖をテフロンフライパンに乗せ中火にします。徐々に溶けていきほんのり茶色になってきます。




透明な部分があるうちはまだです。

2.だんだん焦げて行き、煙が出始め香ばしい香りがしてきたらクルミを投入しましょう。


クルミがキャラメルと混ざり合ったらアーモンドも投入し混ぜ合わせます。


3.アーモンドが混ざりあったらオーブン用シートを敷いたバットに広げます。


キャラメルを広げることであとで砕きやすくなります。粗熱が取れたら「冷凍庫」へ。


時々チョコレートをかき混ぜてあげてください。より早く溶けます。

4.「卵黄」を「ブランシール」。※上記工程3参照




5.「卵白をメレンゲ」に。※上記工程4参照


6.「チョコレート」と「バター」が溶けたことを確認し、ボウルの水気を拭いておきます。


7.「メレンゲ」に「ブランシールした卵黄」と「アマレット」を入れよく混ぜます。


8.「チョコレート」を合わせよく混ぜます。キャラメリゼした「クルミとアーモンド」を冷凍庫から出しておきます。




やはりここでもチョコレートが下に沈澱します。ヘラでボウルの地肌を滑らせ、最後にマーブルに成らないようによく混ぜましょう。


9.「クルミとアーモンド」を砕いて入れます。キャラメルが硬いので楽に砕ける程度で構いません。コストを気にしなければ「ピスタチオ」や「レーズン」を入れても美味しいです。


10.合わせた物をラップを貼り付けたテリーヌ型に流します。




流したては表面がモコモコしていますが、両端を持って下に軽く叩きつけてあげると、余計な空気も抜けて表面が調います。上にはラップをせずに冷凍庫へ。


11.冷やし固めて、さあいよいよ型から抜いて味見してみましょう。巻きつけたラップを広げ表面を覆います。型を上下ひっくり返し、底面を上にします。


型を上下ひっくり返し、底面を上にします。



ガスバーナーがあれば一周炙ってください。ステンレスのキッチンに直置きで炙ると、キッチン台が異常に熱くなっていたりしますので気を付けて。ガスバーナーがなければしばらく置いておくか、お湯で濡らして軽く絞ったタオルをあてても良いでしょう。要は外側を少し温めて、ちょっとだけ溶かしてあげるとすぐに型から抜けます。



お疲れ様でした!ご褒美コーヒーをいれてお味見をしてください。ちょっと腕が痛いですよね?それは愛情をたっぷり注いだ証です。

盛り付けは自由です。苺やベリーを添えてもチャーミングです。シンプルにミントだけでもオトナな雰囲気になります。



ゆっくりと溶けてゆくカカオに、うっとりリキュールを感じます。ラッピングできない溶けてしまうデザートはお外には持ち出せません。

暖かいお部屋の中で疲れた腕を優しくゆっくり揉みほぐしてもらってください。

Happy Valentine.

(佐藤尊紀)
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