「可乃はもうなんでも一人でできるんだ…」。夕食後、私は食器を洗ってくれる可乃を見ながら、小さく生まれて発達も遅かった、赤ちゃんの頃の可乃を思い出していました。
先生からは「可乃ちゃんのペースで成長しているから、心配ない」と言われていたけれど、ほかの子を見て落ち込むこともたくさんありました。
そして、そんな時に出会ったのが、亜美ちゃんママでした。
亜美ちゃんママに悪気はなかったのはわかります。でも、娘の発達の遅れを気にしていた私にとって、歩くことができる子どもを見ること、さらにはそれを当たり前のこととして話す亜実ちゃんママの言葉に強烈な嫉妬心を持ってしまいました。
その後も同じマンションに住む亜美ちゃんママとはちょこちょこ顔を合わせる機会があって…。
1歳半健診では、言葉の遅れを指摘され、わかっていたこととはいえショックだった私。
「ベビーカーまだ乗ってるの?」、「可乃ちゃんはまだ?」…そんなことを会うたびに亜美ちゃんママから言われていた私。
いつしか子どもの成長度合いを測るときには、いつも亜美ちゃんを見るようになってしまいました。可乃が自転車に乗れるようになった時には、“可乃が自転車に乗れたこと”より、“亜美ちゃんより先に乗れたこと”が嬉しくて、嬉しくて…。
そんなことを考えるうちに、私は「可乃の成長に対する“不安”から、可乃と亜美ちゃんを比較していたのかもしれない」と気づきました。
でも、この不安は私のもので、可乃には関係ありません。私と可乃は別の人格で、境界がある。「比べることを止めるにはどうしたらいいの…」。私は自問自答を繰り返していました。
次回に続く(全7話)毎日15時更新!
※この漫画は実話を元に編集しています
(ウーマンエキサイト編集部)