上半身はスリムなのに、なぜか下腹だけがポッコリ…。そんな時、無理な腹筋トレーニングをすると、腰などを痛めてしまう恐れがあります。ポッコリお腹撃退には、まず体の内側から。普段何気なくしている“呼吸”を変えるだけで、気になる下腹を引き締めることができます。
下腹ポッコリの大きな原因は、運動不足などによる筋力の低下です。「腹筋」と一言でいいますが、実は下腹は何層もの筋肉におおわれています。
これらの腹筋は日常生活の中ではあまり使われることがなく、さらにデスクワーク中心で運動不足の毎日では、どんどん衰えてきてしまいます。
お腹の筋肉は、内臓を支える役割をもっています。その筋肉が衰えると、支えていた内臓が下がり、下腹ポッコリの原因になってしまうのです。
お腹をへこませるために、多くの人がまず思い浮かべるのが腹筋運動でしょう。しかしこのトレーニングは、体の表面近くの目に見える筋肉、いわゆるアウターマッスルを鍛えるためのものです。
ポッコリ下腹を解消するために大切なのは、インナーマッスルを鍛えること。激しいエクササイズをしなくても、“呼吸”を変えれば下腹の内側の筋肉を効率よく鍛えることができます。
■椅子に座った姿勢での呼吸法仕事の合間や電車の中で、椅子に座ったままできる呼吸法です。鼻から吸い、口から吐く腹式呼吸を行います。呼吸の際に肩が上下しないように気をつけましょう。
01. 椅子に浅めに腰掛け、背筋を伸ばします。足は腰幅くらいに軽く開き、背もたれに体をもたれさせないようにします。
02. ゆっくりと鼻から息を吸います。お腹を横にふくらませるように、呼吸とともに動く筋肉を意識しながら行いましょう。
03. つぎに、ゆっくりと口から息を吐き出します。お腹をへこませながら、体の中にたまった空気をすべて吐き出すようなイメージで。
04. これを10〜15回程度繰り返します。
■横になった姿勢での呼吸法夜寝る前や、朝起きた時など、布団の中でもできる呼吸法です。お腹がへこんだりふくらんだりする動きを意識しながら行いましょう。
01. 仰向けに寝てひざを立て、両手をお腹の上におきます。
02. 鼻からゆっくり息を吸い込みます。下腹に空気をためていくようなイメージでお腹をふくらませ、ゆったりと動く筋肉を手で感じましょう。
03. 息を吸い切ったら、今度は口からゆっくりと吐き出します。息を吐きながら、思い切りお腹をへこますように意識して。
04. これを10〜15回程度繰り返します。
呼吸は焦らずゆっくり行いましょう。とくに、息を吐くときは、吸うときの倍くらいの時間をかけるつもりで吐くようにします。
何度か繰り返すうちに、リラックスして腹式呼吸ができるようになります。デスクワークの合間やテレビを見ながらなど、意識さえすればいつでもどこでもできる呼吸法。ポッコリ下腹解消に加えて、基礎代謝のアップにも効果がありますよ。
(加藤朋実)