■前回のあらすじ
またしても夜中に同僚を連れてきた夫だったが、綾子は「非常識な人は客ではない」と家には入れなかった。そして荷物をまとめた綾子と悟は、直幸の実母と一緒に出て行ってしまうのだった…。
<夫SideSTORY> 妻の綾子は俺の母親に連れられて出て行ってしまい、何度も電話やメッセージを入れましたが、すべてスルー。実家に電話しても出てくれない始末。
家の中のテーブルには以前綾子に書かされた誓約書が1枚乗っていて、綾子の怒りの大きさを感じました。
それでも自分の実家にいるだろうから少しだけ安堵の気持ちで会社に向かいました。たださすがに妻と子どもが出て行ってしまったのは、気が重くて…。
俺は、大学時代まではサークルの代表をやったりして、結構目立つ存在でした。だから社会人になることに何も心配していなかったのに、いざ会社に入るとまったく役に立たない存在であることを思い知らされたのです。
同期に比べて仕事でなかなか評価されず、だからこそ同期から見下されているようにいつも感じていて…。せめて飲みニケーションだけは絶やさず仲を深めていこうと、頻繁に同期を飲みに誘うように。そして学生時代のように、自宅に呼んだ方がより絆が強まると思い、綾子の気持ちを考えずに家に招いていました。
このままでは俺は確実に綾子と悟を失ってしまう…そう思った俺は実家に向かいました…。
俺の中には、「同期に見下されたくない」、「デキる人だと思われたい」…そんな思いがあったのだと思います。だから「どんなに遅い時間でも俺のいうことを聞いてくれる妻をもらった」という自分を演出していたのかもしれません。
そんな自分勝手な俺の考えに綾子を巻き込んでしまった後悔と反省で渦巻いていました。そして綾子の出す結論は…?
※この漫画は実話を元に編集しています
(フィクション・スタジオ)