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手足の冷え、くすみ肌、イライラには食べる万能薬「レバー」を。「鶏レバーのこっくり甘みそ煮」【金丸利恵のダイエットレッスン Vol.27】

自分にあう痩せ方を見つける『マイダイエットメソッド』を主宰しています、管理栄養士で、おうちごはん研究家の金丸利恵です。

指先が冷える、疲れやすい、抜け毛が気になる、肌がくすむ、生理前や生理中にイライラする、甘い物が食べたい、なんだか気持ちが落ち込む・・・そんな症状があったら、貧血の可能性があります。

・診断されない場合もある「隠れ貧血」


「健康診断では貧血と言われなかったわ」という場合も、一般の検査では測定しない、貯蔵鉄(フェリチン)や血清鉄が不足している「隠れ貧血」に該当するかも。貧血があると様々な不定愁訴がでてきます。実際に治療をすると気持ちの落ち込みや疲労感が軽減されたという声を良く聞きます。

・貧血対策といえばレバー


しかし、受診までいかなくとも、生理がある女性は潜在的に貧血が多いので、普段から、鉄欠乏を予防する食事を心がけると良いでしょう。貧血対策と言えば、代表的な食品はレバーですね。今回は手に入りやすい「鶏レバー」について解説します。

・レバーの優れた栄養素


鶏レバーは現代人に不足しがちな栄養素を豊富に含みます。特に多いのが、ビタミンA,鉄、ビタミンB2,B12,葉酸、ビオチン。

1日の摂取目標値(30歳〜49歳 女性)を基準とし、100gのレバーを食べたときの充足率がこちらです。

【100gのレバーを食べたときの充足率】

・鉄(赤血球のヘモグロビンの材料になる) 85%
・ビタミンA(肌や粘膜の保護、腸管の形成、視力に関わる) 2000% 
・ビタミンB2(脂質の代謝に関わり、細胞の再生を促す)  150% 
・ビタミンB12 (赤血球を作る)1833%
・葉酸(赤血球の生成と、遺伝子合成に関わる) 542%
・パントテン酸(ストレスに抵抗する)200%
・ビオチン(皮膚の新陳代謝に役立つ) 460%


血液や皮膚、腸、メンタルなど、カラダのあらゆる働きに関わる栄養素がみっちり詰まっていることがお分かりいただけるでしょうか。牛や豚のレバーは、肝臓水解物として医薬品の原料にもなっているくらいで、非常に栄養価の高い食品と言えます。

・レバーの臭みを軽減するには…


しかしながら、カラダに良いと分かっていても、食べることに躊躇することも…レバー特有の臭みが、苦手という方は、とても多いのです。レバーペーストは大変クリーミーで食べやすいものもありますが、乳製品が臭みを消すので生クリームやバターを大量に使っているものが多いです。ダイエット中はカロリーも気になりますよね。

血抜きを丁寧に行っても完全にレバー臭が消え去ることは難しいですが、軽減するポイントはいくつかあります。


【レバーを食べやすくするコツ】

1、血の塊やスジをきれいにとる。
2、「塩+酢」を溶かした水に1時間以上漬け込む。
3、調理中は高温で加熱しすぎない。
4、調理後は冷やして食べる。


下処理はなんとなくイメージが沸くと思いますが、調理法や食べる温度で臭みの強度がだいぶ変わってきます。レバーは高温で長く加熱すると、臭みが増します。しかし栄養豊富な分、細菌も存在しており、充分に加熱しないと食中毒を引き起こしかねません。ちなみに安全な加熱温度は、中心温度が75℃で1分以上加熱、もしくは63℃で30分です。

沸騰した湯に下処理済みのレバーを入れたら、火を止めて蓋をし、予熱を利用しゆっくり火を通してみましょう。その工程後も強火にせず、弱火で味付けをすることで、臭みがかなり軽減されます。また、食べるときも、温かいと臭みが強く感じるので、冷たく冷やすと良いでしょう。常備菜やお弁当にも活用できますね。

・レバーを食べる頻度はどのくらい?


貧血の予防として食べるなら100gくらいの量を週1〜2回でOKです。先ほどの栄養成分を見てもわかるように、ビタミンAを大量に含むので、食べすぎは要注意です。

下処理には手間がかかるので、レバー好きな人なら、市販の焼き鳥のレバー串を週に1〜2回、2本くらい食べればよいでしょう。

・食べられない人は…


また、レバーは食べられないけど、貧血は直したいという方は、まず肉や魚など、動物性のタンパク質をしっかり摂ることをお勧めします。1食あたり「手のひら分」くらい食べるようにしましょう。

鉄は「タンパク質」と一緒に働くので、鉄だけ意識しても改善できません。レバーに豊富なビタミンAや葉酸は「緑黄色野菜」から、ビタミンB2やビオチンは「マイタケ」「卵」「大豆製品」などからも摂取できますから、いろんな食材をバランス良く食べると、自然と貧血改善にもつながります。

・味付けを変えて食わず嫌いを克服!


そして、昔食べた時は苦手だった、または食わず嫌いの方は、ぜひもう一度レバーに挑戦してみては?ご自分の好きな味付けにすると、案外美味しく食べられるかも。克服できれば一番良いですよね。

■「鶏レバーのこっくり甘みそ煮」

調理時間 30分(レバーの下処理で漬けこむ時間、冷却時間は除く)

レシピ制作:金丸利恵


【材 料】 2人分
鶏レバー…200g
<A>
水…200ml(1カップ)
塩…小さじ1
酢…小さじ1

赤ワイン…大さじ1

<B>
赤みそ…小さじ2
ウスターソース…小さじ2
砂糖…小さじ2
ニンニク(すりおろし)…小さじ1/2
水…大さじ1〜2

【作り方】
1、鶏レバーは白い筋を切り取って、大きめのひとくち大に切る。横に包丁を入れ、厚みを半分にしたら、水洗いして血合いを取り除く。ボウルに水を張り、同じ方向に混ぜると血合いが出やすい。水洗いを数回繰り
返す。

2、<A>をボウルに入れ、塩が溶けるまで混ぜ合わせる。(1)を入れて、冷蔵庫で1時間以上漬ける。

3、(2)を水できれいに洗い水気を切る。鍋に湯を沸かし、沸騰したら(2)を入れる。火を止めて蓋をして、余熱で30分火を通す。

4、フライパンに赤ワインを入れて中火にかける。赤ワインが沸騰したら、一度火を止め、b)を入れ、赤みそを溶かす。再度まぜながら加熱する。

5、(4)に水気を切った(3)を入れ、味を絡ませながら、弱めの中火で、3分程度煮含める。出来上がったら器にうつし、荒熱が冷めたら冷蔵庫で冷やす。皿に盛る。

年末に向け、忙しくなる時期。栄養あるものをしっかり食べて、ラストスパートを駆け抜けましょう。


1人分 栄養成分

エネルギー 138kcal
たんぱく質 20.1g
脂質    3.7g
炭水化物  6.7g
鉄     9.5r
食塩相当量 1.5g


参考文献: 厚生労働省 豚のお肉や内臓を生食するのは、やめましょう
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/syokunikuhannbaitenn.pdf
食品成分データベース https://fooddb.mext.go.jp/

日本人の食事摂取基準(2020 年版)
栄養補給に関する基礎知識 https://www.otsuka.co.jp/cmt/nutrition/1day/


(金丸 利恵)
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