私は現在関西でご機嫌に暮らしているが、結婚前は関東に住んでいた。
主婦歴15年ほど、すっかり関西の地に馴染み、関東では聞いたことのなかった名前のスーパーやドラッグストアで買い物をする日々である。
そんな私が関西に来て1番「これは!」と心を鷲掴みされたご当地名物がある。



関西に来て初めて迎えた冬のこと。
スーパーの調味料売り場の一等地に、見たことのないポン酢が「これでもか!」と言わんばかりに並んでいた。
しかもなんだかシャンパンのようなリッチな瓶に入っている。
限定なのか新商品なのか…、チラッと値札を見ると、私がこれまで買ってきたポン酢の3倍近くする。
高っ…!!
このポン酢は普段使い用に買うものなんだろうか…?
ちょっと、ただの家鍋用としては後ろめたさを感じる値段である。
しかし気になる。
こんな高いポン酢なのに、店側はなぜゴリ押しているのだろうか。
高い調味料はこう…売り場の“分かってる人”ゾーンにひっそりとしているのは見るが、こんな誰もが通る売り場の入り口に置かれているのを見たことがない。しかも大量に。
間違えて発注したのではなかろうか。
気になって仕方ない。
シャンパンボトル…ではなく瓶に入ったポン酢。
限定販売でもう出会えないかもしれないし、食品系ににありがちな、新商品として発売されたはいいものの来期には姿を消す一発屋なんてこともあり得る。
「ええい、気になった食べ物は一期一会だ!」と意を決して購入した。
さて、気になるお味は…?
おいしい!!!間違いなく今まで飲んだ(食べた?)ポン酢の中でぶっちぎりでおいしい。
過去に一度気まぐれで柚子を絞ってポン酢を手作りし、「これ以上おいしいポン酢ない!」と豪語していたが、正直それ以上に美味しかった。
調味料のツンととがった味が一切なく、味はしっかりしているのにまろやか。
鍋だけじゃなくドレッシングにもいけそうである。

実家に帰った際、即このおいしさを分かち合いたい衝動に駆られ、母から聞かれてもないのに「おいしいポン酢あるから!探すわ!」と足早に調味料コーナーへ。

調べてみると、どうやら関東では取り扱いが極端に少ない商品であることが判明!
ポン酢にご当地品なんてあるんだなぁ…、と知った出来事だった。
ちなみにこれ、関西に住んでいる方はお気づきだろうが「限定品」でもなければ「新商品」でもない。
関西にはずっと定番にある“ちょっといいポン酢”なのである。
それからというもの我が家、普段は普通のポン酢を調味料として使っているが、冬の鍋シーズンのときだけはこの「ちょっといいポン酢」を買う。
このポン酢がスーパーの一等地にズラーっとシャンパンタワーのように並べられると「そろそろ冬だなー」と感じる、関西の風物詩と言ってもいいと思う。
(ユキミ)