小学校入学の際、息子には夢ができていました。
それは“サッカー選手になる”という夢。
息子が初めて語った夢に私もうれしくなり、小学校入学と同時にサッカー教室に通い始めました。
ですが息子は、この教室を1年足らずで退会することになるのです…。
■サッカー選手になりたい!あまりおしゃべりでない息子が夢を語ってくれたのは、卒園式でのスピーチがきっかけでした。
夫には多少のサッカー経験があるものの、基本的には野球派。
どこからサッカーが出てきたんだ…と思っていたのですが、話を聞くと、どうやら幼稚園のお友達がきっかけのようでした。

園庭でかっこよくサッカーをするお友達のようになりたい。
そんな息子の、初めての気持ち。
私はうれしくなって、急ぎサッカー教室を探しました。
すると、通っている小学校のグラウンドで毎週練習を行っているサッカー教室を発見。
この教室は元選手がコーチをする本格的なものではなく、所属する子どもたちのお父さんがコーチをしてくれる
“スポーツ少年団”というものでした。
口コミを調べると、ゴリゴリの強豪ではないものの、みんなでワイワイ楽しめる、優しいチームとのことでした。
これなら息子もやれるかも…!
しかも、
月謝は2,000円。10,000円近くかかるスイミングを娘にやらせていた身としては、めんたまが飛び出る破格でした。
数回の体験会を経験し楽しむ息子を見て、私は入会を決意。
こうして息子はサッカー教室デビューを果たしました。
■初期費用と人見知りの不安入会にはもちろんサッカーボールや練習靴、ユニフォームなどが必要です。
ですが、コーチや先輩ママさんが率先してお下がりをゆずってくださり、初期費用は3万円もかかりませんでした。
子どもの道具だけでなく、練習を見守る私にも水筒やアウトドアチェア、クーラーボックスなどが必要でしたが、これらは持っていたので購入せず。
水筒以外にも毎週ゼリー飲料やおやつを持たせていたものの、その費用も微々たるもの。
楽しそうにボールを追いかける息子の笑顔を見れば、安いものでした。
どちらかというと人見知りでそっけない息子も、チームスポーツとなると、嫌でも人とコミュニケーションを交わさなければいけません。
それがかなり不安要素ではあったのですが、チームの仲間たちは明るく優しい子ばかりで、パパさんコーチも優しい方ばかり。
超初心者の息子にも丁寧に教えてくださる方ばかりでした。
そしてもう一人、ドドド人見知りである母(私)にも不安要素はありました。
“練習を見守りながら、他のママさんと会話できるだろうか…。”その不安も、入ってしまえばあっと言う間に消え去りました。
ママさんたち、優しい…!!
必死に話そうとするもヤバイオーラが消せない私と、普通に会話してくださる。
別の場所で会った時も「あ!」と笑顔で話しかけてくださる。
息子がサッカーの練習をする横で、私ハ人トノ会話ヲ練習スルコトガデキマシタ…感謝…。
もちろん、見学しながら会話に華を咲かせる親御さんもいれば、静かにスマホを見ながらゆっくり練習を見守る親御さんもいらっしゃいました。
送迎だけで、あとは自由にやらせる親御さんも。
各自自由に、終わりの時間まで過ごす感じです。
保護者には2カ月に一度くらいのペースで鍵開けや片付けの当番が回ってくるのですが、これも都合が悪い時には他の保護者の方が代わってくださったり、日付をチェンジしてくださったり…負担になることはまったくありませんでした。
土日をゆっくり過ごすことは少なくなったものの、入団したことを後悔することはなく。
試合では悔しい思いをすることもありましたが、上位に食い込み、初めてメダルをもらったり…。
練習以外にも、プロの試合をみんなで見に行ったり、町のお祭りに参加したり…。
入団しなければ経験できないようなことばかりでした。
しかし…。
息子が突然、サッカーをやめると言い出したのです。■息子がサッカーをやめた理由春に入団し、夏を過ぎた頃から、少しずつ息子は休むことが増え、練習でもボーッとすることが多くなりました。
理由を聞いてみると…。
「他の子とぶつかったり、ボールを奪ったりするのがイヤだ…」
こ、これは、コンタクトスポーツでは、致命的では…。どうやら、強豪チームとの激しい試合を経験したことで、他の子とぶつかることへの恐怖心が芽生えてしまったようでした。
上手な子はボールを追いかけ、最低限の接触でボールを奪うことが可能なのかもしれませんが、そこまでテクニックのない息子にそれは難しく、積極的にボールに突っ込んでいく勇気を持つことが難しくなっていました。
練習でやたらキーパーをしたがると思ったら、そういうことだったのでした…。

※たまにつっこんでくるよ!!
もうちょっと練習したら、ボールの動きが読めるようになるかもしれないよ。
もうちょっと練習したら、みんなの動きが読めるようになるかもしれないよ。
そう説得を続けましたが、息子の心はポッキリ折れてしまっていました。
確かに何度か接触でケガをしてしまい、ぶつかる恐怖、ぶつかって、お友達にケガをさせてしまうかもしれないという恐怖は、息子の中に確実に蓄積していたようです。
こうして息子は、1年足らずでサッカーをやめてしまったのでした。
ですが…。
公園でボールを蹴る息子の姿は1年前からは想像もつかないくらい頼もしくなっていて、テクニックはまだまだでも、ボールとは友達になれた感じがします。
チームメイトとも、学校に通っているだけでは育めなかった友情を育めた気がしますし、優しいコーチ陣のおかげで、大人の男性と話すことが好きになりました。
本当にサッカーが好き! という気持ちで団結しているコーチのお父さん方は、息子にとって憧れの人になったことは間違いありません。
私は私で、保護者のみなさんの優しさに触れ、出先でばったり会って会話なんていうことが、できるようになりました。
ボールもソックスもユニフォームも擦り切れる前に退会してしまいましたが、得られたものは本当に多く、本当に濃厚な在籍期間でした。
やめちゃったけど、始めてよかった、少年サッカー!!もちろん、私と息子がお世話になったチームがとびきり優しかっただけかもしれませんが、初期費用・月謝ともにお手頃なので、お子さんが興味を持たれていたら、ぜひやってみてほしい習い事です。
ちなみにうちの息子は現在、野球を始めようとしています。
確かに、ぶつかり合うことは少ないけど…!!
(たんこ)