鹿児島を代表する郷土料理のひとつ「きびなご」。旬は春から初夏にかけてと、冬の2回です。刺身や揚げ物などさまざまな料理で味わえます。

今回は、きびなごの
特徴やおいしい食べ方に加えて、鹿児島の郷土料理レシピ3選もご紹介!
■「きびなご」はどんな魚? 特徴や産地などきびなごはニシン科の魚で、体長は10cmほどです。銀白色の縦じまと黒い線が一本通っているのが特徴。鹿児島県南部では、
帯を“きび”、小魚を“なご” と呼ぶことが、名前の由来とされています。
主な産地は鹿児島の
甑島(こしきしま)。全国の水揚げ量の20%以上を占めています。きびなごは足が早く非常に傷みやすいため、産地以外ではあまり流通していません。
一年を通して漁獲されますが、初夏(5月〜6月)は子持ちの状態で塩焼きや天ぷらに向いていて、秋〜冬(11月〜2月)は身が締まって脂がのっているため、よりおいしいと言われています。
■獲れたてならでは! 地元でおすすめ「きびなご」の食べ方
きびなごは鮮度が落ちやすいものの、産地である鹿児島では
刺身にするのが人気の食べ方です。新鮮なきびなごが手に入る地元ならではの食べ方と言えるでしょう。
手開きにしたきびなごを菊の花のように盛り付け、甘酢味噌を付けて食べるのが一般的です。ほかにも、しょうが醤油につけたり、ミョウガや大葉などの薬味と一緒に味わったりします。
きびなごは骨がやわらかいため、
フライや天ぷらなどで丸ごと食べるのもおすすめです。カルシウムやDHAが豊富で、疲労対策効果も期待できます。
【カルシウム補給】野菜たっぷり! きびなごの南蛮漬け「魚の南蛮漬けは下処理が面倒」と感じていませんか? きびなごなら下処理は不要。頭からしっぽまで丸ごと揚げるので、とても簡単に作れます。ニンジンやミツバなど野菜をたっぷり摂れるのも魅力です。2〜3日ほど日持ちするため、作り置きにも便利。カルシウムたっぷりで、成長期の子どもや健康志向の方にもおすすめです。
野菜たっぷり!きびなごの南蛮漬け
【材料】(2人分)きびなご 40尾
塩コショウ 少々
小麦粉 大さじ 1.5
玉ネギ 1/4個
ニンジン 1/6本
ミツバ 1/4束
<南蛮ダレ>
だし汁 80ml
みりん 80ml
砂糖 大さじ 1.5
酢 40ml
しょうゆ 大さじ 2.5
揚げ油 適量
【下準備】1、きびなごはきれいに水洗いし、水気をしっかり拭き取り、全体に塩コショウを振る。

2、玉ネギは縦薄切りにし、ザルに入れてサッと水洗いする。
3、ニンジンは皮をむき、せん切りにする。
4、ミツバは根元を切り落とし、長さ1cmに切る。
5、<南蛮ダレ>の材料は小鍋に入れてひと煮たちさせ、バット等に移して冷ましておく。
6、揚げ油を170℃に予熱し始める。
【作り方】1、きびなごに薄く小麦粉をまぶし、170℃の揚げ油でサクッと揚げ、熱いうちに<南蛮ダレ>のバットに入れ、漬ける。

2、玉ネギ、ニンジンも(1)の<南蛮ダレ>に入れてからめる。

3、(2)にミツバを混ぜ合わせ、器に<南蛮ダレ>ごと盛る。(ヒント)冷蔵保存で2〜3日OKです。翌日の方が味がなじんでおいしいですよ。

■鹿児島の郷土料理レシピ3選さつま汁

江戸時代に誕生したとされる「さつま汁」は、鶏肉を使った具だくさんなみそ汁です。鶏肉を炒めた際の油で野菜を煮込むため、豊かな旨みが楽しめます。サツマイモは煮崩れしやすいので、時間差で加えることでホクホクとした食感に。ちらし寿司や焼き魚などあっさりした献立に合わせるとおいしいです。
ひんやり鶏飯

鹿児島奄美地方の伝統料理「鶏飯(けいはん)」。白いごはんにほぐした鶏肉や錦糸卵などをのせ、温かい鶏ガラスープをかけるのが特徴です。お祝い料理にもよく用いられます。こちらは冷たいだし汁をかけて夏向けにアレンジした作り方。さっぱりしていて食欲がないときもサラリといただけますよ。
焼きさつま揚げのおろし添え

鹿児島ではさつま揚げを「つけ揚げ」と呼んでいます。誕生の由来は諸説あり、一説によると江戸時代から作られていると言われています。他県のさつま揚げと比べて、砂糖が使われていてやや甘めなのがポイントです。フライパンで香ばしく焼き、甘酢大根おろしを添えれば、日本酒や焼酎のおつまみにも最適。グリルで焼いても良いですよ。
■おうちで鹿児島旅行気分を楽しんで! 自然に恵まれた鹿児島には、古くから続く郷土料理が多数存在します。
きびなごの刺身「きび刺し」は、上品で淡泊な味わい。甘じょっぱい酢味噌をつければ、思わず笑みがこぼれるおいしさです。
具だくさんのさつま汁やお茶漬け感覚で食べられる鶏飯、おつまみや副菜で人気のさつま揚げなどは、鹿児島以外でも材料が手に入ります。
なかなか旅行に行けない、という方は、ご紹介したレシピをおうちで作って鹿児島の味を堪能しましょう。
(ともみ)