「冷や汁」は主に
宮崎県と山形県で古くから親しまれている郷土料理です。現在は全国的に知られるようになり、夏の人気メニューのひとつにもなっていますね。

今回は、
宮崎県の冷や汁にスポットをあて、特徴や歴史からレシピまでをご紹介。ツナやサバ缶を使ったお手軽レシピも必見です!
■宮崎県の冷や汁の歴史と発祥冷や汁の起源は、鎌倉時代までさかのぼりますが、宮崎県における冷や汁は、
江戸時代、夏の農作業中に手軽に食べられるものとして発展していったとされています。
当時は、夏の暑い時期に麦飯に生味噌をのせ、それに水をかけて食べていたのだとか。お米が貴重だったことから、炊いた大麦に水をかけてふやかし、再度炊き上げた麦飯を使っていたとされています。
■冷や汁の食べ方冷や汁は、濃いめに溶いた味噌と豆腐、キュウリやミョウガなどを混ぜ合わせて冷やしておき、
アツアツの麦飯にかけて食べるのが一般的です。

味噌には煮干しや、焼いてほぐした魚を混ぜることもあります。また、味噌をトースターやコンロなどで炙って香ばしさをプラスするなど、家庭ごとに違いがあるのも特徴。
6月〜8月に食べられることが多く、冷たいだし汁でクールダウンができ、味噌で塩分補給も可能です。そのため、
夏バテ対策に良いと注目されています。
【風味抜群】暑い夏にさっぱり! 冷や汁香ばしい煮干しと風味豊かなピーナッツが食欲をそそる、定番の冷や汁。煮干しをじっくりと乾煎りすることで特有の臭みが抜け、より香ばしさが際立ちます。キンキンに冷えただしとアツアツの押し麦ごはんの組み合わせは、まさに夏の食欲増進剤。サラリとした口当たりで、暑い日でもペロリといただけます。
暑い夏にさっぱり!冷や汁
【材料】(4人分)お米 2合
押し麦 1合
<冷や汁>
煮干し 30g
白ゴマ 大さじ 4
ピーナッツ(粉末) 大さじ 2
みそ 大さじ 4
熱湯 800ml
<具>
キュウリ 1本
小ネギ(細ネギ) 5~6本
大葉 10枚
豆腐 1丁
【下準備】1、米は炊く30分以上前に洗ってザルに上げる。洗った米と押し麦を混ぜ合わせ、普通に水加減をして炊く。(今回は洗わなくてもいい押し麦を使いました)

2、<冷や汁>を作る。煮干しは頭とワタを取り除き20g準備し、フライパンに煮干し、白ゴマ、ピーナッツを入れ、香ばしく軽くから炒りしておく。

3、<具>のキュウリは薄い輪切りにする。細ネギは水洗いして根元を切り落とし、小口切りにする。大葉は軸を切り落とし、縦半分に切って更に横細切りにして水に放ち、水気をしっかり絞る。豆腐はサッと水洗いする。
【作り方】1、ハンドミキサー又はフードプロセッサーに煮干し、白ゴマ、ピーナッツを入れすりつぶす。(煮干しを細かく刻んで、すり鉢ですりつぶしてもいいです)

2、ボウルに入れた(1)にみそを加え混ぜ合わせる。熱湯を加えみそ汁にして、冷蔵庫で冷やす。時間がない場合は熱湯を半量入れ、氷を入れて冷やす。

3、冷やしておいたみそ汁に<具>のキュウリ、細ネギ、大葉を加え、豆腐を手で崩しながら加える。
4、器に熱々の押し麦入りご飯をよそい、(3)の冷たいみそ汁を掛ける。

■干物や缶詰活用! 手軽に作る【冷や汁】レシピ4選アジの冷や汁

冷や汁は生のアジが定番ですが、旨みが凝縮された干物を使えば、簡単に本格的な味わいが楽しめます。面倒な下処理も不要なのがうれしいポイント。しっかりと水切りした木綿豆腐に、香ばしいすりゴマをたっぷりと加えることで、味がぼやけず、風味豊かな冷や汁に仕上がります。
ツナ入り冷や汁

忙しいときでもあっという間に完成する、ツナ缶を使ったお手軽冷や汁。魚を焼く手間がかからず、包丁を使う必要もありません。ツナの旨みを活かすため、あっさりとした水煮缶がおすすめです。味噌と香ばしいすり白ゴマを混ぜ合わせ、トースターで軽く焼くことで、風味が際立ちます。
オクラの冷や汁

野菜だけで作るシンプルな冷や汁です。だしはあっさりとしたしょうゆ仕立て。ミキサーにかけることでとろみが出たオクラが、アツアツのごはんにやさしくからみます。シンプルながらも滋味深く、おかわりしたくなるおいしさです。
冷や汁

忙しい日でもすぐに作れる、サバの水煮缶を使ったスピード冷や汁。味噌と混ぜるだけで、栄養満点な冷たいだしが完成します。サバの良質なタンパク質やDHAを摂取できるのも魅力。時短で済ませたいけれど、栄養も摂りたいというときに、ぜひお試しを!
■冷や汁アレンジレシピ2選鮭とキュウリの冷や汁素麺

夏の定番、そうめんを冷や汁でいただく新感覚アレンジです。鮭缶の旨味と、シャキシャキとしたキュウリ、爽やかなミョウガなどの薬味が絶妙にマッチ。そうめんを茹でる以外は火を使わないので、暑い日の調理も楽々。ひんやりとした冷や汁が、つるつるのそうめんと相性抜群です。
アジの干物で作る冷や汁風混ぜごはん

アジの干物の凝縮された旨味と、味噌の香ばしさが食欲を誘う混ぜごはん。あらかじめ味噌をみりんと合わせておくことで、味が全体にムラなくなじみます。お茶碗によそって、冷や汁の風味を堪能してくださいね。
■今年の夏は「冷や汁」で熱中症予防を! 「熱いと食欲がなくなってしまう」という方は冷や汁がおすすめ。冷たいだし汁とみその風味、アツアツのごはんでペロッと平らげてしまいますよ。
魚はアジや鯛以外にも、ツナ缶やサバ缶などを使うとより手軽に。もっとあっさり食べたいときは、野菜だけでも十分満足できます。
麦飯のほか、
そうめんやうどんとも好相性。夏の熱中症対策に、冷や汁を取り入れてみてくださいね。
(ともみ)