■これまでのあらすじ
育休を終えて職場に復帰した真美。しかし、待っていたのは歓迎ではなく、冷ややかな空気だった。上司の指示どおりに対応したはずの社内資料のミスも、なぜか真美の責任にされてしまう。それを見ていた周囲のメンバーも、見て見ぬふりをするだけ。追い詰められた真美は、心の中で――「お願いだから……誰か、助けて」と呟くのだった。
聞こえてきた無邪気な悪意午後3時、給湯室でお茶を入れていると、すぐ外の廊下から笑い声が聞こえてきました。

一瞬、手が止まってしまいました。
(……それ、私のことだよね)
声の主は営業アシスタントの若手2人。数ヶ月前に入ってきた子たちで、私とも何度か話したことがあります。
でも、その声には“敵意”とまでは言えない、もっと厄介な“無邪気な悪意”が混じっていました。
「時短で帰れる人、ほんと羨ましい〜」
「え、でも仕事押し付けられてんのこっちじゃん」
笑いながら去っていく足音だけが残る。
私は手に持った紙コップの水を捨て、何も飲まずに席へ戻りました。
(ズルいって……働いてないとでも思ってるの?)
帰り際に嫌味…?夕方。保育園のお迎えに間に合うように、いつものように時短で退勤しようとしたとき、柴田さんの声が背後から飛んできました。

声は静かだけど、明らかにトーンから怒っていることが伝わります。近くの席の誰かが咳払いをして、空気をごまかそうとするのがわかりました。
私は何も言えず、ただ「お疲れ様です」とだけ呟いてオフィスを出ました。
(帰るだけなのに……なんでこんなに、罪悪感……)
誰にも迷惑をかけたくない。でも、存在してるだけで空気を悪くしてるような気がしてしまう。
このまま、ここにいていいのかな。
※この漫画は読者の実話を元に編集しています。また、イラスト・テキスト制作に一部生成系AIを利用しています。
(ウーマンエキサイト編集部)