暗闇に響いた、ひとつの通知音職場での信頼も、女性たちとの関係も、すべてが崩れてしまった夫。 電気をつける気力もなく、ただ暗い部屋の中で、スマートフォンの中に残された思い出を眺めていました。 胸に残るのは、どうしようもない後悔だけでした。
そんな静寂のなか、突然…、
ピロン!
メッセージの通知音が響きました。あまりに静かな部屋に、その音は妙に大きく感じられました。
画面に表示された名前は、「沙織」。

その瞬間、心臓の鼓動が大きく跳ね上がりました。間違いかと思い、画面を二度見します。でも、確かにそこには彼女の名前があったのです。
震える指先で、メッセージを開きました。そこには、長い沈黙を破る文章が並んでいました。
「すべて記録済みです。あなたが社会的にどうなっても、もう私には関係ありません。これで、本当に最後です」
妻から突きつけられた“終わり”何度読み返しても、胸の奥が冷たく締めつけられていきました。
「本当に最後です」
この一文が、なによりも重く心に突き刺さりました。
沙織は、もう怒ってすらいないのです。責める気も、問いただす気も、もうないのです。
そこにあるのは、“無関心”という、何よりも冷たい絶望だけ。

もう涙すら出ない…。ただ、手のひらの中のスマートフォンが、ひどく重く感じられました。
※この漫画は読者の実話を元に編集しています。また、イラスト・テキスト制作に一部生成系AIを利用しています。
(ウーマンエキサイト編集部)