※このお話は作者まるき八郎さんに寄せられたエピソードをもとに脚色を加え再構成しています。登場人物や団体や建物の名称はすべてフィクションです。
■これまでのあらすじ
結婚後、妻のイライラの原因が自分にあるとはまったく思っていない夫。家事はすべて妻任せで、部屋は散らかし放題です。飲み会では「妻に舐められるな」という上司の言葉にうなずき、別の上司からは「夫婦は助け合いだ」と諭されます。翌朝、妻が夫のいびきと無呼吸を心配して病院受診を勧めると、夫は「イライラしてるお前こそ病院に行け」と逆ギレ。ところが、その症状についてテレビで取り上げられると、あっさりと信じ、妻に予約を依頼します。そのうえ「俺のこと、心配してくれないのか」と冷たい一言まで放つ始末。夫は結婚後、「妻に舐められてはいけない」とばかりに威圧的な態度をとるようになりました。その背景には、部長の言葉と、どうやら父親との過去が関係しているようです。
■いつも母を見下していた父

■両親のようにはならないと誓った

■妻の態度は父親そのもの

幼い頃、夫は「父親」としての父には満足していたものの、母を見下すような父の態度だけは、どうしても許せませんでした。
幼いながらに「どちらかが相手を見下すと、夫婦は壊れる」と理解していた夫は、将来は両親のようにはならないと心に誓ったのです。
結婚後、夫は対等な関係でいられる夫婦を望んでいました。しかし、妻から何かを指摘されるたびに、「自分は見下されている」と感じていたのです。
対等な関係、の意味をはき違えているように思えますね…。
(まるき八郎)