自分にあう痩せ方を見つける『マイダイエットメソッド』を主宰しています、管理栄養士で、おうちごはん研究家の金丸利恵です。
去年の秋分の日(2024年9月23日)の東京は27.7℃。暦の上では秋の訪れでも、体感としては
夏真っ盛りですよね。また、9月は台風が多く、過ぎ去った後はカラッと一気に晴天、真夏日や猛暑日にもなります。でも、朝晩は暑さも和らいできて、1日の中でも温度差があり、体温調整がとても難しいです。
夏の延長のようなこの時期を
健やかに過ごすには、体の熱を冷ましつつ、潤いを補う野菜を取り入れると良いです。野菜は、低カロリーで、ビタミン、ミネラル、食物繊維、そして水分も摂取できるので、ダイエットにも役立ちます。
今回は、夏の疲れを労りながら、秋の乾燥に備える方法と、おうちで簡単に作れる野菜の発酵おかず
「水キムチ」の作り方についてお伝えします。
■夏の余韻が残る「前半の秋」の過ごし方10月初旬頃、
気温が落ち着くまでは、暑さからの疲れで消耗した体のケアを意識したいです。「秋の夜長」という言葉は、静かで落ち着いた秋の夜を楽しむ、という情緒的な意味も込められていますが、体調面を考えると
「早く寝て早く起きる」が正解。
秋分を超えると日没が早まり、夜が長くなります。暗い時間が長いということは、しっかり休養をとるべき季節なのです。
夜は無理に活動せず、睡眠を充実させるのが大切。

早く寝れない、という方は、
スマホやパソコンを閉じ、光を弱くして、読書や瞑想してみては。副交感神経が優位になり、うつら、うつらと、眠気がやってくるはずです。早めに寝室に行き、読書や瞑想で心を静める。このような睡眠までの儀式も取り入れましょう。
心を落ち着かせ、
穏やかでいるのが秋の過ごし方のポイントで、逆の過ごし方をすると、風邪や喘息など呼吸器系のトラブルが起きたり、冬になったときに便秘になりやすいと言われています。
■早秋におすすめの食材湿度の高い夏から、乾燥が強くなる秋へと気候が変わっていきます。
薬膳では「培陽潤肺」(ばいようじゅんぱい)と言って、肺を潤す作用の食物をとると、健やかに秋を過ごせると考えられています。
秋は喉や気管支などの呼吸器系が不調になりやすく、喘息発作が出る、という方も多いのではないでしょうか。まだ暑い秋の前半は、ほてりを冷ましつつ、潤す食材を、冬に向け肌寒くなる秋の後半は、肺を温めつつ、ウイルスに負けないような
免疫力を高める食材を取っていくと良いでしょう。
◎潤いを与える食材
梨
ぶどう
白きくらげ
はちみつ
◎暑さをやわらげ、ほてりを冷ます食材
きゅうり
冬瓜
緑豆
セロリ
大根
◎免疫を高める食材
柿
豆腐
ほうれん草
くこの実
ハト麦
長芋
食材と効能を覚えるのが難しいなら、ざっくりと「秋は白い食材」とインプットしましよう。白い食材は肺を養い、乾燥を防ぎ、秋の養生に役立つとされます。梨、白キクラゲ、レンコン、大根、長芋、豆乳、大豆製品、カリフラワー、はとむぎ、白菜などです。見た目に白いもの食事に取り入れるといいですね。
■おうちで水キムチを作ってみよう「水キムチ」は、
韓国の伝統的な発酵食品のひとつ。唐辛子を控えめにして、さっぱりとした漬け汁と野菜を楽しむ、日本でいうなら浅漬け的な料理です。お子さんや辛味が苦手な人でも食べられる
優しい味わいが特徴です。

◎発酵について
漬け汁に米のとぎ汁や米粉を使い、果物や砂糖も足すことで、15〜30℃の常温で1日程度置くと発酵が進みます。発酵で生まれた乳酸菌が漬け汁に溶け出してるため、
腸内環境を整え、免疫力の向上にも繋がる、健康食品のようなおかずです。
発酵すると、漬け汁から細かい泡が出てきて、
ほんのりとした酸味が感じられるようになります。しかし、発酵は、温度や環境、塩分濃度などの条件が繊細で、うまく発酵しなかったり、逆に発酵しすぎて酸っぱくなったりすることもあります。ですから、あまり発酵にこだわらず、味見してみて、ちょうど良い漬かり具合になったら、食べると良いでしょう。汁に出た旨味や、野菜のシャキシャキとした歯触りが感じられたらOKです。
漬け時間は季節によって異なり、
夏場は半日から1日、冬場は2〜3日かけて酸味が出てきます。放置しすぎると酸っぱくなりすぎるので、発酵を終えたら冷蔵庫に移し、
3日以内に食べきりましょう。通常のキムチと違い、美味しく食べられる期限が短いので、
注意してください。
◎漬ける野菜と塩分について
残暑、そして朝晩の温度差がある初秋には、体をケアしてくれる野菜を使います。暑さ対策に、ほてりを冷ます、
きゅうり、大根、そして清熱作用のある
セロリ。これ以外なら、白菜やカブ、二十日大根なども食感があって良いですね。涼性の食材が多いので、温める効果のある生姜やニンニクを入れ、バランスを取ります。
果物を入れるのも美味しさのポイントです。
梨や柿、りんごなど、やや硬めで歯ごたえが良い果物を選ぶと良いでしょう。
調味料は、
塩と砂糖のみとシンプルですが、野菜のうま味を引き出すのが塩。漬ける材料に対し、2〜3%くらいの塩の量が真安です。漬け汁も一緒に食してほしいので、野菜だけを食べた時、やや薄いかなと感じるくらいが、ちょうど良いです。野菜の栄養や乳酸菌が溶けだしたつけ汁は、ぜひ有効活用してください。
◎ダイエットにも活用しよう
こういった野菜のおかずが、冷蔵庫に常備できていると、
小腹が空いたときにつまめますし、何か一品足したいときにも大活躍します。ダイエットの相談を受けていますと、空腹時は「とりあえず、目についた、食べやすいものを食べてしまう」という行動パターンが多いです。お菓子や菓子パン、インスタントラーメンを、とりあえず空腹を満たすために食べていたら、目標体重への道は遠いです。
ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富な野菜のおかずを、あらかじめ準備しておくことが、
ダイエット成功への近道。水キムチも役に立ちますよ。ヘルシーな選択が、未来の健やかな身体を作ります。秋に向け、体も支度をしていきましょう。
■「おうちで簡単 水キムチ」の作り方【材料】作りやすい量 調理時間25分(漬ける時間を除く) レシピ制作:金丸利恵
おうちで簡単 水キムチ
【材料】(作りやすい量)大根 5cm(220g)
キュウリ 1本
ニンジン 1/4本(40g)
セロリ 1/3本(40g)
梨(りんごでも可) 1/2個
ショウガ ひとかけ
<漬け汁>
お米のとぎ汁 500ml
塩 小さじ 2
砂糖 小さじ 2
唐辛子 1本
【下準備】1、米をとぎ、2〜3回目のとぎ汁を500ml準備する。
お米は何合でも構いません。1回目のとぎ汁は汚れている場合があるので、2回目以降を使いましょう。

2、ショウガを薄切りにする。
【作り方】1、鍋に米のとぎ汁、生姜の薄切り、砂糖、塩、唐辛子を入れ、ひと煮立ちさせる。沸騰したら火を止め、荒熱を冷ます。
漬け汁に米のとぎ汁・砂糖を使うことで、15〜30℃の常温に1日程度置くと発酵が進みます。

2、大根は皮をむいていちょう切り、きゅうりは斜め切りにする。セロリは筋を取り、斜め切りにする。ニンジンは皮をむき、短冊切りにする。梨は種をとり、皮をつけたままいちょう切りにする。

3、清潔な保存容器に(2)を入れ、(1)のつけ汁を注ぐ。全体的に混ぜ合わせる。

4、落とし蓋のようにラップを密着させる。夏なら半日から1日、冬なら2〜3日、お好みの味になるまで漬ける。浸け終わったら冷蔵庫で保存する。器に盛る。

栄養成分(1人分・全量の1/6量)
エネルギー 25kcal
タンパク質 0.5g
脂質 0.0g
炭水化物 6.8g
食塩相当量 2.0g
【参考文献】・
https://tenki.jp/(金丸 利恵)