刺身や照り焼きでおなじみの
「はまち」。脂ののった身はほど良いコクがあり、食卓で人気の魚です。実はこのはまち、ぶりの若魚と同じ魚だということをご存じですか?

今回は、
はまちの特徴や旬の時期、ぶりとの違いに加え、おすすめレシピを7品ご紹介します。
■はまちとはどんな魚?ぶりとの違いは?
はまちは、出世魚
「ぶり」の若い時期の呼び名です。関西では全長40〜60cmのものをはまちと呼び、成長するとぶりになります。関東では同じサイズをイナダやワラサと呼ぶなど、地域によって呼び方が異なるのも特徴です。
はまちとぶりの大きな違い
【はまち】身の質:しっかりとした歯ごたえがあり、やや弾力がある。
脂ののり:ほど良くのり、比較的あっさりしている。
味わい:さっぱりとした口当たりで、刺身やカルパッチョなどに最適。
【ぶり】身の質:脂が入りやわらかく、とろける食感。
脂ののり:寒ぶり(冬)は特に脂がたっぷりで、トロッと濃厚な味わい。
味わい:コクがあり、照り焼きやぶり大根など加熱料理で旨味が際立つ。しゃぶしゃぶもおすすめ。
はまちはさっぱり、ぶりは濃厚。成長段階や旬の時期によって異なる魅力を楽しめます。
■はまちの旬の時期天然のはまちは、11月〜2月頃が旬。寒さで脂がのり、身が引き締まってもっともおいしい季節です。一方、養殖は通年出回っており、脂のりが安定しているため、季節を問わず味わえます。
■おいしいはまちの見分け方
・目が澄んでいて濁っていない
・エラが鮮やかできれいな赤色
・身にハリと弾力がある
・腹がしっかりしていて張りがある
なお、切り身はドリップ(赤い汁)が出ていないものを選ぶのがポイントです。
■絶品はまちレシピ:7選・はまちの塩焼き

身の厚いはまちに切り込みを入れ、塩をふって余分な水分を引き出します。しっかりふき取ったら、あとはグリルで香ばしく焼くだけ。ジュワッと広がる脂の旨味と、ふっくらとした身のやわらかさがたまりません。
・はまち納豆

ピリッとした練りワサビが味の決め手。はまちの刺身と納豆をサッと和えるだけで、ごはんにもおつまみにもぴったりの一品に。のりで巻けば、香りと食感のバランスが抜群になります。
・はまちの照り焼き

表面を香ばしく焼き上げてから、甘辛いタレをからめて仕上げましょう。焼きたては香りが立ち、脂の甘みが口いっぱいに広がります。白いごはんがつい進む、定番のおかずです。
・はまちの唐揚げ

外はカリッと、中はふんわりジューシー。食べるたびに旨味が広がる一品です。おかずとしても、ビールのおともにも最適。揚げたてのアツアツを味わってください。
・はまちとろろ

サクッとした食感のはまちと、シャキッとした山芋の組み合わせが絶妙です。ワサビしょうゆで和えるだけで、口の中でとろけるようなまろやかさと、コクのある旨味を堪能できます。栄養バランスもばっちりな一品です。
・はまちの香草パン粉焼き

フレッシュハーブの香りがふわっと広がる洋風のはまち料理。オーブンで焼くので揚げずに作れてヘルシー。外はサクッと、中はしっとり仕上がり、見た目も華やかでおもてなしにもイチオシです。
・はまちのあらの煮物

熱湯で汚れを落としてから煮ると、臭みのない煮物に仕上がります。だしの香りがしっかりしみ込んだ身はふんわりとして口当たりもなめらか。煮汁と一緒にごはんにのせれば、ホッとする味わいに。ぶりのあらでも同様においしく作れます。
ほど良く脂がのり、上品な旨味が特徴のはまち。刺身で楽しむのはもちろん、照り焼きやフライなど加熱しても美味。旬の冬は天然ものを、日常の食卓には手軽な養殖ものを活用し、さまざまな調理法で味わってみてくださいね。
(豊島早苗)