■義実家から解放され、両親の温かさに涙…実家へ帰った日は、まるで夢のようでした。
母の手料理の匂い、父の低い声、子どもの笑い声。
そのどれもが懐かしくて、胸の奥がじんと熱くなりました。
けれど母は、すぐに気づいていました。
私が笑えていないこと、どこか怯えたように肩をすくめていることを。
「……今、どんな暮らししてるの?」
その問いに、私はうつむいて何も言えませんでした。
食卓の上で、父が静かに口を開きました。
「無理してるだろ」
たったそれだけの言葉で、張りつめていた糸が切れました。
涙が止まらず、夫や義母との生活をすべて話しました。
母は泣きながら私の手を握り、父は黙って頷いていました。
「もう、帰らんでいい。ここにいなさい」
両親の言葉は温かくて、それだけで涙が溢れました。

でも、私はまだ迷っていました。
「私が帰らなかったら、夫やお義母さんが怒るかも…」
父は短くため息をつき、静かに言いました。
「怒るやつのほうが悪い。お前は悪くない」
その言葉で、心の奥で何かがほどけました。
■もう戻らない!子どもを連れて実家へ逃げることに翌日の夜、私は子どもを布団に寝かせ、眠ったのを確認してから、そっと抱き上げました。
玄関を開けると、真夜中の空気がひやりと頬をなでました。
振り返ると、義実家の明かりが遠くにぼんやり見えました。
「もう、戻らない」
心の中でそうつぶやいて、私は足を踏み出しました。

寝たままの子どもをチャイルドシートに乗せ、自家用車のハンドルを握りました。
街の明かりが流れていくのを見ながら、涙が止まりませんでした。
長い間、息をひそめて生きてきた私たちが、やっと呼吸を取り戻した気がしました。
実家の玄関灯が見えたとき、胸の奥が熱くなりました。
母が玄関先で待っていて、私を見るなり言いました。
「よく帰ってきたね」
その言葉が、人生でいちばん優しく聞こえました。
※この漫画は読者の実話を元に編集しています。また、イラスト・テキスト制作に一部生成系AIを利用しています。
(ウーマンエキサイト編集部)