■これまでのあらすじ
母に結婚の報告をするため帰省した凛。しかし、海外赴任の話を切り出した途端、母は強く反対した。彼は凛の夢を理解し、共に渡米することが最適解だと信じていた。かつて祖母の病で留学を諦め、母を支えることを選んだ凛にとって、それは“自分の人生を取り戻す”ための決意でもあった。一方の母は、離婚の苦い経験から娘の結婚に不安を抱き、相手を確かめようと決意する。初対面の彼に警戒を崩さない母だったが、凛が「母は自分に興味がない」と思っていることを知り困惑。そんな中、彼が自らの経歴や資産をデータにまとめて差し出すと、母はその中身を見て思わず衝撃を受けるのだった。
■彼の両親は結婚についてどう思っている？
■彼の両親とは仲良し…？この差はなに？
彼の経歴や資産には特に問題を感じなかったものの、母の胸には新たな疑問が浮かびます。
――彼のご両親は、この結婚をどう思っているのだろうか。
そう尋ねると、彼は「一緒にご飯を食べに行くほど仲が良くて、結婚をとても喜んでいます」と答えました。
思わず言葉を失う母。同棲の報告すら自分にはなかったのに、相手のご両親とはそんなに親しくしていたなんて――。
まさかの展開に、胸の奥からじわじわと怒りが込み上げてくるのでした。
(福々ちえ)
