ご多忙女性の味方“調理ソース” 多彩なメニューで注目度アップ
2015-09-28 16:00 eltha
ここで言う調理ソースとは、身近な食材に加えるだけで料理が完成する“味付けの肝”的な存在。市場調査会社のインテージ調査によると、2010年の「メニュー専用調味料の素」市場売上が715億円だったのに対し、14年は761億円に。5年間で46億円アップしているほど、市場が拡大しているそう。
右肩上がりの成長は、ニーズを受けて各メーカーが続々と新商品を展開していることも理由のひとつ。ちらし寿司の素や鍋のつゆなどは昔からあったけれど、今でも種類が多いのは和食ジャンルで、惣菜やまぜごはんなどのラインアップを揃えるキッコーマンの「うちのごはん」シリーズは2014年度に前年比4億円増となる56億円を売り上げたほど。エスニック料理が手軽に自宅で作れることから話題になり、約1年で27万食を売り上げた無印良品(良品計画)の『炒めごはんの素 ナシゴレン』は、カフェごはん好きな女性たちも調理ソース市場に取り込むなど、種類の増加と比例するように調理ソース愛用者も増えている様子。
幅広い世代に人気ではあるものの手間と時間がかかる洋食ジャンルは9月、明治が新ブランド・Daily Richで「具だくさんクッキングソース」シリーズを投入。ゴロゴロとした大きめの食材を入れている点が特徴で、具材の鮮度や存在感を残すため、調理ソースとしては珍しいチルドタイプに仕上げているとか。
この“具材の存在感”は、少子高齢化や晩婚化といった時代背景を考えても欠かせないキーワード。単身者は食材を購入しても余らせてしまうことが多く、たくさんの具材が必要な料理はコスパが悪くなりやすいもの。ソースに具材がたくさん入っていたら購入する食材数を減らせるほか、やや割高な西洋野菜や、使えるレシピに限りがあるハーブ類をわざわざ買わずに済むというメリットが。
そのほか、調理ソースが流行する背景について「手抜き料理はしたくないけれど、料理に時間をかけていられない」という女性たちのジレンマがあると語るのは、明治の食品営業部の高山英太郎さん。おいしい料理を作りたいし、食べたい&食べさせてあげたい。でも味付けに自信がないし、ゆっくりキッチンに立てるほど時間に余裕もない…。女性の社会進出に伴うそんな悩みを解消するアイテムとして、重宝されているそう。
和・洋・中からエスニックまで幅広いジャンルの商品が増えていることもあり、最近では調理ソースを使ったオリジナル料理を考案している人も多いんだとか。手軽さはもちろんのこと、アイデア次第でメニューが広がる楽しさも、女性たちの心をくすぐっているのかも。