抗菌洗剤でもやっぱり臭う…「部屋干し生乾き臭」の意外な原因と対処法
2015-10-20 17:00 eltha
「ニオイは人によって感じ方が異なり、かつ複数の菌が複合的にニオイを発しているため、なかなか原因を特定することが難しいのが現状です」と語るのは、微生物制御研究の第一人者である高麗寛紀先生。そもそも衣類から漂うニオイには、着用時の皮脂汚れから発生する“脂臭菌(ししゅうきん)”と、ジメジメした環境などで増殖する“生乾菌(なまがわききん)”が存在するんだとか。
「衣類を洗濯した後も菌が存在していることは今までも分かっており、それらが残った汚れを分解することなどによって、洗濯後もニオイを生じるといった問題の原因であることは今までも報告されていた」(高麗先生)そうで、特にやっかいなのが生乾菌。今までの抗菌洗剤では生乾菌の増殖を抑えることができていなかったため、それが女性たちの心をモヤモヤさせる嫌なニオイの元凶になってしまっていたというわけ。
生乾菌を抑制することが難しかった理由には、2つの菌の構造の違いが関係しているそう。細胞が一重の膜だけで覆われた脂臭菌に対し、生乾菌の細胞は二重の膜に包まれとってもパワフル。そのため従来の抗菌洗剤では、不快な生乾き臭が解消されなかったんだとか。しかし最近は技術が進歩していて、高麗先生も開発にあたってサポートした、新処方を採用した『アリエール サイエンスプラス イオンパワージェル』(P&G)のような、より強く生乾菌にアプローチする洗剤も登場。「従来の抗菌洗剤では抑えきれなかった生乾菌の増殖を防ぐことを可能にした『デュアルバイオ抗菌処方』の開発は、業界においても、また多様化する日常生活を快適に過ごすといった意味でも成果のあることだと捉えています」と高麗先生も自信満々。
抗菌技術の発展は嬉しいけれど、衣類が厚手になる秋冬は干し方も見直しておきたいところ。そこで、部屋干しのテクニックについて“洗濯王子”こと中村祐一さんによると、洗浄力や抗菌力の高い洗剤を使うことはもちろん、「洗濯物は溜め込まないでこまめに洗う」、「すすぎにお風呂の残り湯は使わない」、「空気を循環させてなるべく早く乾かす」、「キッチン付近は避けるなど干す場所に気をつける」といったポイントを抑えるべきとのこと。
家事は頑張りすぎるとうまく回らなくなるもの。外干しにこだわって洗濯が苦痛になるくらいなら、最先端の部屋干し抗菌洗剤&部屋干しテクを活用して、楽しくラクに乗り切って。