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”タイパ”への反動? 効率化重視の時代だからこそ「手間をかけて楽しむ時間」の貴重性が高まる

2023-02-24 15:45 eltha

 2022年の新語大賞にも選ばれた「タイパ」。タイムパフォーマンスの略で、かけた時間に対する成果や満足度を表すキーワードとなっている。ますます効率化が重視されるなかで、できるだけ時間をかけずに多くのパフォーマンスを得たいという「タイパ」の考え方が生活の基準にもなりつつあるが、その反動として、クオリティを重視する「手間をかけて楽しむ時間」への注目が高まっているようだ。

コーヒー豆、焙煎方法、挽き方具合、淹れ方にこだわり、待っている時間が”至福”となる

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 タイパを重視するのは、Z世代と呼ばれる10代〜20代の若者たちと言われている。動画の倍速視聴、音楽はサビだけ聴取、2時間の映画は10分でまとめたファスト映画でOKなど、可処分時間で同時に2〜3をこなすのが当たり前に。全世代で見ても、SNSの短文化や即レス、文字ではなく写真や動画で見せて伝えるビジュアルコミュニケーションなど、日常のなかでタイパ的な選択が一般化している。

 しかし、一方ではあえて効率を選ばない、自分だけの愉楽の時間が必要とする考え方も見られている。株式会社トゥルースピリットタバコカンパニーが全国の20 代〜60代の男女554人を対象に行った「自分の好きと向き合う時間」に関する調査では、半数の53.1%が「手間をかけても楽しみたいこと」を保有していることが分かった。

 手間をかけても楽しむことにかけている1週間の時間を聞くと、平均で4.82時間/(週41.3分/日)。手間をかけても楽しむ時間にかけたい理想の時間は7.55時間/週(64.7分/日)となり、1日あたり23.4分足りていないことがわかった。効率化重視の時代、思うがままに時間をかけることは簡単ではなく、その貴重な時間にこそ愛着が湧くのかもしれない。

 手間をかけても楽しみたい理由を聞くと、「手間をかけるプロセスそのものを楽しく感じるから」32.3%、「手間をかけることでゆっくりとしたリラックスする時間を過ごせる」30.8%、「手間をかけた上で完成したものやできた体験が良いものだと感じる」27.4%、「手間をかけることで愛情や大切にするという感情が生まれる」25.8%など、手間をかけて楽しむことが自分の心を豊かにする時間へとつながっているようだ。

 調査からは”自分の好き”と向き合うために、時間も労力も惜しみなく注ぎたい人々の思いが垣間見えた。忙しいなか、理想通りの十分な時間はとれないものの、逆に足りないからこそ、その貴重さ・贅沢さが高まり、一層有意義な時間へと昇華してくれるのかもしれない。



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