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【意識調査】美容整形への是非 整形肯定派でも「身内の人間に整形したいと言われたら否定的になる」との意見も

2022-04-25 eltha

 SNSの普及により、自身の美容整形を公表する人が増え、美容整形への理解が広がってきている一方で、自治体がミスコンを廃止したことがニュースへ取り上げられるなど、ルッキズムに疑問視する意見や理解が広がりを見せる昨今。eltha by ORICON NEWSでは、美容整形について意識調査した。今回は、「ルッキズムについての見解」や「美容整形に抵抗感を覚える関係性」についての調査結果を見ていく。

整形への理解は年代別で枝分かれ 20〜30代は肯定派が過半数 50〜60代は否定派が過半数

 eltha by ORICON NEWSでは美容整形の体験者への取材連載を行っており、記事を配信する度に議論の場となっている。「本人が幸せならいいと思う」「整形で心が楽になるなら仕方がないのかな」といった肯定的な意見がある一方で、「現実問題、見た目が良いと得することが多い」や「コンプレックスを消して行くのは良いと思う。結局、男も女も見た目重要だ」などのルッキズム的な意見も見られる。

 今回の意識調査でも「あなたは美容整形をすることについてどう思いますか?」と聞くと、全体の49.1%が肯定派(肯定的+どちらかというと肯定的)であった。年代別で見ると、20代は68.5%、30代は58.5%と過半数が肯定的だった。対して、50代は53.5%、60代は60.0%と否定派が過半数となり、若年層ほど肯定的で年配者ほど否定的な考えであることがわかった。

 20代、30代肯定派の理由としては、「本人が希望するなら他者がとやかく言うことではないと思うので」(20代女性/神奈川県)「コンプレックスは美容医療でしか治せない場合もあるから」(20代女性/神奈川県)、「なりたい自分になることは良いこと」(30代女性/東京都)「人工的にでもきれいになろうという考えは尊重できる」(30代男性/熊本県)などの意見があがっていた。

 対して、50〜60代の否定派の意見には、「脱毛やホクロの切除などは良いとは思いますが、親からもらった顔をいじるのは否定的」(60代男性/宮城県)「その後のこと(メンテナンスなど)を考えると、一時の感情でやっていいのかどうか…」(50代女性/兵庫県)「基本的に若い人たちには化粧もしてほしくないくらい、自分の本来の姿を変えることには反対である」(60代男性/埼玉県)など、本来の自分の顔にメスを入れることに対して否定的な声が見られた。

抵抗感を覚える関係性は「子ども」「親」 「身近な人だとすんなり受け入れきれないように感じる」との声も…

 続いて、「美容整形に抵抗感を覚える関係性の有無」について聞くと、56.4%が「抵抗感を覚える関係性あり」という結果になった。年代別に見ると、「抵抗感を覚える関係性あり」の割合は、20代が52.0%、30代が54.0%、40代が60.5%、50代が58.5%、60代が57.0%だった。

 では、具体的にはどのような関係性に対して抵抗感を覚えるのか。「あなたに『整形したい』と伝えてきた場合、抵抗感を覚える関係性は?」と聞いたところ、全体の回答では、1位が「子ども」36.1%、2位が「親」33.6%、3位が「いずれも抵抗感を覚えない」32.9%という結果となった。

 「子ども」と答えた人の理由としては、「他人はどう変わろうが興味ないけれど、身近な存在が変わってしまうことは知らない人になるようで寂しいと思う」(40代女性/東京都)「身内の人間に整形したいと言われたら否定的になるので。特に日常生活に支障もないと思うので。お金の無駄」(40代男性/千葉県)「整形を否定的には思っていないとはいえ、身近な人だとすんなり受け入れきれないように感じる」(50代女性/新潟県)「整形をしたいと言い出すということは、何か別の要因があるのではないかと勘ぐってしまう」(20代男性/東京都)などの意見が見られた。

 関係性がより身近になるのに比例して、美容整形を行うことに対する抵抗感も強くなっていく傾向にあるといえるだろう。

30代、40代「親」の整形に抵抗感 “親の整形”を“自分自身の否定”につなげて考えてしまう意見も

 年代別で見ると、20代の1位は「抵抗感を覚えない」、30代・40代は「親」、50代は同率で「親」と「子ども」、60代は「子ども」に対して抵抗感を覚えるという回答がそれぞれ最も多かった。概ねどの年代も近親者への整形に抵抗感を覚える様子が見て取れる。なかでも興味深いのは、50代・60代は「子ども」が1位なのに対して、30代・40代は1位が「親」という結果だ。

 美容整形に対する価値観は時代とともに変化してきているものの、「整形を隠す時代」で育った世代の価値観はそう簡単には揺るがないことの現れだろうか。また、そういった価値観のなかで育ててきた親自身が整形をすることに、その子どもたち世代は抵抗感を覚えてしまうのかもしれない。

 理由の中には、「そのままの姿で知り合って親しい関係性を築いてきたのに、相談もなく変えられると自分も否定された気持ちになる」(40代女性/静岡県)「親の年齢でなぜ美容整形が必要なのかわからないのと、親に似ているので自分を否定された気持ちになるから」(40代女性/茨城県)といった“親の整形”を“自分自身の否定”につなげて考えてしまう意見や、「身近な人については抵抗は有ります。どのように接していいかわからない」(50代男性/東京都)、「もともとの感じを知っているから違和感の方が強いと思うから」(40代男性/埼玉県)「長年見ている顔が変わるのに抵抗感を覚える」(40代男性/神奈川県)など、近親者の見た目の変化への違和感を理由にあげる声も見られた。

 美容整形についての是非に関しては、世代間で考え方に相違があることがわかった。確かに美容整形はコンプレックス克服の手段の一つではあるかもしれない。そして、若年層になるに従い、美容整形への感覚がよりカジュアルなものにもなってきている。

 しかし、美容整形へのハードルが下がるのに比例して、未成年者を対象にした二重整形の広告が出回り、過剰にコンプレックスを煽ることにつながっているのも事実。ルッキズムを見直す考えは社会的には広がりつつあるものの、ルックスのコンプレックスへの苦悩や葛藤は個々の問題として深刻になってきているように見える。カメラアプリで綺麗に加工されキラキラしたSNSの世界は、より悩みを深める一面も担っている。

 これまで整形美女の連載記事で取り上げてきた女性たちは「整形でコンプレックスを乗り越えたことによって、本当にやりたことができるようになった」と発言している人も多い。美容整形は決してネガティブなことではないが、世間の価値基準に惑わされたり、そこに依存したりはせず、整形はあくまでも“コンプレックスを乗り越えるための手段”と考えを改める必要はあるのではないだろうか。

【調査概要】
調査対象: OMR会員 男女20〜60代
サンプル数: 回答者全体 1000名(各年代200サンプル)
調査期間: 2022年3月2日(水)〜7日(月)
調査手法: インターネット調査
調査機関: オリコン・モニターリサーチ(https://omr.oricon.co.jp/?cat_id=omr-news

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