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学生がメイクを制限される風潮なぜ? 「女の子が可愛いに目覚めた時、足止めするのは身近な大人」YouTuberが抱いた違和感

2023-10-10 09:30 eltha

 学生時代は自身の一重まぶたがコンプレックスとなり、アイテープやアイプチを駆使して「二重になることに強く執着していた」と話すYouTuberのハウスダストさん。その経験からメイクの知識を深め、様々なメイクを発信してきましたが、視聴者と交流するなかで“かわいくなっていく人を足止めする身近な大人”の存在に疑問を感じるように。「学生のときは『メイクはダメ』と言われるのに、社会に出た途端『それが当たり前』となるのが、すごく怖い」…だからこそ「発信する理由がある」と語ります。

ハウスダストさんのメイクビフォーアフター

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■一重だと真似しても同じメイクにならない…二重への強い執着心

――中学3年生当時と今のご自身を比べて、いかに垢抜けたかという動画でした。当時、アイプチをお母さんに買ってもらっていて「二重への執着心がすごかった」と語っていましたが、当時の多感な時期の自分というものをどのように捉えられていましたか?

「私がメイクをし始めたのは、中学2年生頃から。ネットにすごくハマって美容に興味を持ったんです。美容系の人たちはみんな二重で『私も二重になりたい』という思いが大きくなり、執着心も強かったです。メイクとか垢抜けとかよりも二重にすごく執着心があったのを覚えています」

――学校でも二重かどうかというのは、明確な線引きがありましたか?

「学校とかで一重をいじられることは、まったくなかったです。私の中高時代は、旧TwitterやInstagramがちょうど流行り始めた時期。当時は『この子は一重だから』という線引きをあまり感じませんでしたが、逆に今はSNS全盛だからこそすごく強まっているのではと思っています。

 私は美容系のYouTubeを見るのが大好きで、配信者として活動もしていて、早くからネットの世界に入り込んでいたので。そこに出てくるYouTuberさんはみんな二重なのに、私は一重で…その人と同じメイクをしても同じになれないことで、よりコンプレックスになっていっちゃいました」

――ネットの世界に入っていたからこそ、感じられた悩みだったのですね。当時の執着心エピソードなどはありますか?

「中学生の時は自分でお金を稼ぐことはできず、お母さんにアイプチを買ってもらっていました。うちは母子家庭だったので余裕がなくて、月に1個までという約束だったのですが、やっぱり失敗をするので、足りなくなっちゃって。1回で成功する日もあれば、3回やっても60点くらいの出来の日もあり、失敗した日は前髪で顔を隠して学校に行く。中学3年間はそんな感じでした」

――見た目に対しての悩みやコンプレックスなどで、実際に傷ついた経験などはありますか?

「高校生になると、みんなSNSを始めて。これは絶対に私のことだと感じる悪口を別の高校の子に書かれちゃったことがあったんです。一軍のキラキラしている子たちの標的になっちゃって、私の場合は『こういうところ変だよね』と書かれたらすぐに直しちゃう(笑)。

 SNSに書かれてコンプレックスになっちゃうことは、最近もありましたし、今までもずっとあったし、これからもあるんだろうなとは思います。発信する立場なのでたくさんの意見がくるんですけど、人にちょっと言われたことがすごく気になる性格なので」

――すぐ直すことで、悩みを乗り越えていったのですか?

「本当にそうですね。指摘されたことの真逆の容姿になる。たとえば、ナチュラルメイクが似合っていないと言われていたので、今はSNSやメイク動画にあるような派手めのメイクをすることが多くなりました。 メイクで真逆のことをして、素の自分を別人にしていくような感覚です。『心まで化粧して武装して外に出る』という感じです」

■誰とでも比較できる時代だからこそ強まる、見た目へのコンプレックス

4万いいねがついた”闇落ちしたマイメロ”のメイク

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――メイクのテクニックは、どこから学んだのですか?

「完全に独学です。最初にモノマネメイクをやり始めたのが1〜2年くらい前です。アニメのキャラクターメイク、チャイボーグメイクをはじめとした海外メイクなど、なりたい人の顔をめちゃくちゃ見て、いろんな写真、角度から研究して、『ここに影が入っているということは…』と分析していくんです。その練習をすると大体5時間くらいは没頭しますね。練習して自分の中で納得がいったら自信を持って発信できるので、そこまで到達できたら動画を撮って投稿しています」

――様々な視聴者さんの声が届くと思います。見た目に対する悩みやコンプレックスは、SNS全盛の今だからこそ強まっているとおっしゃっていましたが、実際に感じたことは?

「そうですね。私は昔めちゃくちゃ貧乏だったのですが、それが当時は分からなかったんです。それはSNSがあまり普及していなかったということも一因だと言えると思います。自分は貧乏であることに気づかなかったのだと最近気づいたんです。でも、今の子たちはSNSがめちゃくちゃ発達しているので、自分の家庭環境がわかってしまうし、比べることもすごく簡単にできてしまう。お金が無いなかでも、かわいくなりたい、変わりたいという子の声を聞きます。だから私は『お金がなくてもかわいくなれるのを証明したい』という気持ちで、自分の経験も踏まえてSNSで発信しています」

――お金がなくてもかわいいは作れるというご自身の経験が、今の発信の原動力になっているのですね。

「だからもっているものはプチプラコスメで、基本的に同じコスメしか使わないです。いつも見たことがあるコスメが出てくる(笑)。でも、同じコスメでもこんなに変わるんだよということが、みんなに伝わってくれたらいいなと思いながらやっています」

――同じ悩みを抱えている女性の声が実際に届くことなどもあって、今の発信の形になっている部分もありますか?

「DMで相談をもらうこともあります。応援してくれる人たちからの『こういうメイクが見たい』『こういう商品があるよ』といった声が、モチベーションになっています。私は家から出ることが好きではないので、ずっとSNSに張り付いて、平均17時間くらいスマホを見ているんです。SNSで私が作られている感じです。DMで元気をもらったり、メンションで動画を作ってくれたりする子もいるので、そういうのを見ることで頑張れています」

■社会に出た途端、メイクしていることが“当たり前”になる違和感

門りょうさんのものまねメイクを披露

門りょうさんのものまねメイクを披露

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――「女の子が可愛いに目覚めた時、それを足止めするのはいつだって身近にいる大人だよね」というハウスダストさんのつぶやきは、6万を超えるいいねを集めていました。この投稿をした背景は?

「整形やダイエットなど、きれいになる手段はいろいろとありますけど、メイクは一番手っ取り早くきれいになれる方法で、社会に出るとメイクをすることがマナーにもなっています。でも、なぜか社会に出るまではメイクをさせなかったり、着飾ることさえ許されない風潮があります。学生のときは『メイクはダメだよ』と言われるのに、社会に出た途端、『それが当たり前だよ』となるのが、すごく怖いなと感じました」

――ハウスダストさんも、そのように言われてきたのでしょうか?

「はい。母はまったく言いませんでしたが、祖父母に『カラコンしたら、目がつぶれるぞ!』と(笑)。思春期だからニキビができるのは当たり前なのに、『化粧をしているからニキビができる』とか、『昔は化粧なんかしなかったから肌がきれいな人が多かった』とか。私の場合は毎日のように会う人ではなかったから、うるさいなと感じる程度でしたが、もっと重く捉えている子もDMを見ているとたくさんいます。本当に厳しくてメイクができないとか、おかしいと言われるとか。化け物みたいだと親から言われたとか。そんな風に言われたら誰でも傷つくし、一番近くにいる存在だからこそ、より傷つく言葉ってあると思うんです。DMで『こんなことがあった』と来ると、その子が見ている景色や言葉の背景を想像して泣けてきちゃって。それが、SNSでの発信につながりました」

――悔しさや理不尽さなどを、ハウスダストさんも感じ取ったのですね。

「私もメイクがめちゃくちゃ濃いし、いろいろ言われてきましたけど、『こんな私が美容系で1番になったら、みんなは私を免罪符にして濃いメイクができるんじゃないか』とも思っています。23歳で普通だったらもう薄いナチュラルメイクにしていくときなのかもしれませんが、できるところまでは濃いメイクでいこうという感じで今はやっています」

――メイクのことで悩んでいる人たちにメッセージを伝えるとしたら?

「何歳になっても女の子でいたいし、かわいく見られたいとか、メイクが好き、ネイルが好き、かわいいものが好きという、そこだけは変わらないと思っていて。いくつになっても女の子でいてほしいという気持ちがあります。私はたぶんまだいけるなと思うところまでこんな感じでいる気がするので、私を免罪符にして自分がしたいかわいいメイクをしてください!」

――周りなんて気にする必要はないということですよね。

「気にするなというほうが絶対難しいとは思うのですが、理由をつけて自分の好きなことをしていればいいなと思うんです。私がその理由の1つになってくれたらうれしいです」

――悩みやコンプレックスに対して、どういう風に向き合っていくのがいいと思いますか?

「コンプレックスって、なくなることのほうがつまらないなって最近になって思うんです。コンプレックスを潰したことが、自分のなかで自分を認められるひとつの実績になる。私のなかでは、二重になったことがそうでした。それが実績になって自信になって、メイクが好きでメイクをしていたら、『そのメイクかわいいね』と言われて。実績が積みあがっていく。本当にどうしようもない部分もあるとは思いますが、それがメイクでどんどん少なくなっていったらいいなと思います」



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