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〈本日発表〉日韓で活躍する音楽家、文筆家、イ・ランによるエッセイ集『声を出して、呼びかけて、話せばいいの』(斎藤真理子/浜辺ふう訳)が第2回永井荷風文学賞を受賞!

河出書房新社

2026/08/06 18:46

選考委員:安藤礼二氏、岡田利規氏、金原ひとみ氏、蜂飼耳氏、松浦寿輝氏




株式会社河出書房新社(東京都新宿区/代表取締役 小野寺優)より2025年9月に刊行された、マルチ・アーティスト、イ・ランによる「家族」をめぐる書き下ろしエッセイ集『声を出して、呼びかけて、話せばいいの』(斎藤真理子/浜辺ふう訳)が、第2回永井荷風文学賞(主催:永井荷風文学賞実行委員会/市川市・三田文学会)を受賞しました。

日本と韓国を行き来しながら、音楽家、文筆家として自由と独自の表現を追求し続け、幅広い支持を集めるイ・ラン。本書は、『悲しくてかっこいい人』、『話し足りなかった日』(ともにリトル・モア刊)に続く邦訳3作目のエッセイ集です。

イ・ラン |Lang Lee



ミュージシャン、エッセイスト、作家、イラストレーター、映像作家。
1986年1月5日、ソウルの永登浦キリスト教産婦人科で生まれる。2001年、京畿道安養女子高校へ入学。2週間の登校後不登校になり、スリ高校へ転校。転校初日に退学し、検定試験に合格後、家出。翌年より雑誌でイラストや漫画の仕事を始める。06年、韓国芸術総合学校映画学科入学。猫のジュンイチを迎え、ソウル石冠洞の屋上部屋で暮らし始める。09年、妊娠と中絶を経て、短編映画『変わらなくてはいけない』を制作。11年、シングル「よく知りもしないくせに」を発売。12年、初の日本ツアーを行い、アルバム「ヨンヨンスン」を発売。13年、ウェブドラマ『おなかのすいた女』制作。漫画『イ・ラン4コママンガ』刊行。16年、アルバム「神様ごっこ」を発売。韓国で最初のエッセイ集を刊行。17年、韓国大衆音楽賞最優秀フォークソング賞を受賞し、授賞式のスピーチでトロフィーを競売にかける(50万ウォンで落札)。19年、ベルリン・東京・大阪・名古屋で公演。21年、子宮頸がん診断。アルバム「オオカミが現れた」発売。22年、韓国大衆音楽賞「今年のアルバム 最優秀フォークアルバム」賞、ソウル歌謡大賞「今年の発見賞」を受賞。23年、円錐角膜の手術。ソウルクィアパレード祝賀公演。ライブアルバム「PRIDE」発売。京都エクスペリメント「1から不思議を生きてみる」公演。台湾音楽賞GIMA 審査員を務める。24年12月、非常戒厳を宣言した尹錫悦大統領弾劾デモのステージで「オオカミが現れた」を演奏。
邦訳のある著書に、エッセイ集『悲しくてかっこいい人』『話し足りなかった日』、コミックエッセイ集『私が30代になった』、小説集『アヒル命名会議』、いがらしみきおとの往復書簡『何卒よろしくお願いいたします』、スリークとの往復書簡『カッコの多い手紙』がある。

訳者
斎藤真理子(さいとう・まりこ)
翻訳家。パク・ミンギュ『カステラ』(共訳)で第1回日本翻訳大賞、チョ・ナムジュ他『ヒョンナムオッパへ』で韓国文学翻訳院翻訳大賞、ハン・ガン『別れを告げない』で読売文学賞(研究・翻訳賞)を受賞。他の訳書にチョ・セヒ『こびとが打ち上げた小さなボール』、李箱『翼―李箱作品集』、チョ・ナムジュ『82年生まれ、キム・ジヨン』、ファン・ジョンウン『年年歳歳』、ハン・ガン『すべての、白いものたちの』など多数。著書に『増補新版 韓国文学の中心にあるもの』、『隣の国の人々と出会う―韓国語と日本語のあいだ』『「なむ」の来歴』など。

浜辺ふう(はまべ・ふう)
劇作家・俳優。ソロ演劇ユニット〈九条劇〉主宰。


「家族」をめぐるエッセイ集『声を出して、呼びかけて、話せばいいの』
お母さんのせいではない。お母さんのせいではないが、お母さんを狂女になるように追い込んだ残酷なしがらみの中で、私もまた狂女に育った。それでも私は、自分の物語を世の中に示すことのできる狂女でよかった。
(「母と娘たちの狂女の歴史」P40〜P41より)

『声を出して、呼びかけて、話せばいいの』は、「文藝」2022年春季号に掲載され、大きな衝撃と反響を呼んだ「母と娘たちの狂女の歴史」を中心に書き下ろされた、「家族」をテーマとした痛切なエッセイ集。

本書執筆のきっかけとなった突然の姉の死と追憶を綴った随想、20年あまり寄り添った愛猫“私の赤ちゃん”ジュンイチとの惜別とダイアローグ、父と母、祖父母が辿った歴史や親戚のエピソードに加え、現在の心境、生活について、また、2023年に京都で上演されたオーディオ・パフォーマンス作品を改稿し、劇作家・浜辺ふう氏が京都言葉で訳した「1から不思議を生きてみる」など、全19編を収録しています。


著者自筆タイトル・署名(本書扉ページより)

本書刊行時、訳者・斎藤真理子氏が、自身のXアカウント(@marikarikari)で、「血縁という地獄」には「朝鮮戦争以来の韓国の歴史がぴったり貼りついています。個人ひとりひとりに歴史が命中していて、みんなとても苦しむ」(2025年9月13日)と指摘したように、このエッセイ集には、韓国の封建的な社会像、抑圧構造としての家族の姿が浮かび上がり、「個人的なことは政治的なこと」とスローガンに掲げた、1960年代アメリカでの学生運動、フェミニズム運動とも通底する、切実な訴え、社会への強い怒りが率直にてらいなく描かれています。

いま最も洗練、先鋭化された感性によって描かれた、家族と自由を希求する言葉たちは、なぜ、これほどまでに私たちの心を揺さぶり、圧倒的な感動をもたらすのか。至高の読書体験をお約束します。


本書へ寄せられた推薦コメント
死にたい時許せない時救われたい時、
愛する人に会えなくなった時、
私は死ぬまで何度もこの本を開くだろう。

――金原ひとみ(作家)

自分の心を誰かと分かち合うことは難しい。
しかし、この人、そして、この本は逃げない。

――武田砂鉄(ライター)

たくさん泣き、たくさんもがいたトンネルの先にさしこむ光。
この光がきっと私たち自身をも照らし出す。
これを私たちのバイブルにしよう。

――中村佑子(映画監督/作家)



目次
体が記憶している場面たち/母と娘たちの狂女の歴史/本でぶたれて育ち、本を書く/お姉ちゃんを探して――イ・スル(1983.11.03〜2021.12.10)/三つの死と三つの愛/ダイヤモンドになってしまったお姉ちゃん/お姉ちゃんの長女病/ランは早死にしそう/私の愛と死の日記/すべての人生がドラァグだ/お姉ちゃんの車です/死を愛するのをやめようか/今は今の愚かさで/あなたと私の一日/この体で生きていることがすべて/1から不思議を生きてみる/イ・ランからジュンイチへ/ジュンイチからイ・ランへ/確かな愛をありがとう


書誌情報


書名: 声を出して、呼びかけて、話せばいいの
著者: イ・ラン 斎藤真理子/浜辺ふう訳
仕様:46判/並製/208ページ
発売日:2025年9月25日
定価:1,980円(本体1,800円)
ISBN:978-4-309-20933-3
装丁:脇田あすか
写真:olu olu
書誌URL:
https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309209333/

※電子書籍も好評発売中です。詳細は各電子書籍ストアにてご確認ください。



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