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「神社=祟り神を封じる施設」だった? 日本人が?千年抱いてきた畏怖の正体に迫る新刊『祟り神 なぜ日本人は怨霊を祀るのか』が本日9月29日に発売

方丈社

2026/09/29 12:47

平将門、蘇我入鹿、スサノヲ、オオクニヌシ、最高神アマテラス。五大祟り神の正体と鎮魂の呪術に迫る、戸矢学の最新刊。




日本各地の神社に祀られている神々の多くは、実は人々を苦しめた「祟り神」を鎮めるために祀られた存在だった。平将門、蘇我入、スサノヲ、オオクニヌシ、そして最高神アマテラスまで、五つの「祟り神」の正体と鎮魂の呪術を史料から読み解く新刊『祟り神 なぜ日本人は怨霊を祀るのか』を、方丈社が本日9月29日発売した。著者は國學院大学文学部神道学科卒、神道古代史研究で知られる戸学。

なぜ神社の神様が「祟り神」なのか

初詣で手を合わせる氏神様、祭りで神輿を担ぐあの神社の祭神。実はその多くが、かつて人々を苦しめた「祟り神」を鎮めるために祀られた存在だった。新刊『祟り神』は、そんな日本人の心の奥底に眠る畏怖の記憶を掘り起こす一冊だ。

本書は日本全国に無数に存在する「祟り神」の中から、日本の歴史と日本人の暮らしにとりわけ深く関わってきた神として、平将門(江戸)、牛頭天王(ごずてんのう)=スサノヲ(京都)、蘇我入(飛鳥)、大牟遅(おおなむぢ)=オオクニヌシ(出雲)、大日(おおひるめ)=アマテラス(伊勢)を取り上げ、その正体に迫っていく。

本書が明かす「衝撃の事実」7つ

- 最高神アマテラスも、かつて宮中で「祟り神」として封印されていた。
- 神社は本来、神様を"祀る"ためではなく"封じ込める"ために建てられた施設だった。
- 平将門の塚は、今も東京の一等地の再開発を止め続けている。
- 祇園祭の主役牛頭天王の正体は、実は日本神話のスサノヲだった。
- 蘇我入は天皇の目の前で暗殺された――その怨霊の行方は、いまだわかっていない。
- 出雲大社は、実は最大級の「祟り神」を封じ込めるために造られた。
- 天智天皇の死因は暗殺? その裏にも「祟り」の影がある。

最高神アマテラスも、かつては「祟り神」だった

京都祇園祭の主役である牛頭天王。江戸の大災害と結びつけられてきた将門の塚の怨念。天皇の面前で殺害された蘇我入の祟り。出雲に封じ込められたオオクニヌシの恨み。そして、日本神話の最高神とされるアマテラスでさえも、かつて宮中で「祟り神」として封印されていたという事実を本書は史料をもとに解き明かしていく。

著者によれば、神社とは本来、荒ぶる神を鎮め、封じ込めるために建てられた施設だという。日本人は千数百年ものあいだ、祟り神とともに生き、時にすがりながら、それを精神的文化的な支えとしてきた。華やかな祭礼や荘厳な社殿の裏側には、鎮魂のための呪術と、歴史の中に封じ込められてきた「闇」が隠されているという。

『八つ墓村』『もののけ姫』にも息づく、日本人の「祟り」観

横溝正史の『八つ墓村』における「祟りじゃ〜!」の名セリフ、あるいは宮崎駿監督のアニメーション映画『もののけ姫』に登場する祟り神など、フィクションの中で繰り返し描かれてきた「祟り」というモチーフは、日本人の精神性に深く根ざしたものだと本書は指摘する。

「祟り神信仰こそが日本人日本文化の根幹である」という独自の視点から、これまで語られてこなかった日本史の一面に光を当てる一冊。

本文より(まえがきより一部抜粋)

まえがき――日本人は「祟り」好き

日本には「祟り神」は無数にいる。無限にいると言えるかもしれない。あえて言うなら日本は「祟り神」の国なのだ。

記紀神話に登場する祟り神、また歴史上の人物が不本意な死を遂げたことによって祟り神になったととらえられた事例、さらに近現代の人物が不慮の死、非業の死を遂げたことから、人々から祟り神になったに違いないと考えられている事例等々。なかには、京都・御霊神社の祭神として鎮魂されていたり、辺境の地に封じられていたり、人間の居る限り、祟りは時と共に増え続けて、数え切れないほどの様々な「祟り神」を生み出している。

なかでも日本人にとってとりわけ重要な「祟り神」は、日本の歴史や、日本人の暮らしとどれほど深く関わっているかにあるということになるだろう。

ということから本書で採り上げる神々は、私的な祟りではなく「公的な祟り」に比重を置いている。それゆえに、日本および日本人にとって、その祟りがどのような意味をもっているのか突き止めようというものである。

日本人が、特定の現象を「祟り」と考えたのはなぜなのか。むろん祟るに相当することを関係者が為したためであるだろう。その情緒が、祟りを生み出しているのだ。しかしどうやらそれを超える畏怖が日本人にはあるようなのだ。さてそれは何なのだろう。

もう一度言うが、私的な祟りは他者には無縁である。公的な祟りは社会的にも様々な影響を広く長くもたらしている。

「歴史の闇」という言い方があるが、歴史に封じ込められた日本のそんな「闇」を本書では解き放そうと試みている。そしてそれには「祟り神」たちに登場していただかなければならない。二千年の怨念が昇華されるには、その真相、真実の姿を解き明かすこと以外にないだろう。

そこで私たち日本人全般に広く祟り為す怨霊、なかでも以下の怨霊を「五大祟り神」と本書では呼ぶことにしようと思う。

牛頭天王(スサノヲ) 京都
平将門 江戸
蘇我入鹿 飛鳥
大穴牟遅(オオクニヌシ) 出雲
大日(アマテラス) 伊勢

ここには巷間に言い習わされている「三大怨霊」からは平将門のみを採り上げており、菅原道真も崇徳天皇も入っていないが、その理由は本文において述べることにする。

神社は本来「祟り神」を封印するために造られた施設である。したがって、神社に祀られている神々の多くは「祟り神」である。しかも千数百年来、それが日本人の精神的・文化的支柱になって来た。つまり、日本人は「祟り神」とともに生き、「祟り神」にすがって来たのである。そこには日本人独特の「祟りのメカニズム」が存在している。縄文由来のアニミズム(精霊信仰)と一体化した大自然への畏怖心が根底にあると考えられるが、その後伝来した道教や仏教の影響をも大きく受けて、日本人は独自の「祟り観」を持つようになった。

南方熊楠の祟り観も、折口信夫の祟り観も、それに基づいているのだが、いずれも「祟り」を日本人の精神性の主軸あるいは根幹に置こうとはしなかった。

しかし実は、日本全国に遍在する神社と、弥生以降の日本人の歴史が「祟り神信仰こそは日本人・日本文化の根幹」であることを示している。そしてその視点に拠れば、解き明かすことのできる日本史上の特定の秘密に迫ることができるだろう。

「祟り神」は、時の政権には脅威であるが、実は民衆の味方である。政権に対する民衆の怒りを体現するものと言っても良いだろう。

目次

まえがき――日本人は「祟り」好き

第一章 「祟り」の本場京都の素顔
盛大な祇園祭は祟り鎮め/祟り神「祇園神」/牛頭天王の正体/祇園祭で「祟り」を祓う都人/祇園社と蘇民将来/祇園祭りの祭神が「スサノヲ」となった所以/朝廷が採用した鎮魂の呪術/祝詞の使命は祟り鎮め

第章 江戸東京を守り続ける「祟り神」
平将門の塚の怨念と魔力/空飛ぶ生/「祟り神」の慰霊鎮魂/「将門の桶」は実在した/将門の祟りと江戸の大災害/源氏三代の祟り/「祟り」と「呪い」


第三章 行方不明の祟り神
天皇の面前で殺害された蘇我入/天皇が生き証人の「祟り神」/「入の怨霊」を探せ/改竄された蘇我氏の出自/「中」という氏族名の真相/「氏神」からわかる蘇我のルーツ/謎の「素鵞神社」/蝦夷入は大王となったのか/法隆寺に封印された祟り神/入の祟り


第四章 祟り神を封じ込めた出雲大社
オオクニヌシの恨みは晴れたのか/最大の祟り神、誕生/「神在月」という嘘/「神器の祟り」は出雲由来か/出雲から献上させた神宝/草薙剣は出雲族の宝剣か/出雲国造とは何者か

第五章 最高神となった祟り神
崇神朝を滅亡させようとしたアマテラス/伊勢神宮と天皇の不可解な関係/宮中の祟り神/太陽信仰とは無関係の伊勢/祭りは祟り神の慰霊鎮魂/神社に封印される祟り神/「同床共殿」の神託/祟り神の封印/伊勢は、地の果て/霊地に突き立つ「心御柱」/八咫鏡の由来と「祟り」のゆくえ

あとがきに代えて――祟られた天皇/謎に包まれた天智天皇の死/天智帝暗殺説は「祟り」の反映か
参考文献/主な参照自著

書籍情報 



書名:祟り神 なぜ日本人は怨霊を祀るのか著者:戸矢学
発売日:2026年9月29日
出版社:方丈社
定価:2,200円(税込)
仕様:四六判並製・264頁
ISBN:978-4-910818-43-6

HP:https://hojosha.co.jp/menu/1109760
Amazon:https://amzn.asia/d/0cUKbI4Q
楽天ブックス:https://books.rakuten.co.jp/rb/18719252/



【著者プロフィール】

戸矢学 (とや・まなぶ)
1953 年、埼玉県生まれ。國學院大学文学部神道学科卒。
著書に『神々の子孫 「新撰姓氏録」から解き明かす日本人の血脈』(方丈社、2021 年)、『熊楠の神 熊野異界と海人族伝説』(方丈社、2022 年)、『ヒルコ 棄てられた謎の神』(河出文庫、2024 年)、『鬼とはなにか まつろわぬ民か、縄文の神か』(河出文庫、2024 年)などのほか、多数の著書がある。公式サイト『戸事記』https://toyamanabu.jimdofree.com/

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