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中谷美紀「ガッツがなかったから」続けられた女優業、結婚・海外生活で変化した仕事との向き合い方

2020-02-27 eltha

中谷美紀
 2018年にドイツ出身のビオラ奏者と結婚し、オーストリアと日本を行き来している中谷美紀。拠点を移してからも民放ドラマやバラエティー出演を重ね、精力的に活動。27日からは、彼女が出演したNetflixオリジナルシリーズ『FOLLOWERS』の配信もスタートする。同作ほか、“自立した強い女性”を演じることの多い中谷だが、本人は「まったく逆」と語る。「ガッツがなかった」からこそ続けてこれた女優業、そして、変化する環境下での仕事とプライベートの向き合い方まで語った。

イメージとは逆?「ガッツがなかったからこそ、ここまで続けられた」

中谷美紀
 蜷川実花が監督を務めたNetflixオリジナルシリーズ『FOLLOWERS』で、人気写真家・奈良リミを演じた中谷美紀。リミは、TOKYOの“いま”を敏感にキャッチし、モラルに囚われず確固としたライフスタイルを貫く女性だ。彼女の後押しにより、女優の卵・百田なつめ(池田エライザ)もまた、運命を変えていく。自立した女性と、何者でもない若者たちの姿がリアルに描かれているのが本作だ。
――リミという役のオファーを受けたときの率直な感想を教えてください。

中谷美紀 台本を読ませていただいたとき、率直に「なぜ私なんだろう」と思いました。なぜなら、私とリミはまったく逆の性格、生き方だと思ったからです。ただ、他者の心の内を探ることを仕事にしているため、写真を通じて人を観察するという意味では、写真家という役柄はとても興味深いと思いました。

――真逆ということは、共感する部分はあまりなかったのでしょうか?

中谷美紀 リミはパーティー三昧な暮らしですが、私の私生活は地味なので(笑)。でも、リミがスピーチで語る、「男性を通じてしか社会とつながれない人にならないでください」という言葉は印象に残っています。経済的にも精神的にも自立した女性であり続けるという考えには、私も共感します。ただ、それはあくまで個人的な気持ちですし、人にはそれぞれの考え方があると思います。

――リミの強さは、中谷さんにも共通するものだと感じていました。

中谷美紀 私は、リミやなつめ(池田エライザ)が持っているようなガッツはまったくありませんでした。偶然街を歩いていたときに、以前お世話になっていた事務所の方にこの世界に導いていただき、いつのまにか辞めるタイミングを逸してしまい、いまに至るという感じなんです。ですから、なにがなんでも仕事にしがみつくガッツは、私にはありませんでした。若かりし頃はやる気がないと怒られていたくらいですし、この作品を観て反省すべき点はいっぱいあるなと感じました。ただ、逆にガッツがなかったからこそ、ここまで続けられたのかなとも思っています。必死にしがみついていたら、早くに心が折れてしまっていたと思います(笑)。
――その部分が、中谷さんとリミの大きな違いなんですね。

中谷美紀 リミはやりたいことをなんでもやる、分母を100から200に増やせる人。でも、私は分母を増やすことができないんです(笑)。なにかを得るためには、なにかを捨てなければいけないと思うタイプです。だからこそ、仕事とプライベートはきっちり分けたいと思っています。

――演じる役柄をプライベートに引きずることもないのでしょうか?

中谷美紀 役者は台本を読むのも仕事なので、なかなかうまく切り分けられない部分はありますが、役柄とプライベートはできるだけ切り離すようにしています。ただ自分では意識していないのですが、撮影期間は声が変わるようなんです。親しい人たちから、作品に入っているときは「電話の声が違う」と言われます(笑)。

海外生活や結婚を経て…「仕事とプライベートに緩急がつくように」

――リミのように“分母”を増やそうと思ったことはありますか?

中谷美紀 あまりないかもしれませんね。これまでの人生、やりたいことはやってきたと思っています。ただ、なにかを得るためにはなにかを捨てなくてはいけないと思っているので、無理はしないようにしています(笑)。キャパシティオーバーになると自由がなくなりますし、とにかく自由でいたいと考えています。

――自由に生きていくために必要なことは何でしょうか?

中谷美紀 人からのお誘いを断ることでしょうか(笑)。予定に縛られることが苦手なので、約束も苦手なんです。その日に行きたくなれば行きますが、幸い同じ価値観を共有できる友人に恵まれまして(笑)。困った時にはもちろんお互いに手を差し伸べますが、自立した関係を保てることをありがたく思っています。

――中谷さんのそういう生き方は、海外生活やご結婚を経たからこそ変化していったのでしょうか?

中谷美紀 以前よりは、仕事とプライベートに緩急がつくようになりましたし、より仕事に集中しやすくなりました。“転地療法”と言っているのですが、一つの役を演じたあと、バッサリと役を落とすために居場所を変えるんです。オーストリアに移住する前も、タイに行ってみたり、パリに行ってみたりしていました。

――仕事とプライベートをきっちり分けるというのは、昔から心掛けていたことなのですか?

中谷美紀 意識するようになったのは、『嫌われ松子の一生』(2006年)という映画ですね。一人の女性の一生を描く作品だったのですが、時系列で撮影できるわけではなかったので、あるときは20代、あるときは50代を演じなければいけませんでした。年齢も異なれば、相手の男性も変わりました。この作品でしっかり切り替えて演じていかないとダメだということを学ばせていただきました。

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