今の最重要任務は「お姉ちゃんになる長女を寂しがらせない」
――心の中に自分だけの“育児ポイントカード”を持つというのも、宮川さんならではの面白い育児法です。最近、育児ポイントが貯まったと感じた出来事はありますか?
【宮川サトシ】妻に聞いたところ、日常のすべてでポイントは貯まっているとのことで…。これと言って特筆すべきポイントゲットのエピソードはないのですが、お風呂に入れている時に娘の笑い声が大きければ大きいほど、「ポイントが貯まってるな〜」とは感じています。お風呂での遊びは毎回工夫してプログラムを組んだ上で臨んでいるので。
――現在奥様は第2子を妊娠中とのことですが、家族が増える今のお気持ちは?
【宮川サトシ】2人目の出産でしっかりしなきゃと思っているのが、お姉ちゃんになる第1子のことです。彼女を寂しがらせないように、むしろこれまで以上に愛情を注がなくてはいけない。それが親としての最重要任務で、そのバランスは僕がいつも見ているから任せろと、安心して産んでくれと、そんな話を妻にいつもしています。
――素晴らしい考えですね。
【宮川サトシ】で、そのときの僕の頭の片隅には、「獲得予定のポイントが貯まってるな」という雑念(邪念)もちゃんとあります。
――(笑)。
【宮川サトシ】僕個人としては、1人目の時と同じく、やっぱりまだ実感もないですし、仕事がまわるのだろうかとか不安も正直あります。でも、次はおそらく男の子らしいので、また新しい人生の“味変え”の時がやってくるのかと思うと、いくらか楽しみでもありますね。
――弟ができることを、娘さんはどのように感じていますか?
【宮川サトシ】「うれしい、たのしみ、よしよししてあげたい。でもお父さんとお母さんがとられるのはいやだ。でも弟がとらなければやっていける。とられたらひとりでいきていく(本人談ママ)」とのことです。
――複雑な感情が入り乱れていますね。とても愛おしいです。
【宮川サトシ】親から見ていると、下の子がやってくることに不安を感じている時期もあったのですが、今は楽しみのほうが勝っている印象に見えます。娘には「頼りにしているよ!」と、僕らが彼女を必要としていることを言葉にして伝えるようにしているので、はりきっているようにも見えますね。
――育児漫画は今後も描かれる予定ですか? お姉ちゃんになる娘さんの成長もぜひ作品で見てみたいです。
【宮川サトシ】需要があれば描きたいですね。先日2人目ができたことを知人に伝えたのですが、1人目よりも反応が弱くて…(当然なのですが)。そういうリアルなところを描きたいとちょっと思ったので。
――第2子出産へ向けて、父としての目標をお教えください。
【宮川サトシ】今後は「3人」で育てることを意識しています。娘に頼れるところは頼って仕事を与えて、各自が無理をしないようにストレスを減らして、やりがいも見つけていけたらいいですね。その全体的なバランスを、司令塔になってちゃんと見て伝えていこうと思います。
――司令塔! 一家を支える父らしい重大任務ですね。
【宮川サトシ】あとは仕事でちゃんと4人分の食い扶持を稼ぐことですね。それが1番大変な気がしています。
PROFILE/漫画家。1978年生まれ。岐阜県出身、2013年デビュー。最愛の人を亡くした哀しみを描いて多くの共感の声を生んだエッセイ漫画『母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。』(新潮社)は、映画化もされている。
■宮川サトシTwitter @bitchhime
■娘が遊んでた形跡|宮川サトシInstagram @kokodeasondetanoka
4月9日に宮川さんが原作を担当している『宇宙戦艦ティラミス』((BUNCH COMICS/新潮社)最終10巻が発売になります。