高熱で寝込む彼女に「うつされたくないから実家いくわ」、さらに心無い言葉を浴びせられ…“マザコン彼氏”との別れ
2022-01-26 eltha
体調を崩す人が多くなるこの時期。そんなときに頼りになるのはやはり家族やパートナーだが、その相手が酷いモラハラ&マザコン彼氏だったら…。漫画家・二星星(にぼしぼし)さんも、そんなパートナーに苦しめられた女性のひとり。2019年に発売され、現在も電子書籍などで話題のコミックエッセイ『ダメ彼を訴えます!! 〜殴られたので裁判しました〜』には、二星星さんがマザコン彼氏をDV被害で訴え、決別するまでの一部始終が綴られている。
同棲してから徐々に態度が変わり…「殴っちゃったんです」“マザコン彼氏”の実態
年下で可愛い印象だったという彼氏。付き合っていた頃はやんちゃなところもなく、周りから“いい人”と評価されていた。しかし、二星さんが彼氏の変化に気づいたのは同棲して少し経ってからだったという。
「一緒に住み始めて1ヵ月ぐらい経った頃から、家に置いていたお金がなくなり、彼がほとんど家に帰ってこなくなりました。月にトータルで1週間いるかどうかくらいで、連絡はほとんどLINEのみ。あとは、彼が常に親の支配下にあるような感じで、『お父さん、お母さんが言ったから』ということをよく言っていました」(二星さん)
彼は、親の言うことを優先するマザコン気質だったことが発覚する。漫画には、熱が40度近くあり寝込んでいる二星星さんに冷たく背を向け、「うつされたくないから実家いくわ」と言い捨てる彼の姿も。彼の態度に悩んだ二星星さんが身近な人に相談しても、「もうちょっと我慢すべき」と言われることが多く、何とかその状況に耐えていたという。そんなある日、生活費の持ち出しをきつく問い詰めたことから険悪なムードになり、突然暴力を振るわれてしまう。
「殴られたのは一度きりでしたが、男性が本気で殴ってきたので体が吹っ飛んだんです。明らかに骨が折れているのがわかり、『早く救急車を呼んで!』と言ったのは私のほう。彼はボケーッと立っていて、電話をしても『殴っちゃったんです…』ってまるで他人事みたいに言っていました」
「一緒に住み始めて1ヵ月ぐらい経った頃から、家に置いていたお金がなくなり、彼がほとんど家に帰ってこなくなりました。月にトータルで1週間いるかどうかくらいで、連絡はほとんどLINEのみ。あとは、彼が常に親の支配下にあるような感じで、『お父さん、お母さんが言ったから』ということをよく言っていました」(二星さん)
彼は、親の言うことを優先するマザコン気質だったことが発覚する。漫画には、熱が40度近くあり寝込んでいる二星星さんに冷たく背を向け、「うつされたくないから実家いくわ」と言い捨てる彼の姿も。彼の態度に悩んだ二星星さんが身近な人に相談しても、「もうちょっと我慢すべき」と言われることが多く、何とかその状況に耐えていたという。そんなある日、生活費の持ち出しをきつく問い詰めたことから険悪なムードになり、突然暴力を振るわれてしまう。
「殴られたのは一度きりでしたが、男性が本気で殴ってきたので体が吹っ飛んだんです。明らかに骨が折れているのがわかり、『早く救急車を呼んで!』と言ったのは私のほう。彼はボケーッと立っていて、電話をしても『殴っちゃったんです…』ってまるで他人事みたいに言っていました」
「私にはマイナスしかなくて悔しい…」、ついに“裁判1000日戦争”へ突入
DV被害により、二星星さんは鼻骨骨折の重傷を負うことになった。困った彼女が相談したのは、弁護士事務所で秘書をしていた学生時代の先輩だった。そのアドバイスで裁判を起こすことを決意する。
「病院から帰ってきた次の日に、学生時代の先輩に電話をして、今後どうしたらいいか相談しました。その時に、被害届を出しても彼に刑罰がくだるだけで、私に何も利益はないことを聞いたんです。ケガをして仕事にも行けない、お金がないのに引っ越しもしなきゃいけない。私にはマイナスしかなくて悔しいじゃないですか。彼女から、『それで満足できる? その悔しさがあるんだったら、裁判という形をとってもいいんじゃない?』と提案されたんです」
その後、裁判で彼から受けた被害を認めさせ、和解に至るまで約1000日。精神的にも相当なダメージがあったはずだが、二星星さんを支えていたのは、この経験を作品として発信しなければならないという強い想いだった。
「DV加害者が暴力をふるうのは、幼少時の虐待やいじめのトラウマ、女性差別などが背景にあることもあります。でも、そういうことが日本ではあまり知られていないんです。なので、この作品がそういうことを考えるきっかけになってもらえたら」
まだ日本ではモラハラやDV被害に関する意識が低く、自分が被害を受けていることをわからないまま、苦痛を強いられている女性も多いという。そんな女性たちに向けて、二星星さんは「我慢していたらダメ。何でもいいので動くこと」と背中を押す。
「身近に相談できる人がいれば、助けを求めていいと思います。あとは、知識を付けることがとても強みになります。自分が置かれている状況や精神状態を、少し離れて見ることが必要なので、そのための知識ですね。それがあれば、自分が今ヤバい状況なんじゃないかと気付けるし、次にするべきことが見えてきます。市役所や区役所にも相談センターはありますし、被害者支援や加害者のプログラムを学べるところもあるので、そういうところを利用してみてはどうでしょうか。逃げてもいいし、立ち向かってもいい、まずは行動してみることが必要だと思います」
「病院から帰ってきた次の日に、学生時代の先輩に電話をして、今後どうしたらいいか相談しました。その時に、被害届を出しても彼に刑罰がくだるだけで、私に何も利益はないことを聞いたんです。ケガをして仕事にも行けない、お金がないのに引っ越しもしなきゃいけない。私にはマイナスしかなくて悔しいじゃないですか。彼女から、『それで満足できる? その悔しさがあるんだったら、裁判という形をとってもいいんじゃない?』と提案されたんです」
その後、裁判で彼から受けた被害を認めさせ、和解に至るまで約1000日。精神的にも相当なダメージがあったはずだが、二星星さんを支えていたのは、この経験を作品として発信しなければならないという強い想いだった。
「DV加害者が暴力をふるうのは、幼少時の虐待やいじめのトラウマ、女性差別などが背景にあることもあります。でも、そういうことが日本ではあまり知られていないんです。なので、この作品がそういうことを考えるきっかけになってもらえたら」
まだ日本ではモラハラやDV被害に関する意識が低く、自分が被害を受けていることをわからないまま、苦痛を強いられている女性も多いという。そんな女性たちに向けて、二星星さんは「我慢していたらダメ。何でもいいので動くこと」と背中を押す。
「身近に相談できる人がいれば、助けを求めていいと思います。あとは、知識を付けることがとても強みになります。自分が置かれている状況や精神状態を、少し離れて見ることが必要なので、そのための知識ですね。それがあれば、自分が今ヤバい状況なんじゃないかと気付けるし、次にするべきことが見えてきます。市役所や区役所にも相談センターはありますし、被害者支援や加害者のプログラムを学べるところもあるので、そういうところを利用してみてはどうでしょうか。逃げてもいいし、立ち向かってもいい、まずは行動してみることが必要だと思います」
『ダメ彼を訴えます!! 〜殴られたので裁判しました〜』(外部サイト)
二星星 (著)/ぶんか社刊