神田愛花、仕事が一番で結婚したくなかった「NHK時代は重荷だと思っていた」

　2012年にNHKからフリー転身し、現在はセント・フォースに所属する神田愛花アナウンサー。これまでTBSラジオのパーソナリティや『めざにゅ〜』（フジテレビ系）のメインキャスターなどを務めていたが、やはり“バラエティ”の印象が強い。実は神田は、NHKを退職するまで結婚願望はなく、退職後に人生の転機が訪れたという。

――フリー転身から10年。これまで活動されてきた中で、ご自身にとって大きな出会いやターニングポイントは何だったと思われますか。

NHKを辞めたことで結婚に興味が出たっていうのは大きかったと思います。NHKの会社員は転勤族なので、結婚をすることが自分にとって重荷だと思っていたんです。旦那さんや家族ができることによって、旦那さんの仕事のサポートのために自分が転勤できなくなるとか、自分が転勤になった時に、旦那さんと離れるのは嫌だって思っちゃうかもしれないじゃないですか。

女性のライフスタイルが変わることで、転勤に対していろんな感情が変わるのは、今思えば当然なんですけど、NHKに入った時点で転勤があるって分かっているのに、それが嫌だって思う自分が嫌だったんです。なので、結婚したくなかったんです。子どもを産むと学校のことも出てきちゃうので、とにかく自分は一人でいることが道理に合っていると思っていました。

でも、NHKを辞めたことでそれがなくなって、すごくたくさん合コンにも行きましたし、異性を探し求め始めたんですよね。それで夫に出会って、初めてこの人なら結婚してみたいと思えたのは、恐らく私の人生の中で大きな転機だったのかなって思います。多分、NHKにいたら結婚していないと思います。

――神田さんの中で、人生において仕事の優先順位が高いのでしょうか。

そうですね、今でもそうです。原因は分からないんですけど、学生の時から、自分できちっと稼いで、自分のものは自分で買って、だからこそ自分の好きな時に辞められるし、自分の好きな時に旅行にも行けるみたいなことにずっと憧れていたんですよ。それは『セックス・アンド・ザ・シティ』っていうドラマに憧れているからっていうのもあるんですけど。皆さん自立している女性じゃないですか。仕事が一番大事で、“目指せ、セックス・アンド・ザ・シティ”っていうのがずっとありますね。

――結婚して仕事観に変化はありましたか？

褒めてくれる人が家に帰るといることで、さらにモチベーションが上がりました。それまでは、“頑張らなくちゃ”、“理想の立ち位置に立つために今これをやらなくちゃ”とか、“これは必要ない”とかって考えちゃってたんですけど、結婚してからは、どんな仕事をしても、まず頑張っていることを褒めてくれる人ができたことで、仕事への考え方もとっても柔軟になりました。どの現場でも、とにかく頑張ることが一番なんだって気づかされて、肩の力が抜けた感じですかね。家に帰るとそれが明確に認識できて、助かっているなと思います。

――神田さんが出演されているテレビ番組を日村さんがご覧になって、お笑いのアドバイスを頂くこともあるのでしょうか。

してっていうんですけど、してくれないんですよ。「そういうことは考えなくていいんじゃない？」とだけ。何か教えてくれるとすれば、美味しいお店を教えてくれるくらいですね。美味しいお店の時だけ、LINEで10件くらい教えてくれます（笑）。

――バラエティ番組で日村さんのお話をされるとき、神田さんは笑いをとりやすい旦那批判や鬼嫁キャラを出さずに毎回盛り上げている印象です。バラエティで笑いも求められる中で、意識されていることはありますか。

夫に対する肥満…、肥満じゃないですね、不満（笑）。肥満は現実の話ですよね（笑）。夫に対する不満とか批判って、お話して解決しなくないですか？夫婦の話で本当の不満とか批判って、よそで言うと深くさらに傷がつくと言いますか。それをテレビで言っちゃうよりは、夫に直接言った方が解決するんですよね。じゃあテレビだからって、本当に思っていないことを言うとするじゃないですか。それは嘘になっちゃって、私のアナウンサーとしてのポリシー“半分ジャーナリスト”の精神と違ってきちゃうんですよ。だから、あまり言わないです。批判とかはありますけど、本人に言うようにしていますね。喧嘩になっちゃいますから。

（取材・文＝鈴木ゆかり）