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神田愛花、フリー転身後は求められる仕事と理想像にギャップ「今も変わらず夢は“報道キャスター”」

2022-07-13 eltha

神田愛花

 アナウンサーで唯一、『女子メンタル』や『IPPONグランプリ』に出演するなど、独自の活躍を見せているフリーアナ・神田愛花。バラエティの印象が強い彼女だが、10年前にNHKを退職した理由は、“報道キャスター”になる夢を叶えるため。しかし、フリー転身後は長らく仕事がなく、自身の理想像と求められる仕事のギャップに苦悩していたという。いまや唯一無二のキャラを発揮し、快進撃を見せる彼女が目指す場所とは。

震災を機にフリー転身するも、理想とかけ離れた現実に落胆「とにかく嫉妬の塊だった」

――NHK時代から人気お笑い番組『爆笑オンエアバトル』の司会を務められ、福岡から東京に転勤するなど、目覚ましい活躍を見せられていましたが、フリーに転身された理由は何だったのでしょうか。

東日本大震災の報道を経験した際に、命があることが当たり前じゃないなって感じたことがフリーアナウンサーへの転身を考えるきっかけになりました。元々、報道番組のメインキャスターになることが私の夢なのですが、当時の会社の空気的には、40代にならないとその立場に行けないような状況だったので、10年後生きているか分からないなと思い、NHKの退職を決意しました。

――転身後はどのような思いで仕事に臨まれていましたか。

自分がやりたいことと求められていることがこんなにも違うのかって実感しました。始めの7年間は本当に仕事がなくて、たまに出るバラエティ番組でも“不思議な発言をする変な人”っていう雰囲気になってしまって…。とにかくその時期は、テレビを見ていても嫉妬の塊でしたね。なので、自分を浄化するために大好きな海外旅行に1年に6回くらい行っていました。特にニューヨークは世界中からいろんな人が集まっているので、自分の小さな悩みも許される気がして、自分を自分で認めることができるような気がしてくるんです。そうしている内に、次第に流れに身を任せてみようと思えるようになり、お仕事も上手く楽しめるようになってきました。
――報道キャスターの夢を叶えるに当たり、「バラエティ」や「お笑い」のイメージが着きすぎてしまうことに対して葛藤はありましたか。

それは全くなかったですね。32歳でNHKを退職したのですが、当時はまだ「女性アナウンサーは30歳まで」という雰囲気があったんです。なので、自分を呼んでくださる現場があることが、とにかく有り難かったです。報道のイメージが付いていない段階でNHKを辞めているわけですから、当然報道の仕事が来るわけもなく。まずは呼ばれたところで一生懸命頑張って、“神田愛花”という存在を認知してもらうところから始めないと、夢ばかり語っても近づけないって思ったんです。アナウンサーの仕事しかしていないのに、バラエティ番組の席に座らせていただけることに本当に感謝しかないので、イメージがどうのこうのっていうよりも、私という人間を知ってもらうために必死でした。

バラエティでも意識しているのは“半分ジャーナリスト”精神「私は“憧れ”の存在ではない」

――『女子メンタル』や『IPPONグランプリ』といったバラエティ番組にも、唯一のアナウンサーとして出演されていましたが、どのようなお気持ちでしたか。

去年はまさか『女子メンタル』に自分が呼ばれると思っていなかったので、「嘘でしょ?」って思ったんですけど、どうせなら全力でやろうと、家で泣きながら練習して臨みました(笑)。フリーアナウンサーの中から唯一呼んでくださっているので、そこで出来ないと「フリーアナはやっぱりダメだね」とか、「アナウンサーだけしてればいいのに」とか思われるのが嫌だったので、結果はともかく全力で臨まないとっていう思いでした。バラエティの精鋭の皆さんと全力で戦って、終わった後は涙が出たくらい憔悴しました。ただ、今年も『IPPONグランプリ』に呼んでいただけて、流れに身を任せていて良かったなって思いましたね。
――数多くのバラエティ番組でご活躍されている上で、心がけていることはありますか

自分が本当に思ったことだけを言うようにしています。ただ、その角度が他の方と違うみたいで、それを芸人さんが突っ込んで下さって面白くしてくださっている感じなんですよね。NHKアナウンサーって「半分ジャーナリストだ」っていう教育を受けるんです。ジャーナリストって、本当のことを伝えないといけないじゃないですか。なので、本当のことをちゃんと見極めて、自分の口から言うということは貫きたいと思っていて、それが唯一の私の報道への道だと思っているんです。

――品行方正が求められるアナウンサーは、小さなことで批判されたり炎上したりしがちな立場かと思います。そんな中でも、神田さんは批判の声が少ないように感じます。

恐らく、私自身が憧れの存在じゃないっていうのはあると思います。やっぱりアナウンサーって煌びやかな世界にいる人みたいなイメージがあると思うんですけど、残念ながらアナウンサーのお仕事が頂けていない私にはその印象が無い分、自然とそういった意見も少ないのかなって思っています。

“元NHK”が唯一の取り柄「その肩書きは、ボロボロになっても10年後も使う」

――近年では、アナウンサーとタレントの境目が曖昧になっているように感じますが、ご自身でアナウンサーとしての独自性はどこにあると思われますか。

私の取り柄って、「元NHKアナウンサー」ということしかないんです。バラエティ番組で活躍されている女性タレントさんって、本当に個性豊かで頭の回転も早いですし、同じ土俵に立つと、もう何も出来ないんですね。だから、私はその肩書きに固執していかないと、自分の個性がゼロになっちゃうんです。「元NHKアナウンサーなのに、そんなことを言うんだ」っていう前提がないと、恐らく私ってただの変な人に捉えられちゃうんですよね。なので、「元々NHKのアナウンサーだったんです」っていうボロボロになった盾を持って必死にやっていますし、10年先もそこを全面推ししていると思います。

――今後目指したい女性アナウンサー像を教えてください。

安藤優子さんのように、女性一人で報道番組の帯を務められるような信頼を得たアナウンサーになりたいっていう夢をずっと持っています。けど、本当に遠いです。遠いんですが、お声がかかるまでは、番組を見ていただけた方に名前を覚えていただけるように、どの現場でもとにかく一生懸命やるのみですね。

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(取材・文=鈴木ゆかり)
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