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試着した洋服を自力で脱げず…97kgだった女性を見る周囲の非情さ「力持ちだと思われ、重たい物を持たされ続けた」

2022-08-01 eltha

97kgから47kgにダイエットを成功させた鈴木沙織さん

97kgから47kgにダイエットを成功させた鈴木沙織さん(右写真提供:主婦の友社)

 97kgから47kgに、マイナス50kgのダイエットを実現させた鈴木沙織さんは、太っていることで数々の悲しい体験をしてきた。体型をいじられ”ビア樽”というあだ名を付けられたり、大好きなテーマパークを車いすで周ることになったり。痩せたことで周囲からの見え方が180度変わり「女性として見られることが嬉しかった」と話す。彼女がどんなコンプレックスを抱え、どんなことに傷ついていたのか。過去のダイエット経験を話してくれた。

「なんとか痩せる方法を見つけたい」執念で自分に合う方法を探し続けた

ーー健康診断で医師から3年間で2度「このままでは早死する」と言われてダイエットを決意したそうですね。どのようにダイエットを始めたんですか?

「あらゆるダイエットに挑戦しまくっていました。ビリーズブートキャンプだったり、国立病院ダイエット、置き換えのマイクロダイエット、健康器具を買ってひたすら家でやってみたり。どの方法も体重は落ちるんですが、ちょっと痩せると気が緩んでしまって、またリバウンド。上手くいきませんでした]

ーーリバウンドしたときはどんな気持ちだった?

「また戻っちゃった、やってしまったって。とくにお金をかけたダイエットでリバウンドしたときはショックでショックで。なんとか痩せる方法を見つけたいと執念みたいに、自分に合う方法を探し続けました」

ーー自分に合うダイエットとは?

「2回目の健康診断で再度『痩せないと』とお医者さんに言われて、そこでアドバイスをいただいたのが糖質オフのダイエットでした。それをやってみたら20kgくらいするするっとやせることができました。食事で痩せられたのは、糖尿病関連の製薬会社に勤めていたので、血糖値や糖質について自分なりの知識があったから。
料理は叔母がパティシエだった影響で、幼い頃から一緒に台所に立っていたので、いかに糖質をオフしながらおいしく料理をするか楽しみながら考えることができました。糖質オフダイエットで74kgまで落としました」

ーーそこからさらに、どうやって痩せたのでしょうか?

「自力ではもうそれ以上は痩せられませんでした。高脂血症の症状があったので、健康診断の後もずっと病院通いを続けていて、なかなか数値がよくならなくてもう少し痩せなければならないと。でもどうしたらいいんだろうと思って、そこで初めてプロの手を借りました。パーソナルジムで筋トレを教えていただき、そこからは何度も停滞期はあったんですが、それでもストレスをためない程度に続けることだけ考えていました」

ーー停滞期の時はどのような心境?

「これまで、数えきれないくらい経験しました。体重の上下も激しかったんですが、停滞したら、わざと糖質をいれてみようとか。バランスを見ながら食事を調整していくことで、慣れた感じです。

 やっぱり、死ぬっていわれた一言がずっとトラウマになっていて。やめたら、戻って死ぬんじゃないかっていう恐怖心。あとはせっかく変わることができたので、それを維持したいっていうメンタルの面が大きかった気がします。ツラくて暴飲暴食したことも何回もありました」

標準体重に到達して出てきた欲「どんな服でも着られる体型になってみたい」

ーーどこまで痩せるか、目標をどのように決めたのでしょうか?

「最初は標準体重まで痩せられたらいいと思っていたんです。でもそこに到達すると、さらに欲が出てきてしまう。私実は、昔太っていたときに服を試着しにいって、試着したまま脱げなくなったことがあったんです。結局どうしても脱げなくて、そのまま買って帰ったことがあるんですよ。恥ずかしすぎて、汗だくになりながらなんとか脱ごうとしたけど、どうにもならない。家に帰っても脱げないので、仕方なくハサミでチョキンとした。それを思い出したら『どんな服でも着られる体型になってみたいな』と。先の目標を見つけて、40kg台の世界を一度は見てみたかった」

ーーそこまで痩せると、MAX体重の頃からだいぶ印象が変わると思います。周囲からはどのような反響がありましたか?

「久しぶりに友人と会った時、相手が私のことを分からない。誰ってなってしまって、昔の写真を見せて認識してもらったり。地元に帰ったら、ガン疑惑が広まってしまっていて、メッセージアプリで『久しぶり大丈夫?』って連絡がきたりとか。逆に心配されちゃったんだなと思いました。ダイエット料理研究家としてレシピ本を出すようになると、痩せる方法を詳しく聞きたいという連絡が周囲から来るようになりました」

ーー痩せて、ご自身の自己肯定感は上がりましたか?

「そうですね。太っていたときは力持ちに見えたのか、ウォーターサーバーを持ったり、とにかく重いものを持つ役割になることが多かったんですけど、痩せてからは逆に持ってもらえるようになった。それがすっごい衝撃的でした。スーツケースを持って駅の階段をのぼっていると、昔は誰も声をかけてくれなかったんですけど、最近だと近くの方が『持ちましょうか?』と言ってくれたり。見た目で判断されてしまうのはナンセンスですが、やっぱりそういうことってあるんだなって思います」

自分自身にもプラスの変化「人前に出ることが苦じゃなくなった」

ーー周囲からの見え方はどのくらい変わりましたか?

「本当に180度変わりました。周りの対応の変化も感じましたが、自分自身も変わっていったので。私は太っていた時、暗めでオタクっぽい感じに見られていたのですが、痩せると前向きな人、明るい人と見られるようになった。私自身もそう変わっていったのを感じます。人前に出ることが苦じゃなくなって、しゃべれるようにもなったので」

ーーご自身の経験を通して、ダイエット料理研究家として今後どのようなことを発信していきたいですか?

「もしダイエットを頑張ろうかな、でもきっかけが無いなと感じている人は、一度挑戦してみると世界が変わるんじゃないかと思います。

 忙しい日常のなかで過ごされていて、そこでダイエットするとなると負担がかかります。とても大変だと思います。専門家として、簡単でヘルシーでおいしい、そして映える。そんなレシピを発信して、これからも多くの人に笑顔を届けられればと考えています」

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監修者 鈴木沙織

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