思春期を見守ってくれた男子校の先生たち「”親戚にいる面白いお兄ちゃん”のような存在でした」
2022-10-08 eltha
”親戚にいる面白いお兄ちゃん的なポジション”だった担任の先生
「男子校に中高6年間もいたので、個性的な先生たちに慣れてはいたのですが、コメントをいただいていくうちに『楽しい男子校だったんだな〜』と改めて認識できましたね(笑)」
ーー男子校にいる先生の傾向や雰囲気はどのような人が多いと感じますか?
「僕のいた学校では、生徒の主体性を大事にしてくれる先生が多かった気がします。面白いことは一緒にノってくれるし、でもダメなことはちゃんと叱ってくれる。親戚にいる面白いお兄ちゃん的なポジションな感じですね。生徒と先生の距離も近かったりするので、生徒が先生の恋愛事情を聞いたりすることもありましたね(笑)。男子校ノリな内容なので具体的には書けないんですけど(笑)」
ーー家族のようでもあり、リラックスできそうですね。校則が厳しい学校、学業と部活を両立する方針の学校、色々ありますから…。
「僕は比較的に優しい担任ばかりだったので、ゆるゆるのびのび育っていったのですが、たまに軍人並みに厳しい担任にあたってしまった同級生もいました。そのクラスのホームルームは、毎回通夜みたいで大変そうでしたけど(笑)」
感情をむき出しにするより”黙り込む”「先生も大変だっただろうな…」
「キャラクター自体が個性的な先生もいますが、僕が印象に残っているのは個性的な授業をする先生です。特に印象に残ってるのは、現代文の先生です。夏目漱石の授業の時に、『ユメ十夜』という漱石の小説『夢十夜』を原作としたオムニバス形式の映画を毎回授業のたびに観ていたのですが、回を重ねるにつれ、映画を観る時間の方が長くなっていって…(笑)」
ーーそれはそれで素敵な時間ですね。
「最終的に映画を観て、先生の熱い感想を聞いて授業が終わることもしばしばでした。でも、教科書だけでは分からなかった夏目漱石の世界観をじっくり堪能できました。すごく心に残っている先生でしたね」
ーー先生は思春期に関わる、家族以外でもっとも身近な大人だったかと思います。関わってくれていた先生の当時の年齢を、現在の自分がすでに越していることもあるのでは。当時の先生はコンテさんにとってどのような存在でしたか?
「僕も当時の先生の歳になって『先生も大変だったろうな…』とあらためて思います(笑)。特に中学校の担任は反抗期の真っ只中だったので、大変だったと思います。男子は感情をむき出しにするよりも、黙りこむ系が多いので、より気持ちがわかりにくかったりして。それを経て高校生になると、みんなノリが良くなっていくんですけどね。僕自身も中学三年生になった瞬間、部活の顧問と衝突がちょっと増えたりしました(笑)」
ーー思春期特有の空気も含め、見守ってくれていた?
「そういう関係性が中高6年間続いていたので、本当に仲のいいお兄ちゃん的な存在になっていきましたね。仲が良かった美術の先生とはいまでもフランクに話せたりして、いつでもあの時の空気感に戻れるのが楽しいです」
ーーSNSで「男子校エッセイ」の漫画を発信されていますが、今後どのようなことをフォロワーさんや読者さんに伝えていきたいですか?
「僕が描いている男子校エッセイは、決して男子校あるあるを描いているわけではなく『こんな楽しい男子校もあるんだよ〜』なノリで描いています。もちろん大変だったことやきつかったことも沢山あったのですが、それも含めて楽しかった学生生活を漫画を通して伝えていきたいですね」
PROFILE/コンテくん
都内で映像プロダクションに勤めるCMプランナー兼漫画家。背が低い(157cm)がゆえに、日常で起きたいろいろなことをエッセイ漫画にしてSNSで日々更新中。中高6年間、男子校だった経験を活かし、ライフスタイルとして「男子校エッセイ」も描き連ねている。