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娘が突然整形し激高した 元おニャン子クラブ・内海和子の葛藤

2023-02-24 eltha

内海和子(撮影:尾崎大輔) (C)oricon ME inc.

内海和子(撮影:尾崎大輔) (C)oricon ME inc.

 整形への許容がカジュアル化の一途をたどっている昨今。整形を繰り返す若年層もいるなかで、その価値観を受け入れがたい親世代も多いだろう。「整形アイドル」として活動するゆりあんぬ(25歳)を娘に持つ、元おニャン子クラブのタレント・内海和子(55歳)は「親として、今も続いている葛藤がある。胸ぐらを掴むほど叱ったことも…」と振り返る。一方で、整形願望については「一定の理解はできる」とも。いざ自分の子どもが“当事者”となった際、どのような想いを抱くのか。娘が整形した際の苦しい胸の内を、赤裸々に語ってくれた。

整形は事後報告「私が娘の年だったら私もやっていたかもしれない。でも敢えて叱った」

 近年、テレビやインターネットなど、至るところで美容整形の広告を見かけるようになった。中には数千円から数万円で施術できると謳っているものもある。手頃な価格で美容整形ができることもあり、男女問わず、若年層にも浸透しつつあるのが現状だ。

 「私が若かった頃といえば、このアイクリームをつけてマッサージすればキレイな二重の目になる、と切磋琢磨していた時代でした。だけど今はもう少しお金を足せば、メスで永久的に二重になる。じゃあどっちを取るかと言えば、今の子は美容整形を取るんですよ。私も娘と同じ年齢だったら、そりゃあそうだよね、と思います。そんな時代、娘が整形を最初にしたのは、彼女が20歳の誕生日の一週間前。しかも“事後報告”でした」

 その日、娘は母に1枚の写真をLINEで送ってきた。祖母、つまり内海の母と一緒に小籠包を食べている写真で、そこに「二重にしてきたよ」というメッセージを寄せて。内海は激高した。手術の承諾書は内海の夫に、大事なところだけを隠してサインしてもらい、同伴は内海の母。「じゃあ私の立場って何!?」。だが娘が帰宅する前に考えた。今の時代、整形はメイクのようなものだ。私も娘の年だったらきっと同じことをやっている。でも…。

 「今思えば、それが娘なりの精一杯の伝え方だったのかもしれません。娘にとって私は“目の上のたんこぶ”。家族のなかで役割分担があって、娘に雷を飛ばすのはいつも私の役割でした。娘も分かったうえで事後報告してきた。でも、そりゃないでしょと。整形によって、私たちの遺伝子を否定されたような気持ちになりました。ただ、整形自体が悪いとは思ってません。私だってやってみたい。でも私は“親”でもあります。この気持ちを娘にどう伝えればいいか悩みました。最初は大げさなぐらいに猛反発して殴り合い寸前の喧嘩もしました」

 周囲を見回しても、またテレビでいくつかの芸能人を見ても「やってるよね」と気づく。もし自分の母が整形すると言うなら「やっておいで」と言うだろう。だが、わが子がやるのは勝手が違う。「自分の娘じゃなかったら、私もここまで言っていません。当時は『キレイになりたい』という理由だけで、いとも簡単に整形に踏み切る娘の考えが分からなかったんです」。

夫から諭された言葉「娘のような強い美意識や世界観を親が消してはいけない」

娘・ゆりあんぬさんとのツーショット

娘・ゆりあんぬさんとのツーショット

 内海が辛いのは、彼女と娘が似すぎているからでもあった。好きなブランドも同じ。それを追い続けるのも同じ。二卵性親子といってもいいぐらいに娘に自分の姿を見ていた。実際、彼女自身もバブル当時はいい化粧品を買っていた。娘にとっては、そして今の時代では、それが美容整形なだけだ。「ただ、あの子はSNSで整形でもなんでもどんどん暴露していくので、それを叩くアンチも多い。その叩かれたり悪くいわれたりするのを見ると、自分が言われているような気がして“痛い”んです。こういうのを“親子の絆”っていうのでしょうかね」

 2人が好きなブランドはVivienne Westwood。家具やアクセサリーもVivienneで揃えている。ある時、内海が違うブランドのアイテムを買ってきたことがあった。その時、娘からは「世界観を乱さないで」とたしなめられたことがあったという。「主人から、世界観や美意識を親が消しちゃいけない、なかなか持てないものだからと言われたんです」。

 夫の言葉からハッとさせられる気づきもあった。「親だからといって、私が娘の美意識を否定してはいけないと。その人の世界観も、美意識も本来は“自由”であるべきだから」。

 娘は傍から見ると容姿にコンプレックスはなかったように見えた。つまり、コンプレックスの克服ではなく、自分が好きなアニメなどに出てくる美少女や、『下妻物語』の深田恭子のような“美の世界”…自分の“美意識”を追及するがゆえの美容整形だった。

「以前、大学の入学式で髪をピンクにした時も驚きましたけど、その何年後にはピンクや水色といったカラフルな髪色をしている子もいて、それが当たり前になっていた。つまり娘の美意識には先見の明もあるんです。しかも、ピンク色の髪の毛をした人が街に1人でも目についたら“これは流行っている、だからもうやめる”と。真似されるのが嫌で自分の世界観を作っていきたい、と。センスもいいし、ここまで来ると私もぐうの音も出ないというか。以前のように激しくぶつかり合い叱ることは、今はできなくなってしまいました。美意識や世界観のための美容整形も、結局は本人の問題、“美”は“美”です」。

 近年では、カルバン・クラインのアメリカの広告がふくよかな黒人女性になったことも話題になった。やせて目鼻立ちも整っていることが全体的な“美”と決めつける風潮がいまだ根強く、その至上主義には内海も反対する立場だ。

心の中がドス黒く汚れている人は、どれだけ美しい外見でも美しく見えない

内海和子(撮影:尾崎大輔) (C)oricon ME inc.

内海和子(撮影:尾崎大輔) (C)oricon ME inc.

 今では内海が15万円のローラーを使って顔をマッサージしていると「バカだね、美容整形なら15万で1日で永久だよ」と笑い合える。

 「ただ、私が口を酸っぱくして娘に言うのは、お腹の中から出るものや心の中から出るものの重要性。どれだけ外見を変えても、お腹の中が黒かったら、キレイに見えないよ。だから心のデトックスをしてちょうだいって」

 内海は「自分を自分として認めていること、納得していること。それは美容整形では得られない“美”」と語る。
 体の中というのは何も心だけではない。“健康”も重視される。ゆえに内海は家庭料理にとことんこだわる。健康であれば何でもできる。一方で逆だと体も心も精彩を欠く。「ちなみに自分がよければいい、それが“美”というつもりはありません。例えばボディピアス系やタトゥーは日本では偏見にさらされます。やりたいと言われることがあっても、私はそこに“個人的“な線を引いて娘の防波堤になっています。自分が自分に責任を取れること。その上での“美”であればいい。

 そもそも“美”は自由です。私もおニャン子時代、脚が太いなんて言われていましたが、何が悪いのかしらと思っていました。自分の世界観に沿って、これが自分だって堂々とすることも大切。もっともおニャン子時代のその私には、娘は全然憧れないとそっぽ向かれるんですが(笑)」

 整形に対する賛否。親子それぞれに美意識と世界観の相違。世界に目を向ければそれこそ何十億という“美”が存在する。それを他人に押し付ける行為自体、無意味だ。だが「心がデトックスされてキレイじゃなければ、いくら美容整形しても不細工」という言葉からはある種の普遍性が感じられる。今一度、自分自身が“美しい”存在でいられているかどうか。しっかりその“心”に問うてみたい。

※この記事は、eltha by ORICON NEWSとYahoo!ニュースとの共同連携企画です。

(取材・文/衣輪晋一)
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