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“日焼け止め選び”のポイント、基準は「いかに使用し続けることができるか」医師が解説

2023-07-11 eltha

「日焼け止め」は、さまざまな種類が毎シーズン出ている

「日焼け止め」は、さまざまな種類が毎シーズン出ている

 夏の紫外線が気になる季節。「日焼け止め」は必須アイテムだが、SPFの高いもの、コスパのよいもの、化粧下地を兼ねたものなど、種類が多く毎年のトレンドがあるため、どれを選んでよいか迷うことも…。医師の乾 雅人先生は「“負担が少ないものから取り組む”を合言葉に選んでみてほしい」と解説。日焼け止めを選ぶときのポイントを聞いた。

「SPFとPAが最高値のものを使えばいいってこと?」素朴な疑問に解説

 日焼けによる肌のダメージは、シワやたるみを引き起こす原因にもなっている。日焼けの予防方法としては、外出時はできるだけ紫外線を避ける、日焼け止めを使う、美白を目的としたスキンケアを行う…といった方法があるが、特に日焼け止め選びについては、たくさんの商品が発売されているため、どんな基準で選ぶべきか分からないという声も聞かれる。

 パッケージには「SPF50」や「PA++++」など呪文のような言葉が並び、紫外線をどれだけ防げるかが分かるようになっているが、結局は「SPFとPAが最高値のものを使えばいいのでしょ?」と深く考えずに購入するのが例年のパターンになっているという人も多いのではないか。

「紫外線には2種類あり、それぞれUVAとUVBと呼ばれます」(乾医師)。

UVA:長波長紫外線。肌の奥深くまで到達し、シワやたるみの原因となることがある。
UVB:短波長紫外線。主に肌表面に影響を与え、日焼けや皮膚がんのリスクを高める可能性がある。

「肌の老化の8割は“光老化”とも呼ばれ、いかにこの紫外線から身を守るかが課題となっています。日焼け止めは、これらの紫外線から肌を守るための重要なアイテムですが、その効果指標となっているのが、PA(Protection Grade of UVA)とSPF(Sun Protection Factor)の2つです。コンビニやドラッグストアで商品を手にした際に、自然と目にする機会も多いかと思います」(乾医師)。

PA:UVA(長波長紫外線)からの保護効果を示し、+マークの数が多いほどより高いレベルの保護を提供。
SPF:UVB(短波長紫外線)からの保護効果を示し、数字が高いほどより強力な保護を意味する。

「この両方の数値が高いものを盲目的に選んで使用すれば良いかというと、幾つかの注意点が必要です。先ず、日焼け止めは小まめに塗りなおすことが重要とされています。目安としては3時間に1回程度です。タイムスケジュールの通りに完璧にこなすことが出来ずとも、外出前に1回、昼休憩に1回、など、無理のない範疇で習慣化すると良いでしょう。また、アウトドアのイベント事の際には、特別に注意して塗りなおすだけでも効果が期待出来ます」(乾医師)。

日焼け止め、本来の役割は“肌を守ること”

「小まめに塗りなおしをすることが一番大事」と乾医師

「小まめに塗りなおしをすることが一番大事」と乾医師

 「確かにPAやSPFが強力なものは紫外線を阻止する効果は高いですが、本来の目的は肌を守ることです」と乾医師。

「例えば、水で洗い流すだけで落とせる日焼け止めと、クレンジングを使用したり、ゴシゴシこすらないと落ちにくい日焼け止めを比べてみましょう。総合的に見て、肌にとってより負担が少ないものを選ぶ必要があります。最近では、技術革新によって、高い紫外線カット効果を備えながら、肌への負担も少ないものが開発されています。日常使いするものですので、価格帯を比較検討して、より良いものを選ぶ一助になると嬉しいです。

 適切な日焼け止めの使用は、肌の健康を維持し、紫外線によるダメージを最小限に抑えるために欠かせません。日焼け止めを使用することで、シミやしわの予防、皮膚がんのリスクの軽減、肌の若々しさの維持に役立ちます」。

シーンに合わせて…「日焼け止め」の選び方のポイント

 最近の日焼け止めは、化粧下地やファンデーションを兼ねているもの、肌に優しい成分を配合したもの、ローション・スティック・スプレータイプなどテクスチャーも多岐にわたる。基本的には自分の好みにあったものを使用、場合によってはシーンごとに使い分けるのがよいという。

(1)SPF・PA値
短時間の外出には、SPF10〜20、PA+またはPA++程度、屋外でスポーツをするときはSPF30以上、PA+++やPA++++、真夏の炎天下でのお出かけ・レジャー・運動時には、SPF50以上、PA++++のものが適している。

「加えて、やはり、小まめに塗りなおしをすることが一番大事です。衣服による摩擦や、汗などで、日焼け止めが肌からなくなってしまっていたら、意味がありませんから」(乾医師)。

(2)自分の好み・用途に合った形状
化粧下地として、保湿したいときはミルクやクリームタイプ。広範囲に塗りたい時はジェルやローションタイプが伸びよく使える。海や屋外でのスポーツなど汗をかいたり水に濡れる場合はウォータープルーフタイプを選ぶとよい。

(3)敏感肌・お子さんと使う場合
肌への負担が少ないノンケミカル(紫外線吸収剤フリー)か、石鹸でさっと落ちるタイプを選ぶと、落とすときの肌への負担を軽減できる。

(4)試供品を活用
自分の好みといっても、肌に合うか、つけ心地がどうか、香りがイヤじゃないか、白浮きしないかなどは、事前に確認しておくのがおすすめ。試供品サンプルがあるものは、しっかり活用。手の甲に塗るのと顔に塗るのでは、かなり印象が違って見えることも。できればサンプルは顔で試したほうがよい。

「日焼け止めの使用は、いかに早期から、いかに長期に行うかが一番大事です。もちろん、高額商品や高機能商品を適当に使用するよりも、一般的な商品を適切に、日々、使用することの方が有効です。この意味で、経済的な負担感なく、使用し続けることが出来ることも重要です。商品のトレンドとしては、毎年毎シーズン、新しいものが出て飛びつきたくなるかもしれませんが、先ずは、自分自身の身体、肌に合っていると実感できるものを一つ、見つけてみてはいかがでしょうか。その際は、「負担が少ないものから取り組む」ことを合言葉にしてみてください。

 日焼け止めは、肌の健康を守るために必須のアイテム。自分に合ったタイプを選び、しっかりと紫外線から肌を守ることが大切。自分に合うものを見極めよう。
乾 雅人

監修者 乾 雅人

銀座アイグラッドクリニック院長。東大医学部卒。外科専門医資格を取得の後、大学院では臓器移植の研究に従事。細胞の活性化を切り口に、薬液の検証を重ねている。自身が経営する美容クリニックは『自然美の追求』に特化しており、『美養と老化を科学』している。YouTube「Dr.乾 / 〜医の常識を揺さぶる人〜」配信中。

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