手遅れになる前に…黒点から始まる“夏のシミ”、改善ケアを専門医に聞く
2023-07-27 eltha
たとえ日焼け止めを塗ったとしても、汗や水分で流れることも多く、絶えず紫外線に晒される。そのため、日焼け対策を怠るとシミが増える傾向にある。日焼け止めの使用だけでなく、帽子や日傘、UVカットの服など、対策を練ることが大切。さらに、抗酸化ビタミンの多い食事に気を付け、充分な水分補給をすることも重要だ。
・ビタミンC:メラニン生成を抑制する作用がある。レモン、オレンジ、キウイ、カリフラワーやパプリカなどが含まれる。
・ビタミンE:抗酸化作用があり、シミや肌の老化を防ぐ効果がある。アーモンド、ひまわりの種、スピナチ、カボチャなどが含まれる。
・カロテノイド:強力な抗酸化作用を持ち、紫外線から肌を守る効果がある。にんじん、トマト、カボチャなどの赤やオレンジ色の野菜や果物に多く含まれている。
・ポリフェノール:抗酸化作用があり、メラニン生成を抑制する。紅茶、緑茶、ブルーベリー、カカオ、赤ワインなどが含まれる。
とはいえ、どんなに気をつけて対策をしてもできてしまうこともある。ここでは、シミ治療についていくつか紹介する。
・レーザー治療
近年の美容医療では、レーザー治療が主流となっている。特定の波長のレーザー光を用いることで、深部まで照射でき、色素が沈着した部分に焦点を当てることができる。ピコ秒レーザーやQスイッチレーザーなどは、特にシミに効果的な治療法とされている。
・インテンスパルスライト(IPL)治療
レーザーとは異なり、さまざまな波長の光を出力できるIPL治療。色素沈着だけでなく、赤みや毛穴の開きなど、肌の各種の問題を一度にケアができる。多くの波長を含む高輝度光線を発生させることで、メラニン色素を熱し、シミを薄くする。
・化学ピーリング
特殊な薬剤を肌に塗布し、一定時間後に剥がすことで、角質層を除去し肌を新しく再生させる方法です。肌の表面に現れたシミを抑えるのに有効。
・トレチノイン治療
トレチノインはビタミンA酸の一種で、皮膚の細胞新生とコラーゲン生成を促進する力があります。表皮の培養層を刺激し、シミの原因となっている色素細胞の分布を整える効果がある。
・トラニキサム酸治療
トラニキサム酸はメラニン色素の生成を抑制する成分で、点滴や飲み薬、塗り薬の形で使用されます。皮膚の生理機能を正常化し、美白効果を得るための方法として注目されている。
・マイクロニードルRF
毛穴、皺、ニキビ痕などの改善と共に、色素沈着の改善も期待できる治療法。最新の機器で細かいニードルを肌に挿入し、その部位にラジオ波エネルギー(RF)を直接届ける治療法。皮膚の深部にまでエネルギーを送ることで、肌の再生を促進しシミを改善する。
夏のシミは、正しい知識とケアで改善は可能だ。自分の肌に適した治療法やスキンケアを見つけて、この夏は美しい肌を手に入れよう。
監修者 井田雄一郎(いだ ゆういちろう)
2000年、金沢大学医学部医学科を卒業。2001年、東京女子医大第二病院形成外科に入局。その後、大手美容外で院長を務める。2023年、共立美容外科に入職し、浜松院の院長に就任。