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「歯周病」男性よりも女性がなりやすい? ホワイトニングしても“白い歯の口元”に見えない原因にも 

2023-08-25 eltha

 35歳以上の約8割が罹患しているという歯周病。サイレントディジーズ(静かなる病気)と呼ばれ、症状に気づきにくいこと、糖尿病などの全身疾患にも関与することが知られていますが、男性よりも女性の方が悩まされやすい側面があることはご存じでしょうか。女性たち特有の歯周病リスクへの理解と、適切なケアを呼び掛ける第一三共ヘルスケアの担当者に話を聞きました。

血液に乗って全身に運ばれる「歯周病菌」

 歯周病とは、一言で言うと、歯ぐきと歯を支える歯槽骨(しそうこつ)の病気です。歯周病の中でも、歯茎の炎症程度の初期段階を『歯肉炎』と言い、これが進むと、歯周ポケットが深くなったり、歯ぐきが退縮したり、歯槽骨が溶けて歯が抜けてしまう『歯周炎(=歯槽膿漏)』になります。この『歯肉炎』と『歯周炎』を合わせて『歯周病』と定義しています。

 歯周病を引き起こす原因はプラーク。歯の表面に残ってしまった食べ物のカスを餌に細菌が繁殖した、いわば“細菌の塊”です。

「プラーク1mgの中に10億個以上のさまざまな細菌が存在しています。これら細菌の出す毒素が歯ぐきを刺激して歯周病の原因になっていると言われています」(第一三共ヘルスケア「クリーンデンタル」ブランドマネージャー・松田一成さん/以下同)

 この歯周病が厄介なのは、はじめのうちは自覚症状がほとんどないということ。本人が気づかないうちに症状が進んでいき、症状が悪化して初めて『歯周病だったんだ』と気づくことも。さらに、糖尿病や脳卒中、心疾患・心筋梗塞、動脈硬化、肺炎などの怖い全身疾患にも関与することが多くの研究で指摘されています。

「歯周病菌の出す毒素や歯周病菌そのものが、歯ぐきの毛細血管から入り込み、血液に乗って全身に運ばれ、それによって、さまざまな疾患リスクが高まると考えられています」

 知らないうちに進行し、全身の健康状態に悪影響を与える歯周病。男女ともに十分な予防とケアが必要ですが、近年の研究では、歯周病は女性ホルモンとの関係が非常に密接なことがわかってきたと言います。
画像提供/第一三共ヘルスケア

画像提供/第一三共ヘルスケア

「歯周病菌」は女性ホルモンで増殖 3つのライフステージの変化に注意

「歯周病菌の中に女性ホルモンを加えてみると、歯周病菌がどんどん増殖していったという実験結果も出ているようです。ビタミンの代わりに女性ホルモンが菌の増殖を促しているようで、歯周病は男性よりも女性のお口の中でより起こりやすい可能性があります」

 特に注意して欲しいのは、ホルモンバランスが大きく変化する3つのライフステージ、と松田さん。まずは「思春期」。女性ホルモンが作られ始めるこの時期は、月経のたびに歯ぐきが腫れやすくなると言います。勉強などのストレスから免疫力が低下し、歯ぐきが痛むこともあるそう。次は「妊娠・出産」期。妊娠によって女性ホルモンが大量に分泌される上に、つわりで口内環境が悪化しやすくなる時期です。その次は「更年期」。女性ホルモンの分泌は低下しますが、ホルモンバランスの崩れと唾液量の減少から歯周病が進行しやすいとのこと。

 中でも“妊娠中”は、「特に気をつけてほしい」と注意を促します。

「妊娠期は女性ホルモンが通常の10〜20倍になることもあり、歯周病菌の中でも、女性ホルモンによって増殖する歯周病菌(特にPi菌が知られている)が増殖して悪さをしやすい環境になりがちです。妊娠中の女性が歯周病に罹ると、低体重児および早産の危険度が高くなるとされ、その危険率はタバコやアルコールなどよりもはるかに高い数字といわれることも。妊婦の方は、特にお口の中のケアに気をつけていただきたいと思います」

 これらの背景から、第一三共ヘルスケアでは、女性と歯周病の関係について、自社の歯周病対策ブランドの情報サイトにコンテンツを用意し、女性特有の歯周病リスクの啓蒙に努めていますが、さらに「歯周病は健康面だけでなく審美面でもネガティブな要素が」と指摘します。

「歯周病になると歯ぐきがやせ、歯と歯の間の根元部分にスキマができます。ホワイトニングで歯自体を白くしていても、このスキマによって口腔内が暗く見えこともあります。また、歯ぐきが下がることで歯が長く見える、大きく見えるといったお悩みにもつながります」

歯周病セルフチェックと基本の対策

 歯周病はほとんど自覚症状のない病気。それだけに、まず自分は歯周病なのかどうかをセルフチェックする必要があります。

「歯磨きの時に『出血する』というのは要注意です。出血が数日続いていると、歯ぐきに炎症が起きて歯周病になっている可能性が高いです。また『朝起きた時、口の中がネバネバする』『歯ぐきがむずがゆい』なども歯周病の初期症状としてよく言われます。さらに『歯と歯の間にものがよく挟まる』というのは、かなり歯ぐきの状態が衰えていて、歯周病が進んでいる状況だと考えられます」

 こうした歯周病の予防のためには、やはり毎日の歯磨きが重要に。「一日3回歯磨き」に加え、フロス(デンタルフロス・歯間ブラシ)や洗口液が有効と松田さん。

「歯医者さんや歯科衛生士さんにアンケートをとったところ、最もご自身で行っているセルフケアは、歯ブラシ+フロスでした。さらに歯磨きの仕上げに洗口液もおすすめです。洗口液は、使った後に口をゆすぐ必要はなく、殺菌成分などの有効成分が口の中に残った状態のまま過ごせますから、歯肉炎予防に高い効果が期待できます」

 歯周病も初期段階である「歯肉炎」であれば、治すことは可能。しかし進行して歯ぐきが下がったり、歯槽骨が溶けてしまうと、もう元には戻らないと言われています。全身の病気リスクの軽減にもつながる歯周病ケア。同社では、男女ともに20〜30代の若いうちから歯周病ケアを始めることを推奨しています。将来的なQOL向上のためにも、早めのケアを心がけましょう。
歯周病の予防はもちろん歯石沈着の防止やむし歯予防まで、 歯と歯ぐきをトータルにケアする「クリーンデンタル」シリーズ

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