「飲む日焼け止め」本当に効くの? 最新事情と効果的な取り入れ方とは【医師監修】
2023-07-27 eltha

「塗る日焼け止め」とは全く別物? 「飲む日焼け止め」の本当の効果
美容クリニック、レジーナクリニックグループの木村真聡総院長は、「飲む日焼け止めは、いわゆる“紫外線カットアイテム”ではありません」と話す。
「塗る日焼け止めが紫外線を直接カットする作用があるのに対し、飲む日焼け止めは紫外線をカットする効果はなく、紫外線を浴びることによって発生する様々な有害物質を抑えることによって日焼けやシミを予防します。具体的には抗酸化作用や抗糖化作用によって活性酸素などを抑え込み、日焼けやシミの原因であるメラニンが産生されるのを防止します。また炎症を抑える効果もあるので、炎症が引き金になって発生するメラニンも抑制します」
「飲む日焼け止め」の主な成分と働き
・ニュートロックスサン
スペイン産のシトラスとローズマリーから抽出したエキスを組み合わせて開発された成分。高い抗酸化力で、紫外線を浴びた際に体内で発生する活性酸素をコントロールし、シミやシワのリスクを軽減。日焼けによる肌トラブル(赤み、肌荒れ)を抑える炎症抑制効果も。
・フェーンブロック
正式名称は「PLエキス」。シダ植物の一種「ポリポディウムリュウコトモス」から抽出した成分で、「ニュートロックスサン」同様に抗酸化作用・抗炎症作用を持ち、紫外線によるシミや光老化を予防し、炎症や赤みを防ぐ。
「飲む日焼け止め」は紫外線に対する皮膚抵抗を高める健康食品
では「飲む日焼け止め」はどのような人が、どのような目的で服用するのが良いのだろうか。
「UVケアを万全に行うことは実はかなり大変です。塗る日焼け止めを毎日塗る習慣をつけるだけではなく、こまめに塗りなおす習慣をつけることも必要だからです。まずはここが充分できるようになった上で、さらに紫外線対策を行いたいとなった場合に、飲む日焼け止めは良いアイテムだと思います。また、ヒトが酸化する(錆びつく)原因は紫外線だけではありません。日々の生活におけるストレスなど様々な原因が関与していますから、常に身体を内側から綺麗にしておきたい・アンチエイジングをしたいという方にも、飲む日焼け止めを継続して飲むことはお勧めです」
最後に、「飲む日焼け止め」の上手な取り入れ方を木村医師に聞いた。
「飲む日焼け止め」の取り入れ方
・使用方法を守る
成分によって、服用するタイミングや効果持続時間が異なるため、まずは商品の使用注意事項を守って服用。ちなみに、「フェーンブロック」を主成分とする『ヘリオケア』は、紫外線を浴びる30分前に服用、長時間日光を浴びる場合は、4時間後に1錠追加する。
・一定期間、継続して飲む
「飲む日焼け止め」は医薬品ではなく、健康食品の一種。1回飲んだだけでは効果がなく、強い日差しを浴びる予定がない日でも一定期間、継続して飲むことが望ましい。
・外側の日焼け対策も行う
「飲む日焼け止め」単体では、日焼けを防げない。塗る日焼け止めや日傘、服装など、外側からの日焼け対策も必ず併用する。

監修者 木村 真聡
レジーナクリニックグループ総院長。大阪大学医学部を卒業後、同附属病院や一般病院勤務を経て美容皮膚科医として10年以上のキャリアを持つ。2020年5月には、エトワールレジーナクリニック総院長に就任。著書に『すごい美容医療 美容皮膚科医が教える最新美肌術34』(幻冬舎)がある。