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健常児のママと分かり合える? 我が子に障害があると気づいた途端に無視され…複雑な胸中を作品にした想い

2023-09-02 eltha

友達づくりをするママにロックオンされたNEGIさん

友達づくりをするママにロックオンされたNEGIさん

 公園や児童館で、他の保護者と会話をするのが苦痛に感じる…というのは、”親あるある”かもしれません。挨拶はしても、子どもの距離が近づいてくると、「ドキッ」「内心やめてくれー」と思うことも。同じ幼稚園や保育園に通う顔なじみの子であればよいですが、特に親や子どもの基本情報が分からないなかで会話の糸口を見つけるは、難しいケースもあります。知的障害を伴う自閉症の息子さんを育てるNEGIさん(@negiii51)は、就学前の息子さんと公園で遊んでいたとき「今でも思い出してしモヤモヤする経験がある」と言います。公園で保護者と初めての会話するなかで、どんなことがあったのか、当時の話を聞きました。

「全て手探りのなかで育児をするというのが悩みでした」

 知的障害、自閉症の息子さんの育児は、「とにかく不安が大きかった」というNEGIさん。就学前、息子さんに発語はなく、言葉でのやりとりがほぼ不可能な状況。我が子との関わり方にも悩んでいたと言います。

「障害のある方と関わる機会がなかったのと、自閉症という特性を全く知らなかったので、『私なんかに育てられるのだろうか』という不安が大きかったです。問題行動には理由があるとわかっても『なぜその行動になるのか』、本人の気持ちを理解するのが難しいのです。でも可愛い我が子のことなので、検索魔になって必死に調べましたが、結局のところ自閉症には幅広いタイプの特性があるので、息子一人に合うベストな対応策など、明確な答えはなく、全て手探りのなかで育児をするというのが悩みでした」(NEGIさん/以下同)

 息子さんと日々公園に通うなかで「ママ友ってどうやったらできるのだろう」と一度は考えたといいますが、「公園での友達作りは早々と諦めていた」とNEGIさん。同じ場所にいるのがままならなかったり、ひとつの遊具で遊び続けることが苦手だったり、誰かと一緒に遊ぶということもしたがらなかった息子さん。他の親との会話には入らず、息子さんの安全を見守るだけで精一杯でしたが、ある日NEGIさんは「今でもよく覚えているくらい、モヤモヤする」という衝撃的なママに出くわしました。

我が子は眼中になく、自分のことに夢中なママ…初めての会話で衝撃的な対応

 公園にいたのは、話しかけたそうに周囲を見回していたママ。NEGIさんに話しかけようと移動してきましたが、会話が展開されても「期待にお答えできそうにない…」と内心NEGIさんは感じていたと言います。

「そのお母さんは、お子さんのことを全く見ていない方だったんですよ。色々なママに話しかけて、自分のことで必死な感じだったので、我が子のことで必死な私とは真逆なタイプでしたし(笑)。もう話す前から『合わないなー』と思っていましたが、話してみても、やっぱり合わなかった…」

 NEGIさん親子が遊んでいた砂場に子どもを連れてやってきて、「近くに住んでるんですか?」「幼稚園決めてます?」「トイトレって始めてます?」「旦那さんは育児に協力的?」と質問攻めに。子ども同士で話そうとするも、NEGIさんの息子さんは言葉を話せなかったため、その場は気まずい空気が流れました。

 仕方ないと決意したNEGIさんは、息子さんが話せないこと、自閉症であることを伝えると、話しかけてきたママの顔色はみるみる変わっていき、「もう帰ろう」と挨拶もないままNEGIさん親子の前から去ってしまったそうです。

 今思うと、越してきたばかりでなんとか繋がりを得たかったのかもしれないし、動揺して言葉が出なかっただけかもしれないと振り返るNEGIさん。しかしその出来事は心に深く刺さり、「まるで、私たちの存在を消し去ったかのように 避けられた」「理由が何かあったにしても、無視するような人と友達になりたいと思いますか?」と当時の出来事をブログに綴っています。自分の意志だけではなく、自分と相手の思いがあってこそ、友達の関係性が成立する。ママ友同士の関係性は希薄であるとも言われますが、この根本を忘れてはいけないのだと気づかされる体験でした。

「先輩ママとしても教え、助けたい」育児漫画を描く理由

 いまNEGIさんは、ママ友とのコミュニケーションをどのようにとらえているのでしょうか。

「ママ友って、子育てに絶対に必要なものではないので。わざわざ無理してでも作るものでもないし、お互いに余裕ある時にでも巡り合えたらラッキーなんです。

 私達の子育ては本当に毎日が必死で。障害への親族からの無理解や旦那への不満とか、子どものことだけじゃなく多くの悩みを抱えてる方もいます。そこに合わないタイプのママ友の問題も来ると、かなりのストレスがのしかかります。その悩み抱えるくらいなら、日々の生活を楽にするため、自分のメンタル維持のために『無理しなくていいのでは』と思います。それにママ友って『作ろう!』と思って都合よく作れるものではなく、結局は運が大きいですから」

 様々な経験、出会いを経て「同じ障害児ママ(特に育児の先輩ママ)との繋がりは必要だと感じる」とNEGIさん。

「経験談や情報も沢山お持ちですし、アドバイスなど頂けると本当に助かります。先輩ママとしても教えて助けてあげたいって気持ちもあるはずなんです。お互いに助け合えます。

 私も若いお母さんたちに比べたら少し先輩ママにもなったので、育児漫画を描き始めたんです。ちょっとした隙間時間に読んで楽しめたり、共感したり、ホッコリしたり!少しでも誰かの役に立てるものを描いていけたらいいなと考えています」
Instagram:negiii51
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