ホーム ダイエット・ボディケア > まだまだ続く残暑…暑さによる“睡眠の質”低下で腸内環境が悪化? 医師が教える「腸活術」

まだまだ続く残暑…暑さによる“睡眠の質”低下で腸内環境が悪化? 医師が教える「腸活術」

2023-09-17 eltha

 今年の夏は異常気象と言われるほど酷暑に。夏は体温調整が難しく、腸内環境の乱れから体の不調を引き起こすことも。9月に入ってもこの暑さは続くと予想されています。今後も腸の健康を守ることが元気に過ごすカギとなりそうです。赤坂ファミリークリニック院長の伊藤明子先生に「正しい腸活法」について聞きました。

暑さで眠れない…睡眠の質と腸内環境の相互関係

 今年の夏は特に電気代の値上がりの影響から、節約でエアコンを弱くしたりタイマー設定止したりする人も多かったのでは。暑さのため汗をかき、その不快感で睡眠の質が下がる恐れもあります。

 伊藤先生によると、睡眠の質が低下すると腸内環境が悪化、腸内環境が悪化すると睡眠の質が低下する、という相互関係があると言います。
「腸内細菌と睡眠の研究は近年盛んに行なわれており、トリプトファンやセロトニンなど生理活性物質が影響している、腸内細菌の代謝物が関わっていることを示す様々な研究が発表されています。また、腸内細菌が時計遺伝子と関わりがあり、概日リズムを形成していることを示す研究もあります」(伊藤先生/以下同)

 最近の研究では、睡眠時間が短いほど、「αディフェンシン」という小腸で働く抗菌物質の分泌量が低く、腸内環境が悪化していることがわかりました。 αディフェンシンの分泌量が少なくなると大腸の機能が低下することがわかっています。

 さらに、ヒトは気温が高くなると汗をかいて、体温を調整します。汗は水分だけでなくミネラルも含んでいます。
「代表的なのはナトリウムやカリウムで、熱中症予防の飲料には必ずナトリウムが入っています。しかしそれだけではなく、鉄や亜鉛も、汗によって流れ出てしまいます。鉄は酸素の運搬に、亜鉛はタンパク質の合成など生体反応に関与している重要なミネラルです」

 腸内環境が悪化していると、ミネラルの吸収力が低下し、自律神経の乱れや脱水症状などの体調不良を促進します。
「食事から摂った栄養素は主に小腸で吸収されます。“腸活”で小腸の吸収力を整えておけば、汗で流れ出た不足分を補うことができます。腸活は大腸に注目されがちですが、小腸と大腸はつながっていて両方含めて腸活です」

腸活で善玉菌を増やすには? 食物繊維な「穀物」が効果的

 “腸活”とひと言で言っても、どうおこなったらよいのでしょうか。

、伊藤先生がオススメするのは「善玉菌に有効なエサを与える」方法。善玉菌のエサとは食物繊維ですが、何でもいいというワケではありません。善玉菌が増えて、元気になるエサでなければなりません。さらに、腸内細菌にもエサ好みがあるようです。

 善玉菌が代謝物を出すためのエサは発酵性食物繊維、中でもアラビノキシランとβグルカンは有効性が明らかになっています。βグルカンは、肥満、生活習慣病、認知症など関連があることがわかっているそう。
「βグルカンは、大腸の入り口から真ん中にかけて棲んでいる善玉菌のエサとなり、アラビノキシランは 奥に棲む善玉菌のエサになることから、両方摂ることが腸活には重要です」

 そんな善玉菌のエサとなるのは「発酵性食物繊維」。食物繊維というと野菜を想像しますが、実は豊富に含まれているのは「穀物」なんだとか。
「日本人の食物繊維の平均摂取量は1日15g、国が目標値として推奨されている摂取基準は18gです。本当は24gが望ましいのですが、目標が高すぎるとのことで18gになっているのです。足りない食物繊維を発酵性食物繊維で補うには穀類がおすすめです。穀類の中でもβグルカンが豊富に含まれるのはオートミール、アラビノキシランが豊富に含まれるのは小麦ブランです」

暑いからと言って冷たいものばかりはNG オートミールor小麦ブラン+タンパク質

 暑い日は冷たいものを食べがち。栄養バランスが偏り腸内環境を悪化させる原因にもなります。繊維が少ない食事になってしまうと、善玉菌のエサである食物繊維が不足し、元気がなくなります。

 また、そうめんや冷やしうどんなど炭水化物に偏ると、タンパク質も不足します。オートミールや小麦ブランと相性のいいタンパク質を組み合わせた食事を心がけると、腸内環境も良くなるそう。
「忙しい人は、 小麦ブランシリアルにプロテインパウダーをかけるだけでOK。高たんぱくのヨーグルトをかけて、スイーツとして食べればタンパク質を一緒に摂ることができて、暑い日や食欲がない日でも食べやすい一品になります。オートミールは、カレーやお茶漬けの際など、ごはんの置き換えにアレンジして楽しむこともできます」
伊藤明子先生

監修者 伊藤明子先生

小児科医。赤坂ファミリークリニック院長。公衆衛生の専門医。NPO 法人 Healthy Children, Healthy Lives 代表理事。東京大学医学部附属病院 小児科 医師。東京大学大学院医学系研究科公衆衛生学/健康医療政策 客員研究員。

Facebook

関連リンク

あなたにおすすめの記事

おすすめコンテンツ


P R
お悩み調査実施中! アンケートモニター登録はコチラ

eltha(エルザ by オリコンニュース)

ページトップへ