ホーム お悩み&コンプレックス > 「乳児湿疹」は放っておけば治るって本当? 慢性化する「アトピー」との見分け方と予防策をアレルギー医が解説

「乳児湿疹」は放っておけば治るって本当? 慢性化する「アトピー」との見分け方と予防策をアレルギー医が解説

2023-11-12 eltha

 赤ちゃんの肌はとてもデリケートで、湿疹やかゆみなどのトラブルに悩まされることがあります。特に、乳児湿疹とアトピー性皮膚炎は、よく混同されがちな症状ですが、実は原因や特徴、対処法に違いがあります。乳児湿疹は、適切なケアを行えば自然に治ることが多いですが、放っておくとアトピー性皮膚炎になりやすい状態になってしまいます。本記事では、乳児湿疹とアトピー性皮膚炎の違いと関係について、アレルギー医の続木康伸さんが解説します。

乳児湿疹とアトピー性皮膚炎の違い

 乳児湿疹とアトピー性皮膚炎は、どちらも赤ちゃんの肌にできる湿疹ですが、以下のような点で異なります。

発症時期
乳児湿疹は生後2週間から6ヵ月頃までに多く見られますが、アトピー性皮膚炎とは厳密に区別することができません。乳児では2ヵ月以上続いた場合、アトピー性皮膚炎という診断になります。

原因
乳児湿疹は母親から受け継いだホルモンや皮脂分泌の影響、乾燥や刺激などによって起こりますが、アトピー性皮膚炎は遺伝的な素因やアレルギー反応、外部刺激など様々な要因が関係しています。

症状
乳児湿疹は顔や頭皮、首のしわなどに赤いポツポツや黄色いかさぶたなどの湿疹ができますが、アトピー性皮膚炎は頭や顔から背中やお腹、手足にかけて強いかゆみを伴う赤みや湿疹が広がります。

経過
乳児湿疹は適切な保湿ケアを行えば自然に治っていくことが多いですが、アトピー性皮膚炎は良くなったり悪くなったりを繰り返し、慢性化します。

乳児湿疹とアトピー性皮膚炎の見分け方

 乳児湿疹とアトピー性皮膚炎は、見た目だけでは厳密には判断できません。特に生後6ヵ月までは、乳児湿疹と診断されても、実際はアトピー性皮膚炎である可能性もあります。そのため、以下のような点に注意して見分ける必要があります。

湿疹の出現場所
乳児湿疹は顔や頭皮に限定されることが多いですが、アトピー性皮膚炎は全身に広がることが多く、左右対称に出ることも特徴的です。

かゆみの有無
乳児湿疹はかゆみがあまりないことが多いですが、アトピー性皮膚炎はかゆみを伴うことが多く、かきむしったりすることが多いです。

湿疹の経過
乳児湿疹は生後6ヵ月頃までに自然に治ることが多いですが、アトピー性皮膚炎は生後6ヵ月以降も続くことが多く、未治療の場合、多くは成人でも症状が持続します。

乳児湿疹とアトピー性皮膚炎の予防と治療法

 乳児湿疹とアトピー性皮膚炎の予防と治療法は、基本的には同じです。以下のような対策を行ってください。

保湿
赤ちゃんの肌は乾燥しやすいので、沐浴後にワセリンやベビーローションなどの保湿剤を塗って肌の水分を保ちましょう。保湿することで、肌のバリア機能を高めて外部刺激から守ることができます。

清潔
赤ちゃんの肌には汗やほこりなどの汚れが付着します。これらの汚れが湿疹やかゆみの原因になることがあります。お風呂で体を洗う際には、泡立てた石鹸で優しく洗い流しましょう。また、衣服や布団も清潔にしておきましょう。

受診
自宅でのケアだけでは改善しない場合や、湿疹が広がっている場合は、アトピー性皮膚炎の可能性が強いです。小児科や皮膚科を受診しましょう。

 乳児湿疹とアトピー性皮膚炎は、赤ちゃんの肌にできる湿疹ですが、原因や特徴、対処法に違いがあります。本記事では、乳児湿疹とアトピー性皮膚炎の違いと関係について、専門家の見解をもとに解説しました。赤ちゃんの肌トラブルを正しく理解し、適切なケアを行うための参考にしてください。
医療法人社団蓮桜会理事長/アルバアレルギークリニック院長・続木 康伸

監修者 医療法人社団蓮桜会理事長/アルバアレルギークリニック院長・続木 康伸

教養バラエティ番組『カズレーザーと学ぶ。』(日本テレビ系)出演、『保湿を変えれば、アトピーは治せる』(学研)著者。
http://alba-allergy-clinic.com/

Facebook

関連リンク

あなたにおすすめの記事

おすすめコンテンツ


P R
お悩み調査実施中! アンケートモニター登録はコチラ

eltha(エルザ by オリコンニュース)

ページトップへ