周囲に相談しづらい…デリケートゾーンの“黒ずみ”、専門医に聞く対策「下着の素材やサイズも原因に」
2023-12-15 eltha
下着の締め付けや座りっぱなし、妊娠や加齢によるホルモンバランスの変化も原因に
(1)メラニン色素の沈着:陰部は摩擦や刺激によってメラニン色素が生成されやすい部位です。下着や生理用品、ムダ毛処理などによって皮膚が傷ついたり炎症を起こしたりすると、メラニン色素が過剰に分泌されて肌に沈着し、黒ずみができます。また、妊娠や加齢によって、女性ホルモンのバランスが変化すると、メラニン色素の生成が促進されることもあります。
(2)血行不良:陰部は血行が悪くなりやすい部位です。下着の締め付け、座りっぱなし、冷えなどの原因で血流が滞ると、肌の代謝が低下し、老廃物が排出されにくくなります。その結果、肌がくすんだり黒ずんだりすることがあります。
(3)角質の増加:陰部は皮膚が薄くデリケートな部位ですが、同時に角質層が厚くなりやすい部位でもあります。角質層が厚くなると、肌の表面がざらついたり、色素が沈着したりすることがあります。また、角質層が厚くなると、美白成分などの有効成分が浸透しにくくなり、黒ずみの改善が難しくなります。
下着の素材やサイズ、ムダ毛処理といった日常生活の見直しも必要
(1)下着は綿などの通気性の良い素材で、サイズが合っているものやゆとりがあるものを選びましょう。
(2)ムダ毛処理はカミソリや毛抜きなどの刺激の強い方法は避け、ワックスやクリームなどの刺激の弱い方法を選び、処理後は保湿や消毒を行いましょう。
(3)お風呂では、ゴシゴシ洗わずに優しく洗いましょう。また、石鹸やボディソープは刺激の強いものは避けましょう。
(4)生理用品やおりものシートはこまめに替えましょう。また、肌に合わないものは避けましょう。
(5)血行を良くするために、適度な運動やマッサージを行うのも良いでしょう。また、冷えや便秘を防ぐために、バランスの良い食事や水分摂取を心がけましょう。
また、市販のデリケートゾーン専用のケアクリームを使用するのも良いでしょう。これらのクリームには、メラニンの生成を抑える美白成分や、肌のターンオーバーを促進する保湿成分、炎症を抑える抗炎症成分などが配合されています。婦人科や皮膚科では、黒ずみの原因となる病気や炎症の有無を診断し、必要に応じて薬やクリームなどの処方も行っています。
しかし、なかなか黒ずみが消えない場合は、美容クリニックや婦人科形成の専門医に相談するのも良いでしょう。レーザーや手術によって黒ずみ部分を除去したり、色素を薄くしたりすることができます。レーザー治療は、痛みやダウンタイムが少なく、短期間で効果が得られ、手軽に受けられます。治療法は、部位や症状、希望によって異なります。婦人科形成は、根本的な解決や改善につながるので、専門医に相談してみるのも良いでしょう。
「IPLやレーザー治療があります。その他には、ハイドロキノンというメラニン色素の産生を阻害する塗り薬もおすすめです。ハイドロキノンは高い美白効果がある代わりに、アレルギーや乾燥などの副作用がある場合があります。低リスクで効果的に使用するために、美容クリニックや皮膚科で処方してもらいましょう」(共立美容外科・遠山貴之さん)
病気ではないので、必ずしも医療機関で相談する必要はありませんが、心理的なストレスを感じたり、性生活に支障をきたしたりする場合は、専門医に相談することをおすすめします。
監修者 遠山貴之(とおやま たかゆき)日本美容外科学会認定専門医/麻酔科専門医
1997年、順天堂大学医学部卒業。1997年、順天堂大学医学部付属病院・麻酔科に入局。2006年、共立美容外科・歯科に入局。2020年、共立美容グループ・総括副院長に就任。