体幹を支える「骨盤底筋」、若いうちは9cm、衰えると3cmに! 女性の骨盤底筋を詳しく見てみると、本当に
複雑にできていることがわかります。次の図は女性の骨盤底筋を下から見たところ。自分の体に置き換えて想像してみてください。すごいでしょう?
骨盤底筋は、排泄や性交の時の感覚からわかるように、尿道、膣、肛門を引き締めたり緩めたりしています。その証拠に、筋肉の一部が肛門で一周、尿道と膣で一周していて、
8の字型を描いていますね。女性の骨盤底筋の面積は120〜150平方cmくらいで、若い女性なら
9cm程度の厚みがあると言われます。9cm! そんなに厚いとはびっくりです。
骨盤底筋を横から見てみると、
3層構造になっていることがわかります。
いちばん深いところ、内臓側にあるのが骨盤腔内の臓器の間を埋める
「内骨盤筋膜」。次の層は骨盤内の臓器を持ち上げて支える
「骨盤隔膜」、いちばん浅い表面の層、つまり下側から手でも筋肉の動きが感じられるのが
「尿生殖隔膜」です。それぞれの層はさらに細かな筋肉で構成されており、とても複雑な構造となっています。
これら3層は、尿道、膣、肛門を収縮させるほかに、腹腔内のインナーユニットと協調して、
体幹を安定させる役目も果たしています。骨盤底筋が
ダメージを受けたり、
衰えてしまったりすると9cmもあった骨盤底筋は、わずか
3cmほどに薄くなってしまうのだそう! さまざまな不具合が出てくるのもわかります。
「特に日本は、昔に比べて骨盤底筋が
早く衰えてしまうライフスタイルになっています。昔は畳の生活、和式トイレ、床の雑巾がけ、草むしりなど、しゃがむという行動、歩く時間も長く、日常生活そのもので骨盤底筋が鍛えられていました。
現代人は便利な家電や交通機関、デスクワーク、椅子に座る生活によって、衰えるのも早くなっているんですよ。しかも昔は、骨盤底筋に弾力のある若いうちに出産するので、ダメージを受けても回復が早かったのですが、現在のように
30代40代の出産では、産前産後のケアが必要でしょう」(kyo先生)