好きなことだけをする。「徹子の部屋」は放送開始から約40年経ち、「同一司会者によるトーク番組最多放送」の
ギネス世界記録に認定され、「世界・ふしぎ発見!」も1986年にスタートして以来毎回登場。それらテレビでの活躍のほか、年に一回のペースで舞台の公演を行い、1984年から
ユニセフ親善大使を務めたり、日本で初めてのろう者の劇団を支援する
社会福祉法人「トット基金」を設立するなど、徹子さんはどの仕事も精力的に、長く続けています。
特にユニセフの活動はボランティアという気持ちからではなく、“どんな場面に遭遇しても、「イヤだなあ、つらいなあ」と思ったことはない”のだそう。長く続けられる理由は、
無理をしないこと。医者から死ぬまで病気をしないためには、
「好きなことだけをやって、生きていきなさい」と言われて以来、進んでやりたいと思うことだけを選んできたからなのだとか。
「仕事をするうえで大切なことは、どんな仕事であれ、
「自分で選んだ」と納得することね。そうしたら、何か嫌なことがあっても、「自分で選んだ道だから」と思って、人のせいにしないですむでしょう? あとは、仕事には早く慣れた方がいいけれど、世の中とか、世間一般の常識には、慣れない方がいいように、私は思います。「きっと世の中こんなもんだろう」と思い込まないことね。常に、
自分自身の視点で、物事を見るようにした方がいいんじゃないかしら」(『徹子さんの美になる言葉』より引用)
ご紹介できたエピソードはほんの一部。そのほかにも、毎日ヒンドゥースクワットを50回とウォーキングを続けて、元気で仕事を続けるための
体力作りをしていたり、仕事への姿勢も知れば知るほど頭が下がります。ご紹介した本の中には現在手に入りにくいものもありますが、繰り返し書かれているエピソードも多いので、まずは最新刊の『トットひとり』から手に取ってみては? 徹子さんのエッセイには、魅力的に生きるヒントが詰まっています。
(赤木真弓)