hanaさんのお料理による食卓会梅しごとを終えた後は、宮崎県の郷土料理である
「冷や汁」をみんなで協力して作りました。
すり鉢で
ごまを5分ほど擦り油が出てきたら、
麦味噌を加えてさらによく混ぜます。
昆布だしを少しずつ加えて溶き混ぜた後、塩揉みした
キュウリ、焼いてほぐした
アジの干物、輪切りにした
ミョウガ、みじん切りにした
ネギを加え、最後に香りを立たせるために
大葉を手でちぎって加えます。
冷や汁の食べ方は、ごはんに
少しかけてその部分を食べ、またかけて食べる、を繰り返すのが正解。一気にかけて食べると
味が薄まってしまうからだそうです。「ごまを擦るのがちょっと手間ですが、自分で頑張って擦っただけの価値のある食べ物だと思います。これからの暑い夏におすすめですよ」。
その他にも、マメアジの南蛮漬け、小松菜と油揚げの煮浸し、タコの実山椒とクレソンの和え物、トマトと大根おろしの甘酢和え、豚肉のマーマーレード煮、ポテトサラダ、ナスとホタテの梅肉ソース和え、鶏肉の特製から揚げなどなど、旬の素材によるhanaさんの手料理がたくさんテーブルに並び、つくり方を伺いつつ美味しくいただきました。
特別なお料理はほとんどありません。どれも
旬の素材を使って
シンプルに、
丁寧に作られた、馴染みのあるものばかり。そんなhanaさんのお料理を味わっていると、日本ならではの風土や文化が培ってきたふだんの食卓にあるお料理を、もっと大切にしないとなぁという想いが溢れてきました。
受け継がれてきた食文化を伝えたい以前は空間デザイナーとして超多忙な日々を送っていたhanaさんですが、食のことや日本伝統の行事などがおろそかになっている日々にふと耐えられなくなり、料理の道へ。日本料理店での修行を経て、現在はご自宅にて料理教室を開催。また『食卓をつなぐ会』代表として6人のメンバーとともに、料理の素晴らしさはもちろん、幼い頃から慣れ親しんできた
日本のよき食の伝統や文化を伝える活動をしています。
「私は料理研究家ではなくて、料理を伝えているだけ。
伝承する仕事をしているんです。だからイベントや教室を通してみなさんにお伝えしたことを、今度は
誰かに伝えていってもらいたい。そしてそれがどんどん広がって、
日本の素晴らしい食卓文化がこれからの時代にも
つながっていって欲しいと願っています」。
(石野祐子)