ウーマンエキサイトをご覧のみなさまピンキーです。
今年の夏休みは夫と息子、私、そして両親と一緒に温泉旅行へ行ってきました。
両親と一緒に旅行するのは、私が小学生のときに行ったのが最後だったので、本当に何十年ぶりという感じです。
もともと、母は父と一緒に旅行することを夢見ていました。
■老後の旅行を夢見ていた母老後はいろんな場所に行きたいと、母は常々言っていました。
しかし、父は仕事と趣味でとても忙しい人でした。
今は行く時間がないけれど、もっと年を取れば落ち着く日が来るだろうと、母は信じていたのかもしれません。
そんな矢先、父が脳出血で倒れました。
一時はどうなることかと思いましたが、右半身まひはあるものの、リハビリをがんばり、今はつえをついて歩けるほど回復しました。
母は老後は旅行することを夢見ていたのに、「こんなになって!」と、よく言うようになりました。
確かに、父と母と2人で旅行するのは、大変かもしれません。
でも、私と夫と息子がいれば、きっと何とかなるはず。
そう思い、試しに車で1時間半ほどの場所へ、温泉旅行することになったのです。
父が一緒なので、あまり予定を詰め込みすぎず、ほどほどに観光をして、ホテルでゆっくりできるように計画を立てました。
問題はホテルのお風呂場でした。最初、母は部屋のお風呂で父の入浴介助をすると言っていたのですが、シャワーチェアもなく、湯船はどうにも狭く高さもあったため、お風呂に入るのは難しかったのです。
それなら、大浴場の方がむしろ入りやすいのでは? と考えました。
まずは夫と息子、私が大浴場へ偵察に行きました。
息子とは今までにも旅行したことがありましたが、まだ小さかったこともあり、入ったのは家族風呂くらいで大浴場は息子にとって初めての経験です。
■家族で楽しい時間が過ごせた夫が付き添ってくれることになり、父は無事、温泉に入ることができました。
露天風呂から出るときに、父が少しふらついてしまい、夫が支えようとしたとき、知らない方もとっさに支えてくださったという、心温まるエピソードも聞きました。
とてもありがたいです。
母は露天風呂に入ったことがなく、露天風呂がどういうものかも知らなかったとか。
テレビなどで見たことがあると思うのですが、温泉に興味がなかったようで、「気に留めたことがなかった」と言います。
母は面倒くさいようで大浴場へ行きたがらなかったのですが、私と露天風呂を気に入った息子がおすすめしたので、重い腰を上げて朝風呂へ行きました。
初めて露天風呂に入った母は、「肌がすべすべになった! もっと入っておけばよかった!」と言うくらい、露天風呂が気に入ったようです。
人とお風呂に入ることが苦手とか、温泉自体が苦手な方もいらっしゃると思いますが、母はそういうわけではなかったので、すすめてよかったと思いました。
ただ、部屋と大浴場はすごく分かりやすい場所だったのですが、母は大浴場から戻る途中、迷子になって、やっと戻ってきたとのこと…。
今回、父や息子も一緒でしたし、タイミングが合わなかったのですが、タイミングを合わせて私が母に付き添えばよかったな、と思ったのでした。
少し反省点もありましたが、家族で楽しく過ごせた良い旅となりました。母の旅行へ行くという夢が叶って、私も安心しました。
そもそも、父は仕事や趣味で忙しく過ごしていた人だったので、きっと病気をしていなかったら、こんな風に一緒に旅行することは、なかったのではないかと思います。
少なくとも、母が露天風呂に入ることはなかったでしょう。
私が子どもの頃も、家族旅行というのは何度かありましたが、ホテルの客室にある小さなお風呂にしか入った記憶がありません。
ホテルに大浴場などがあったのかどうかは分かりませんが、母はあまり興味がなかったのだと思います。
父が病気になったことは決してうれしいことではありませんが、もっと父と過ごしたい、と思った母の願いは叶ったわけで、
すべてが悪いことではなかったのかな、とも思えます。母は「また旅行に行きたい、もっと遠くにも行ってみたい、弟夫婦と一緒に船の旅をしたい」など夢が広がっているようです。
これからも、夢を現実にしながら、楽しく過ごしてもらいたいですね。
(pinky)