自分にあう痩せ方を見つける『マイダイエットメソッド』を主宰しています、管理栄養士で、おうちごはん研究家の金丸利恵です。
カウンセリングをしていると、
ダイエット中の外食に、
寿司を選ぶ方が多いと感じます。ご家族と一緒のとき、お子様は回転寿司を喜びますし、ご自身は食べる量も調整でき、和食で低カロリーに抑えることができる、というイメージがあるようです。実際にお寿司はダイエット中に向いているか、
メリットとデメリットを見ていきましょう。
■ダイエット中に外食で寿司を選ぶメリットとデメリット<メリット>
・低脂質で高たんぱく質な食材が多い刺身がメインのため、揚げ物や肉料理に比べてカロリーが低く、高たんぱく質です。特に、マグロの赤身やヒラメ、タコ、イカ、エビなどは低脂質で高たんぱく。
ダイエット中も安心して食べられます。
・不足しがちな魚介類を食べることができる魚介類にはオメガ-3脂肪酸(EPA、DHA)が豊富で、脂肪燃焼を促進したり、高くなってしまった
LDLコレステロールの低下に繋がります。下処理が大変、レパートリーが少ないなどで、普段食卓に上がりにくい魚介類を美味しく食べることができます。
・量を調整することができるオーダーする店や回転寿司では、食べる量を調整することができ、カロリーコントロールに役立ちます。好きなネタをゆっくり食べることで満足度も高まります。
<デメリット>
・糖質が多いシャリ(酢飯)には砂糖が含まれており、お店のすし酢の配合により異なりますが、一般的に
1カンあたり約5〜8gの糖質があります。卵焼きやアナゴなど甘めのネタだとさらに糖質が多くなります。
・塩分が多い酢飯には塩分も含まれており、さらにしょうゆをつけて食べるので塩分が過剰になりがちです。またいくらや数の子、アナゴ(タレ付き)は塩分が高めのネタになります。寿司を食べたあとに、喉が渇いてお茶ばかり飲んでる、ということはありませんか?
塩分摂取が多いと、身体は水分を多く欲し、
むくみの原因になりやすいです。
・栄養バランスがとりにくい寿司屋は
野菜料理が少ないと思いませんか?バリエーションが豊富な回転ずしですらも、うどんや揚げ物、スイーツは充実していますが、お浸しや酢の物、野菜の多い汁ものなどは、あまり見かけることができません。たんぱく質と糖質が過剰になりがちで、バランスが良く食べるには難しいです。
■ダイエット中に攻略したい回転寿司の食べ方一人でもグループでも利用しやすく、量や好みに合わせて選べる回転寿司店。今回はダイエット中に気をつけたい、回転寿司店での食べ方や選び方をお伝えいたします。

1.食べる量を決める
お店によって異なりますが、一般的にシャリの量は、
1カンあたり15〜20g程度です。10貫食べると、ご飯量は150g〜200gになります。性別、活動量、目標摂取カロリーにもよりますが、一食分のご飯量としては適正なので、
ダイエット中は10カン程度を目安にすると良いでしょう。
ネタは、握り、軍艦、巻物、そしてお店の特色により様々ですが、マグロ、ハマチなどの切り身は、握り1つで10g前後です。
10カン食べたら魚を100g食べることができるので、たんぱく質量としても、ちょうど良いのかなと思います。
2.アオサの味噌汁とガリ生姜をプラスする
回転寿司のネックは野菜、海藻、きのこなど、副菜に使われる食材が少ないこと。
サイドメニューは豊富ですが、天ぷらやフライドポテトなどの揚げ物や、うどんなどが多く、
炭水化物と脂質量がオーバーしてしまいます。
そんな中、食べてもらいたいのが、アオサの味噌汁。アオサは
マグネシウムというミネラルを豊富に含み、インスリンの働きを良くして、糖の代謝を改善します。さらに温かい汁物が入ることで満足感が増しますし、歯応えのあるガリ生姜を間に挟むと、お寿司の食べ過ぎを予防することができます。
3.創作系のネタはカロリーに気をつけて
脂ののったトロやサーモン、甘いタレのかかった穴子などは、
カロリー高めのネタですが、抗酸化、抗炎症作用の高い不飽和脂肪酸のDHA、EPAが豊富です。体内の脂質バランス的にみても、積極的に取りたい食材ではあります。
それよりも、マヨネーズで和えたネタや、天ぷらに甘辛いタレがかかったもの、脂身の多い焼肉をのせたものなど、
創作系の寿司のほうが、
注意が必要です。動物性脂肪や、植物油、マヨネーズなどのω6系脂肪酸など、日常生活で過剰になりがちな油を摂取することになるからです。ネタのカロリーにこだわるより、シンプルな調理法のお寿司を選ぶようにしましょう。
4.食後のデザートは果物を
回転寿司はデザートも豊富で魅力的なのですが、ダイエット中は、
できればパスしましょう。しかし、甘みと塩味のある酢飯を食べた後は、甘いものが食べたくなることが多いようです。どうしても、という場合は、
果物を食べてみては?果物に含まれるカリウムは、塩に含まれるナトリウムの排泄を助け、むくみの解消にもなります。キウイ、バナナ、サクランボ、メロン、柿、桃、いちご、ライチなどはカリウムが豊富ですよ。
5.他の2食で野菜、海藻、きのこを多めに食べる
回転寿司店でバランス良く食べる、というのはなかなか難しいもの。他の2食で
不足しがちな食材を補いましょう。ビタミンとミネラル、食物繊維が補給され、バランスが整います。蒸し野菜やサラダ、具沢山汁などをおかずに取り入れてください。
■自宅で砂糖なしの酢飯を作ってみよう
基本のすし酢(米2合分)の分量は以下です。
酢:大さじ4(60ml)
砂糖:大さじ3(27g)
塩:小さじ1(6g)
ちらし寿司は1人前で酢飯が約200g程度が目安です。上記の分量で作ると、酢飯そのものに9〜10g程度の砂糖が含まれます。さらにちらし寿司に混ぜ込んである、しいたけやニンジンなどの具材も甘く煮つけるので、砂糖の量がけっこう多くなるのです。
そこで、今回は
砂糖を使わずに、甘みがあり美味しく食べられるちらし寿司をご紹介します。
ポイントは以下の4つ。
1.酢飯に混ぜ込む具材を、やや多めのみりんで煮て、甘みをつける。
2.酢飯に混ぜ込む具材に切り干し大根や高野豆腐を使い、自然の甘みを引き出す。
3.具材を多くし、ごはん量を減らす。乾物の食感がいいので、満足度もアップ。
4.酢飯は、砂糖も塩も使わず、酢だけを混ぜる。
ちらし寿司は、甘辛く煮た具材を混ぜ込みますが、砂糖を使わなくても、乾物の甘みで充分甘みがでます。しょうゆも入れて煮込んでるので、酢飯に塩を入れる必要もありません。
砂糖と塩分をカットすることができます。調味料ありきでなく、引き算して試してみると、意外と美味しくできますよ。ぜひ試してみてください。
■「乾物のうま味が美味しい!砂糖不使用のヘルシーちらし寿司」の作り方【材料】2人分 調理時間35分(炊飯の時間は除く) レシピ制作:金丸利恵
乾物のうま味が美味しい!砂糖不使用のヘルシーちらし寿司
【材料】(2人分)<酢飯>
ご飯(硬めに炊いたもの) 280g
酢 大さじ 2
<寿司の素>
高野豆腐 1/2個
切干し大根 10g
ニンジン 2cm(20g)
干しシイタケ(スライス) 5g
水 大さじ 5
しょうゆ 小さじ 2
みりん 大さじ 2
<トッピング>
マグロ 50g
しょうゆ 小さじ 1
練りわさび 小さじ 1/4
卵 1個
菜種油 小さじ 1/2
刻みのり 2g
白ゴマ 少々
【下準備】
1、干しシイタケに分量の水を入れて戻す。柔らかくなったら絞ってみじん切りにする。戻し汁は取っておく。

2、高野豆腐は水で戻す。絞って細かく切る。
3、切干大根は水で戻し、柔らかくなったら絞ってみじん切りにする。
4、にんじんはみじん切りにする。
【作り方】
1、耐熱容器に、高野豆腐、切干大根、にんじん、干しシイタケと戻し汁、<b>を入れて、混ぜ合わせる。ラップをかけ、600Wの電子レンジで4分加熱する。

2、ごはんに酢を入れ、混ぜ合わせる。

3、荒熱が冷めた(1)を入れてさらに混ぜあわせる。

4、厚焼き玉子を作る。卵を割りほぐす。卵焼き器を中火にかけ、油をしく。1/3量の卵液を流し、巻く。1/3づつ卵液を加え、厚焼き玉子を焼いたら、まな板に取り出す。ラップか巻きすを巻いて形を整える。荒熱が冷めたら1cm角のさいの目切りにする。

5、マグロをさいの目切りに切り、しょうゆにワサビを溶かしたもので和える。

6、器に(2)を盛り、刻み海苔を散らす。上に(4)の厚焼き玉子と(5)のマグロをのせ、白ごまを振る。

栄養成分(1人分)
エネルギー 419kcal
タンパク質 19.3g
脂質 7.5g
炭水化物 68.1g
食塩相当量 1.6g
?食品成分データベース(金丸 利恵)