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マックにモス大手続々 バーガーチェーンにトクホ飲料導入のワケ

2018-02-24 10:00 eltha

 マクドナルドとモスバーガー、ロッテリアの大手ハンバーガーチェーンで、特定保健用食品(トクホ)「サントリー 黒烏龍茶 250 ml 紙パック」の販売が20日より始まった。世界的モデル、ミランダ・カー(34)がとんかつを頬張るCMで、「脂肪の吸収を抑えて、体に脂肪がつきにくい」というコピーでおなじみの、あのドリンクだが、サントリーでは同日より、女優・中条あやみ(21)を起用した新CMを展開。“黒 LOVES BURGER”をキャッチコピーに、バーガーと黒烏龍茶の相性の良さをうたう。バーガーとトクホ飲料、一般的に両極のイメージもある両者が、なぜタッグを組んだのか。各社導入の思惑を探った。

20日より始まった「サントリー 黒烏龍茶」新CM。中条あやみがハンバーガーマンとミュージカルを共演する

20日より始まった「サントリー 黒烏龍茶」新CM。中条あやみがハンバーガーマンとミュージカルを共演する

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■ユーザーアンケートがきっかけとなったマクドナルド

 今やハンバーガーの代名詞ともいえるマクドナルド。消費者の声を大切にすることでも知られ、近年ではツイッターなどを通して、新メニュー開発など様々な要望を拾い上げている。

 そのハンバーガーのお供といえば、これまでは炭酸飲料を筆頭としたソフトドリンクだったが、今回の「トクホ飲料」導入の背景には、消費者の声が大きく影響していると、日本マクドナルドのPR部・當山心さんは話す。「以前よりトクホ飲料をラインナップに加えてほしいという声が多かったことにあります。女性やお年を召した方だけでなく、男性からも要望があり、自社調査の結果、なかでもサントリーの黒烏龍茶という声が多く、導入に至りました」。

 トクホ飲料とのコンビネーションは同社にとって初めての試みであり、ニーズに応えるだけでなく、もちろん、その背景には“新規顧客を獲得する”という戦略もある。これまでも、ポテトしか選べなかったセットのサイドメニューを、チキンナゲットやサラダを選べるようにし、カフェドリンクやスイーツの充実化など、マクドナルドではメニューの選択肢を増やすことで新たな層を取り込んできた。

 この選択肢を増やす、という取り組みには、“味わいのバリエーション”も含まれるという。「マクドナルドでは好みに応じて、バーガーのピクルスやソースの多め少なめなどがオーダーでき、味わいも選択できます。スッキリとした飲み口の黒烏龍茶の導入により、これまでになかったバーガーとの食べ合わせが生まれ、新たな味わいを楽しんでいただけます」と、當山さん。

 現在、黒烏龍茶がどのバーガーとマッチするのか、という消費者の声を調査中。近日中には発表するという。新しい味わいの提案が、これまで足を運んでいなかった世代を呼び込むきっかけとなるに違いない。

■創業から続く「医食同源」の一環、健康志向をうたうモス

 一方、モスバーガーでは、導入理由を“近年の健康志向の高まり”と発表し、前面に「トクホ飲料による保健効果」を打ち出した。同社は、これまでも創業から掲げる「医食同源」の考えのもと、さまざまな取り組みを進めてきた。

 2015年には、パティの代わりに大豆由来の植物性たんぱくを使用した「ソイパティ」を投入。2016年には従来品の約半分のカロリーに抑えた「カロリーハーフマヨネーズタイプ」の導入や、サラダに使用している「さっぱり和風ドレッシング」の塩分を25%抑えた減塩タイプに変更している。

 今回の提供は、「脂肪の吸収を抑える“ウーロン茶重合ポリフェノール”の働きにより、食後の血中中性脂肪の上昇を抑える黒烏龍茶は、脂肪の多い食事を摂りがち、あるいは血中中性脂肪が高めである場合の食生活改善に役立つ」として、決めた。提供は5月下旬までの期間限定販売。

■バーガーとトクホ飲料、両者のタッグは必然か

 肝心の“紙パック黒烏龍茶”にも触れたい。同商品は、ファストフード店専用商品となる。ファストフード店では瓶やペットボトルでの提供ができない店もあるため、紙パックの開発になった。驚くのは、250mlの小ぶりサイズながら、350mlのペットボトル商品と同等の成分が含まれていること。成分が凝縮されているため、パッケージには「#濃いめ」を入れた。その分、市販のペットボトルタイプより、味わいも濃く、キレが良くなっているという。

 結果的に、バーガーと好相性の商品に仕上がったが、当初、黒烏龍茶の濃さは課題でもあった。「単体で召し上がると、濃さが“しんどい”とネガティブに働き、食事と一緒に楽しむと、“スッキリする”とポジティブに働く傾向にありました」と、サントリー ジャパン事業本部・山下洋輔さん。日常的に食事を応援するドリンクとして、食事の場に出ていく必要を感じたという。

 そこで、幅広い世代に一番身近な外食、バーガーチェーンとのタッグへと乗り出した。「キーワードはWith Food。脂を感じやすいメニューでも、より美味しく安心して食事ができるドリンクとして、さまざまな飲食店様とコラボレーションしていきたいですね」と山下さんは、今後の展望を語ってくれた。

 黒烏龍茶は今後、3月1日からケンタッキーフライドチキン、3月5日からファーストキッチンでの販売が決まっている。各社、導入理由はさまざまだが、食に対する「健康志向」が高まる近年、両極に思えるハンバーガーと「トクホ飲料」のコラボレーションは必然といえそうだ。むしろ、タッグを組むことこそ、両者生き残りの道なのかもしれない。



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